自分の「性格の強み」を発見するための24の質問 ーCST24のご紹介ー
こんにちは。紀藤です。本日は「強み」に関する論文のご紹介です。
しばしお休みしておりましたが、改めて「強み論文ノック:リターンズ」を再開したいと思います。
本日の論文は「性格の強みを測定できる簡単な質問票」を開発した、日本の論文です。「24の質問」で自分の性格的強みがわかるという、非常に興味深い内容です。ということで、早速みてまいりましょう!
研究の背景
性格的強み(Character Strengths)で有名なものは、『VIA-IS』です。
こちらで、誰もが無料で診断できるため、とても便利なのですが、そのデータは米国にあり、日本語版の著作権も米国VIA研究所にあるため手軽に利用することが難しい、というデメリットがありました。
さらにはVIA-ISは「240問」という大量の質問に答えなければなりません。
20~30分も答え続けるのもなかなか大変です。。。
ということで、「24の質問」で、性格的強みを簡単に測定できるツール「Character Strengths Test 24 (CST24)」を開発し、その妥当性を検証することを目的しました。
「性格の強み」を測定する24の質問
では、具体的に「CST24」とはどういう内容なのでしょうか。
以下、VIA-ISの翻訳にも携わった研究者らによって作成された内容となっており、日本での実用性が高いものとなっている、とされています。以下、論文より引用いたします。
こちらは、VIA-ISとの相関は確かめられてはいません。しかし、概念としては同様のものを扱っています。これくらいの質問量であれば、簡単に答えられそうなので、実用性が高そうですね・・・!
本論文の研究内容
こちらのCST24について、その信頼性・妥当性を確かめるために、3つの調査を行いました。以下、研究内容をご紹介いたします。
研究1:CST24のテスト開発と評価
{研究の内容}
・846人の成人を対象にし、CST24の評価を含めた、テスト開発を行いました。
{結果}
・CST24の項目は良好な回答パターンを示し、再試験の信頼性と、内的一貫性を示しました。また、主観的幸福感、人生の意義、セルフコンパッション、強みの知識と活用に正の相関が見られました。
研究2:CST24の因子構造と妥当性を確認
{研究の内容}
・高校生 1137名と大学生1101名を対象に、 CST24の因子構造を調べるとともに、幸福感尺度と人生の意味尺度を用いてその妥当性を再確認することを目的としました。
{結果}
・因子構造を分析した結果、6つの因子に分かれることが確認されました。これは他の大規模な(VIA-ISの性格的強みの)尺度と一致していました。
研究3:CSTの有用性を、様々な心理尺度で評価
{研究の内容}
・524名の社会人を対象に、今後の研究の可能性を探求しました。具体的には、CST24の有用性を評価するために、価値志向・道徳的基盤・仕事関連尺度などを組み込みました。
{結果}
・重回帰分析によって、幸福感、価値志向、道徳的基盤、使命感、仕事に関連する指標に寄与する特定の強みが明らかになりました。
まとめと個人的感想
VIA-ISの240の質問より精度が低いこと、またVIA-ISとの関連は示されていないとされていますが、こうした実用性に焦点を当てた尺度が開発されることで、もっと多くの人が強みに目を向ける機会になる、とても有意義な研究だと感じました。
また、他の強みの概念も、ストレングスファインダーやStrengths Profileなどもあるので、概念間での境界がより明確になる分け方があり、それぞれが自分の強みを認識できるようになると、さらに強みの自己認識が加速しそうだな、、、と思った次第です。このあたりは、私も探求をしていきたいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!