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「憧れだったピアノ」を購入した話。

ついに、買ってしまいました。アップライトピアノ。

ピアノをはじめて、10余年。
マンションだし難しいかな、と思いつつ、生のピアノが自分の家にやってくるのは、密かに想像していたことであり、心が高揚することでした。

今日は私的な話ではありますが「生ピアノを購入するまでのお話」を書いてみたいと思います。

「電子キーボード歴8年」からのはじまり

「鍵盤があれば同じでしょ?」

音楽への教養がない我が父母は、どこかの電気屋さんで手に入れた「電子キーボード(66鍵)」を、ある日買ってきました。

小学校2年のときでしょうか。近所で音大生がやっているピアノ教室があるとかなんとかで、ピアノを習うことになった時の話です。

強く弾いても弱く弾いても、全く同じ音色の鍵盤。
自動演奏で「フゥッフーッ!」と怪しい声色が流れるキーボード。
ペダルがなく、ティッシュ箱を仮想ペダルにしたキーボード。ピアノは習っていたものの、生ピアノには縁がなく、「電子キーボード歴8年」でした。

▽▽

大学にて、クラビノーバという「電子ピアノ」を手に入れました。

強弱をつけると音色が変わる電子ピアノに感動しました。
ペダルを踏むと、音がびよーんと伸びて、いい感じに聞こえることに嬉しくなりました。そして大学時代は、独学でピアノを弾いていました。

そして、社会人になり中断。10数年のブランクを経て、2021年コロナ禍をきっかけに、ピアノを習い始めました。大人の趣味ってなんかいい。。

こんな中途半端なピアノ歴15年(うち電子キーボード歴8年)の私ですが、2025年の春、難曲『ラ・カンパネラ(鐘)』を挑戦することになりました。

ほんと、コツコツやれば、それしか弾けなくても、一応形っぽくはなるものです(たぶん)。

「生ピアノ」は何が違う?

とはいいつつ、難曲を前に、電子ピアノでの限界を感じ始めたのでした。
家の電子ピアノだと弾いていてキレイに聞こえるのに、レッスンだと聴くに耐えない不協和音になる。

なぜか考えた時に、いくつか理由がありました。
電子ピアノも生ピアノも同じ鍵盤ですが、電子ピアノは録音された音です。なので全部キレイに聞こえます。
また鍵盤も電子ピアノは軽い。タッチ感が違って、レッスンで使うグランドピアノでは上手く鍵盤を押せません。

発表会に向けて、いっそのこと生のピアノを買おうか・・・と思い始めます。今住んでいるマンションに聞いても、特に禁止はされておらず、日中の演奏+サイレント機能などを使えば、常識の範囲内でOKとのこと。

▽▽▽

そんなこんなで、ピアノ屋さんを行脚し始めました。

1970年代のピアノ(250万円)なのに、ものすごく甘い音色で響くもの、宮殿にあるような4000万円するピアノもあったり(!)、実に多様な世界です。結局、「木」を響かせて鳴らすので、木が成熟することで、より豊かな音色に育っていくようです。

ピアノを探すうちに、メーカーの特徴も理解してきました。
ヤマハはキラキラと粒が輝くような音色が特徴。日本の高い技術者による個体差の少ないピアノのようです。
スタインウェイは甘い豊かな音色が特徴。YAMAHAに比べて個体差が大きく、日本の環境では調律もより必要であるようでした(そして総じて値段は高い)。

ピアノ屋さんは、皆優しくて上品な人ばかりに見えて、なんだか惹かれます。「いいピアノは、高級車と同じですよ。値崩れしないので、いつまでも売れるんです」と、不思議なセールストークも含めて、色々と勧めてくれたのでした。

▽▽▽

そして、惹かれたのが、YAMAHAのアップライトピアノ。
YAMAHAの中では2番目に良いグレードのYUS5というものは、弾いた瞬間にその音とタッチ感に魅了されました。

新品のもので、サイレント機能をつけると200万円以上。
どうしようかと思っていましたが、偶然入った中古ピアノ屋さんで同じものが半値以下で売っているものに出会い、即決しました。

「ピアノも人と同じで”出会い”があるんですよ。
 なのでビビッと来たものがあったら、それがいいんです」

ピアノの先生が教えてくれたお話が思い出されました。

まとめ「大人は持久戦」

ちなみに、ピアノの購入の鍵になったのは、「これからもずっとピアノを辞めることはないだろう」と思うようになったことです。

自分のような、ペダルが箱ティッシュのように、幼少期ガッツリやっていたわけでもない人でも、大人になって真面目に練習すれば、それなりにレベルアップできることを、この数年で強く実感しました。

子どもの頃は、積み重ねてきたモノよりも、才能や環境が影響します。
なので、上手い人とそうではない人の差は大きく、ピアノを習っていても習っているかわからないくらいのレベルだったりします。

しかし、大人になると「持久戦」となります。
どんなに今がしょぼくても、意識して、コツコツ継続し続ければ、確実に技術は伸びていきます。自分でも楽しめるし、人前でももっと弾けるようになる。

そのようにピアノを捉えた時に、「あと30年続けたら、もっと自由に、もっと楽しめるようになる」と思えました。その時に、ピアノを購入したいと思ったのでした。

先日、家にピアノが届きました。

触れ方に合わせて細かく変わる音色に、付き合いたてのカップル(?)のような、こうすればこう返ってくる感を楽しんでいます。
「アコースティックのピアノってこんなにいいんだ・・・」とすでに幸福感が高まっている今日この頃。ピアノに沼って行くことの楽しさを感じている次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

狭い家に、強引に置きました

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