[日本酒]日本清酒発祥之地で伝統的な酒母造り、菩提酛清酒祭を見学[前編]
日本清酒発祥の地といわれている奈良県にある正暦寺へ室町時代から伝わる昔ながらの酒造り酒母の仕込みを見学してきました。
菩提酛清酒祭
毎年1月に正暦寺境内で酒母の仕込みを行います
2022年1月9日に行われた様子です
正暦寺と日本酒
本来は寺院での酒造りは禁止されていましたが
仏様へ献上するお酒を寺院で造られました。
僧侶が醸造するお酒を「僧坊酒」といいます。
室町時代に書かれた酒造技術書「御酒之日記」には正暦寺で清酒「菩提泉」が造られたと記されており
江戸時代初期にか書かれた醸造技術書「童蒙酒造記」には菩提酛という酒母の醸造技術が記されています。
正暦寺で清酒醸造技術の発展していったといえます
しかし、江戸時代に寺の経済活動が制限され衰退し、明治時代に新たな醸造技術の開発により大正時代には消滅したとされていました。
平成時代菩提酛の造り方や資料の研究、菩提酛のお寺での酒造りの再現する
菩提酛復活プロジェクトが奈良県でスタートします
平成10年12月11日についに酒母製造免許が下り、寺院醸造が復活しました。
この菩提酛の特徴である酒母づくりを、毎年発祥の地、正暦寺で行うのがこの祭です。
菩提酛を使って造られた日本酒8種類の飲み比べ
色の違いもそうですが、
酒蔵によって甘みのあるものや、
キリッとしていたり、酸味が強かったりそうでなかったりと様々違います
左上から順に
①「鷹長 菩提酛 純米酒」 御所市油長酒造
②「三諸杉 菩提酛 純米」桜井市今西酒造
③「嬉長(きちょう) 菩提酛 純米」 生駒市上田酒造
④「やたがらす 菩提酛 浩然の気」 吉野町北岡本店
⑤「菩提酛 純米酒 つげのひむろ」 奈良市倉本酒造
⑥「純米酒 菩提酛 升平」 奈良市・八木酒造
⑦「百楽門 菩提酛仕込純米 」 御所市葛城酒造
⑧「菊司 菩提酛 純米」 生駒市・菊司醸造
その他奈良漬の販売や
寒い日にあったまる粕汁の振る舞いがありました
お昼すぎに今日の菩提酛仕込みがおわりました
2週間ほどで菩提酛ができます
この菩提酛で造った日本酒は4月初旬に販売予定です
今から完成が楽しみです
後編では、
室町時代からの造り方を緻密に再現して現代のカタチで造ったお酒[菩提泉]を試飲した様子や
そもそも菩提酛とは?についてお話しします
次回もお楽しみに!