スラウェシ島(インドネシア)
(91番) 2015年 2月
「北部スラウェシ島の百面相に出会う旅」へ行ってきました。
イギリス人写真家のカメラでクロザルが自撮りをした写真をご覧になった事がある方は多いと思います。ニッと笑った写真そのものもよく撮れているのですが、問題はその著作権が誰にあるかという点で論争になった事でも話題になりました。
今回の参加者は8名でした。
1日目 2月16日
✈ 12:00 発 関空: ガルーダ・インドネシア航空(A330-200)
17:30 着 ジャカルタ
ギリギリに申し込んだためにチケットが取れなかったようで、関東組の中で私一人が羽田から関空まで飛び、そこから出発をすることになった。
関空からはお一人参加をされていた。
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{インドネシア共和国}
面積: 約192万平方キロメートル(日本の約5倍)
人口: 約2.6億人
首都: ジャカルタ
民族: 約300民族(ジャワ人、スンダ人、マドゥーラ人等)
言語: インドネシア語
宗教: イスラム教86.7%、キリスト教10.7%、ヒンズー教1.7%他
主産業:製造業、農林水産業他
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関東組と関西組が合流してホテルへ
🛏 ジャカルタ泊
2日目 2月17日
モーニング・コールが2時45分でマナドへ向かう。
✈ 05:30 発 ジャカルタ: ガルーダ・インドネシア航空(737-800)
09:55 着 マナド(北スラウェシ州の州都)
🚌 絶滅危惧種クロザルの棲む森が広がるタンココ国立公園へ
途中、露店でフルーツの試食(ランブータン、竜眼、マンゴスチン)
タンココ着後、昼食:ミーゴレン、フルーツ
その後、ロッジにてしばし休憩
夕方、世界最小のメガネザルであるタルシウス(通称ターシャ)を観察するために軽トラックの後ろにある座席に座って森へ向かう。
彼らは4,000万年前からこの地に生息しているとか。
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インドネシアにはボルネオ島の東側の海峡にあるウォーレス線とニューギニア島の西側にある海峡で貝類と哺乳類の違いを見つけたウェーバー線がある。
その2つの線の間には、アジアからもオーストラリアからも深い海で隔てられ、古来より一度も大陸と繋がったことのない島々からなる、ウォーレシアと呼ばれる領域がある。
ウォーレシアの西のはずれに位置するスラウェシ島は、長い年月をかけて、天敵の少ない孤島で、数少ない祖先種から、ユニークな進化を遂げた生き物たちの宝庫となっている。
→タンココ国立公園
タンココ山、ドゥアスダラ山、バトゥアングス山の3つの火山に囲まれ、9,000ヘクタールの広さを誇る。少なくとも127種類の哺乳類、233種類の鳥類、104種類の爬虫類や両生類が棲息している。
公園内には樹齢100年以上の板根(ばんこん)が見事なビトゥンツリーがニョキニョキと立っている。
ターシャを探してしばらく、歩き回ったが、見つけられずにガイドさんが一人で探しに行くことに。そうするとおよそ1時間後にやっと見つけたらしく、そちらに向かうと確かにいた。
遠赤外線ライトを木の幹に照らすと巣穴から顔を出していた。ライトが眩しいのか、いきなりピョ~ンと隣の木に飛び移ったのでビックリ!
