「性格」は変えられる? ーパーソナリティ心理学の全体像ー
こんにちは。紀藤です。本日は、「強み」の論文からの学びの共有です。
論文では「パーソナリティ(性格)を操作することはできるのか?」という点について、いくつかの論文からそのエビデンスを集めている内容となっていました。
その中で「そもそもパーソナリティ(性格)ってなんだ?」ということが整理をされていましたので、個人的に調査をしたものも追記の上、まとめてみたいと思います。それでは、早速まいりましょう!
今回の論文
パーソナリティとはなにか
「パーソナリティ」とは、日本語に訳すと「性格」です。そして、個人の特徴的な感情や行動のパターンを指し、内面的な性質や傾向を示すものを意味します。
私が研究している「性格の強み」も、そうした内面的なパーソナリティ的な要素を含むこともあり、非常に気になるものでした。
そして、今回の論文では、そうしたパーソナリティの定義を含めて、詳細に解説されていたので、以下、個人的に調査したものも加えて、パーソナリティについてまとめてみたいと思います。
パーソナリティ心理学の定義と目標
パーソナリティ心理学の定義を見ると「思考・感情・行動の特徴的なパターンにおける個人差と、これらの違いの根底にある心理学的メカニズムを研究する学問である(Funder, 2001)」とのこと。
そして、パーソナリティ心理学の学問の目標としては、以下の4つが目指されています。
性格と人格の違い
少し余談ですが、「性格(パーソナリティ)」と「人格(キャラクター)」の違いについては、このようなニュアンスの違いがあるとされます。
VIAの「性格の強み」はCharacter Strengthsです。”性格”ではあるもの、これまでの宗教書や倫理観、人間性を含んだ”人格”的な項目になっているというのは、こういう背景があるといえそうです。
パーソナリティは安定したものか?
このパーソナリティは、一般的には「安定したもの」(変わりづらいもの)”と考えられています。
しかし実際は、一生涯において”中程度の変化がある”とされたり、人生に大きな出来事(強烈なトラウマ体験など)をすると性格特性が変わることもある、なども研究でわかっています。
また、状況に応じて社交的な人も、「社交的であるとき」と「社交的でないとき」と、個人の中でも振れ幅があったりするわけです。
このあたりが、変わりづらい「安定したもの」ではあるとされるもののの、実際は変わるものじゃないの?という疑問も湧いてくることになるわけです。
パーソナリティが持つ影響とは?
さて、そんなパーソナリティですが、「健康や幸福度などに影響を与える」ことがわかっています。
たとえば「良心的な性格が高い人は、低い人に比べて、約5年長生きする」ことが70年の縦断研究でわかっていたり(Friedman et al, Lunong 2009)、「外交的な性格は幸福度が高い」などもわかっています。
有名なパーソナリティ診断はこちら
また、パーソナリティ診断として有名なものを調べてみたところ、以下のようなものが列挙されました(ChatGPT調べ)。以下概要を含めて紹介いたします。
他にも、Hogan Personality Inventory (HPI)、NEO-PI-R (NEO Personality Inventory-Revised)、ケーガンの気質理論 (Kagan's Temperament Theory)、エゴグラム (Transactional Analysis - Egogram)などが紹介されていましたが、割
愛いたします。
また、VIAやストレングスファインダーも、パーソナリティを理解するツールとしても使えるものの、「強み」に焦点をあてたものであることから除外をしています。
まとめと感想
今回は論文のメインに至る前の「パーソナリティとは」というまとめの部分が興味深く、色々調べていたら長くなってしまいました。
こうして言葉にしてまとめることで、「性格」というなんだかふわっとしたものの現在地を、以前よりも明確に理解できるようになった気がします。
ということで、本論文のメインパートでは、「外交的なふりをすると、幸福度が上がる」と、あるパーソナリティの”ふり”をすることで、自分自身に影響があることがわかっていますが、次回はこちらのお話も紹介させていただければと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!
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