思わず、「飛んだ!」と皆が口々に言うので、ガイドさんも真似をして「飛んだ!」と言った。地上は歩かないのだそうだ。
体長わずか10cmほどしかなくて、大きな耳と目が特徴的の愛らしい生き物だ。
動物に危害を与えないようにちゃんと遠赤外線ライトを使っていたので安心した。
ターシャはフィリピンのボホール島のターシャ保護区でも見た事があって、その時は昼間だったので姿かたちがはっきりと分かった。彼らは夜行性の為、眠っていたがその姿もキュートだった。
ロッジに戻る途中には毒蜘蛛のタランチュラも観察することができた。
夕食はロッジにて野菜炒めやその日に捕れた焼き魚など。
🛏 タンココ国立公園内泊
電気は18:00~22:00のみ使用可。
シャワーは水でチョロチョロしか出なかった。ブルブルッ・・・
ベッドが汗臭くて、その上、全身ダニに食われてしまい、しばらく痕が消えなかった。😟
3日目 2月18日
早朝、公園内のモーニング・サファリへ出発
見られた鳥:
アカショウビン、アオミミショウビン、チャバラショウビン、セレベスムジチメドリ、カンムリオウチュウ、セレベスバンケン、セレベスバンケンモドキなど。
1本の大きなリトル・マンゴーの木があり、そこでクロザルの群れが食べているのを発見。いや~、会えたね。一番上にはボスザルが睨みを利かせている。
体長は44~60cmで体重は6~10kg。5~25頭の群れで行動をし、主に木の上で活動をする。
細長くて頬骨が高く、眉毛が盛り上がった顔にモヒカン頭で、お尻はピンク色のハート形でとってもキュート。暫くすると下に降りてきた。
クロザルは親しみやすく、豊かな顔の表情を使って互いにコミュニケーションをとる。
添乗員さんが鏡を見せるとその鏡に映る自分の姿を興味深そうにのぞき込み、歯を見せて笑っているし、口をパクパクさせて何かを伝えようとしている。何と「お友達になりましょう!」とか「仲良くしましょう!」と言っているのだそうだ。
しゃがみこんで目が合うと「ねえねえ」とでも言っているかのように肩をとんとんと触ってきたと言っていた人もいる。本当に人懐っこくて可愛かった。
世の中にこんなにも人間に対して親しく接してくれる野生動物がいるなんて感激したし、そこを離れる時は後ろ髪を引かれる思いがした。
その後、同じく高い木の上にいる有袋類のクスクスも観察をすることができた。ナマケモノに似ている。
一端ロッジに戻り、朝食(今朝は卵がもうなくなったらしく、パンケーキのみ)
その後はロッジにて音楽好きのスタッフとダンスをしたり、トランプなどをして過ごした。
午後は再び、公園内のサファリへ出発。
見られた鳥:
ムナグロジツグミ、アオミミショウビン、セレベスクマタカ、スラウェシ・サイチョウなど。
夕刻、ナイトサファリへ
2匹のターシャと3か月の赤ちゃんターシャを観察できた。赤ちゃんは更に小さくて超がつくほどの可愛らしさだった。
🛏 タンココ国立公園内連泊
4日目 2月19日
ロコン山(1,580m)とマハウ山(1,311m)の麓にあり、花の町として知られるミナハサ高原の町トモホンへ向かう
→サワンガン村
ここには土着信仰に基づいた家のような形をした石棺(ワルガ)が144基あり、ミナハサ地域全体には2,000基ほどが残っている。石棺の壁には太陽、人物像や動物などのレリーフも施されている。9世紀頃から13世紀頃までこのような形で葬られていた。
→トンダノ湖(標高700mにあり、カルデラ湖で鯉などの淡水魚を養殖している)
昼食:湖上にあるレストランにて名物の鯉料理や空心菜など
その後、スラウェシ島で唯一の陶器の村プルタンへ
→プルタン(代々が陶芸職人という家が多い。家の前にはズラリとお皿や花瓶などが並べられている)
→ブキット・カシ
キリスト教・イスラム教・仏教・ヒンドゥー教の教えを記した平和の象徴である高い塔があり、「4つの宗教の聖地」を謳う「愛の丘」と呼ばれる。辺りは地獄谷のように硫黄の臭いが立ち込めていた。温泉が湧き出ているので、足湯をしたり、山頂からのパノラマ展望を楽しんだ。
→カワンコワン(ピーナツの生産地。第二次世界大戦時の日本軍の防空壕が道路沿いに残っている)
🛏 トモハン泊
5日目 2月20日
引き続き、ミナハサ高原の観光
ルルカン村
→伝統マーケット
野菜、フルーツなどはもちろん犬、乾燥コウモリ、ニシキヘビ、ネズミ、イノシシなどが売られていた。
→マハウ山頂
標高1,311mの休火山。登山道がコンクリートの階段で30分ほどかかる。
山頂には硫黄が湧き出るカルデラ湖や向かいのロコン山(1,580m)などダイナミックなパノラマが広がっている。
→テンボアンの丘
美しい段々畑、トノダノ湖やスラウェシ島の最高峰クラバット山(1,955m)を遠望。
周辺の「スリーピング・ハイビスカス」という下向きで花が開かない植物の朱色が綺麗だった。それと「メディニラ・マグニフィカ」というピンク色のお花と「ヨザキスイレン」というお花が綺麗に咲いていた。
昼食:リノウ湖にて中華風料理
→リノウ湖
硫黄濃度が高く、天候と噴出する硫黄の量や光の当たり具合によって、様々な色(青、緑、ピンク、乳白色)に変化する湖。
我々が到着をした13時ごろでは薄いグリーンだった。
→ウォロアン村
ミナハサ伝統の木造家屋を作る村。リゾートでよく見かけるバンガロー付きの家。
完成後全て解体し、移動先で再び組み立てることもできる。
誰かが、日本に持って帰りたいと言っていたが、地震が多いので建築基準法に引っ掛かかるのでは?
🛏 マナド泊
6日目 2月21日
朝、スピードボートにてダイビングのメッカ、プナケン島へ
プナケン島は近隣のメナド・トゥア島、シラデン島、モンテハゲ島、ナイン島の5つの島々を合わせたインドネシア初の海洋国立公園。世界最深1800mのドロップオフが有名でダイバー達の憧れの島となっている。
→プナケン島
広大な珊瑚礁とマングローブに囲まれた島でグラスボトム・ボートに乗り換えて綺麗なサンゴや熱帯魚を観察。
陸に戻ってマーケットを覗いたり、マングローブの林を散歩したりしてのんびりと過ごした。ウニの貝殻がたくさんあった。
午後はマナドへ戻った。
🛏 マナド連泊
7日目 2月22日
午前はマナドの市内観光へ
→チャイナタウン(孔子廟や関帝廟など)
→バン・ヒン・キオン寺(1819年建立の中国の道教寺院で派手派手だった)
→パサー・ジェンキ(庶民の台所で、新鮮な野菜や魚などが売られている。お土産も買える)
→アフマド・ヤニ・モスク(北スラウェシ最大のモスクで薄いグリーンの壁が素敵)
→北スラウェシ州立博物館
マナド周辺地域の歴史の展示をしている博物館。
ここはオランダの植民地になっていた時代もあるので彼らが残した工芸品の数々や、第二次世界対戦当時にマナドにきた日本人達が残した貴重な展示品なども見ることができる。
マナドの海には生きた化石といわれる「シーラカンス」が生息している。
2007年に捕獲された時は、3億6千万年前の化石と比べてほとんど変わっていないことが分かった。ここにはシーラカンスのレプリカが飾ってあった。
今回、バビルサ(鹿豚)を見てみたかったが、残念見られなかった。
鼻の上から皮膚を突き抜けて2本の牙がクルリと曲がり頭について更に下に向かって曲がっている。体重は100kgにもなるそうだ。
空港へ
スカイチームのランクがプラチナだった為、ラウンジでシャワーを浴びたり、コーヒーを飲んだりして出発までのんびりとした。
✈ 16:15 発 マナド: ガルーダ・インドネシア航空(737-800)
18:25 着 ジャカルタ
✈ 23:15 発 ジャカルタ: 同上(A330-200)
8日目 2月23日
08:50 着 羽田
{後記}
現在、あちこちで戦争をしている国があり、最近ではもっとその範囲が広がりそうな気配です。
「皆さん、一度立ち止まってクロザルを見習ったらどうですか?」と声を大にして言いたいです。😉