ギアナ高地(ベネズエラ)
(89番) 1995年 9月
緑の魔境「ギアナ高地」へ行ってきました。
探検家の関野吉晴さんの写真集の中にあった「エンジェル・フォール」を見てみたかったのです。
今回の参加者は男性1名、女性11名の計12名でした。
1日目 9月8日
✈ 17:15 発 成田: ユナイテッド航空
16:55 着 ニューヨーク
成田から12時間15分かかった。JFKに到着すると「何だ、平和そのものではないか」と思った。
ここの印象はとても大都会の空港という感じはしなくて、どこにでもあるような空港である。
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後記: 今となっては何故「平和そのもの」と言っているのかさっぱり覚えていないのですが、恐らくNYは犯罪が多いという事を植え付けられていたような気がします。例えば、地下鉄は落書きだらけで汚いし、暗いし、その上危険というイメージでした。
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空港傍のホテルへ
ホテルの窓からはたくさんの飛行機が見える。どこの国の飛行機かなと想像するのは楽しい。すぐ傍の高速道路は車が縦横無尽に走っており、ビュンビュン飛ばしている。やっぱり、ここはアメリカだ。
🛏 ニューヨーク泊
2日目 9月9日
午前中は自由時間でニューヨーク市内へ繰り出した。
✈ 17:10 発 ニューヨーク: ユナイテッド航空
21:59 着 カラカス
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{ベネズエラ・ボリバル共和国}
面積: 91万2千㎢(日本の約2.4倍)
人口: 約2千万人
首都: カラカス
言語: スペイン語
宗教: 大多数がカトリック
主産業:石油業、製造業
独立: 1811年スペインより
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ホテルへ
ホテルの部屋には日本の浴衣が置いてあって、驚いた。日本のビジネスマンがよく利用するらしい。
🛏 カラカス泊
3日目 9月10日
✈ 10:30 発 カラカス: ヴィアサ航空
11:30 着 プエルト・オルダス
オリノコ川に面したプエルト・オルダスに到着後、金鉱の町ラスクラリタスへ向かう。
本日よりトラック2台に分乗をして出発。
トラックの荷台の両脇に長椅子が据え付けられているタイプで、体と進行方向が同じではないので疲れそうだ。屋根はついているが。
ガイドとドライバーを兼ねるカルロスとハロルドは非常に陽気で私たちを楽しませてくれる。
今日から目的地のカナイマまで3日間も走り続ける。
🛏 アナコンダ・ツーリスト・キャンプ泊(ラスクラリタス)
4日目 9月11日
グランドサバンナの大平原と雄大なテプイの姿を楽しみながらブラジルとの国境の町、サンタ・エレナへ向かう。
途中、カマメルの滝、碧玉の一枚岩でできたハスぺの谷などを訪れる。
🛏 ヤッコ・キャンプ泊(サンタ・エレナ)
5日目 9月12日
ブラジルとの国境、パカライマへ向かう。
パカライマ着後、国境で写真ストップ。
その後、内緒で少しだけ、ブラジルに入った。ガイドさんがサービスで連れて行ってくれたのだが、こういうサプライズはいつでも嬉しい。
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{ギアナ高地}
1912年にアーサー・コナン・ドイル(シャーロック・ホームズの生みの親)は「失われた世界」を発表した。その舞台となったのが、ギアナ高地である。
地層が20億年に渡る水の浸食を受け、山頂がテーブル状の山々を創り出した。地質学的には盾状地と呼ばれ、地球上では最古の部類に入る岩石でできており、地震や火山活動が終わってしまった最も安定した地殻。
このようなテーブル状になったテーブル・マウンテン(インディオ語ではテプイ)がここには100か所以上ある。面積は日本の約1.5倍。
山の上と下では標高差が千メートル以上あり、気温の差が大きい。
また、急勾配の切り立った絶壁に囲まれているために頂上と麓の間で生物の往来が不可能で隣の山との間の往来も困難なために、動物や植物はテーブルマウンテンごとの独自の進化を遂げた。特にテーブルマウンテン上の植物は4千種あり、そのうちの75%が固有種。
ガラパゴス諸島の固有種は53%。
主なテプイ
ロライマ(2810m 最高峰のテプイ)
ベネズエラ、ガイアナ、ブラジルの3つの国境に跨っており、軍艦のような形をしている。山頂の面積は45㎢で東京ドームの4000倍。
ベネズエラ側の麓には「ハスぺの谷」があり、ここを流れている川の底はハスぺという一種の赤い宝石からできている。
1884年にイギリスの植物学者が初登頂し、帰国後、その時に撮影した写真を元に講演会を開いた。その聴講者の中にコナン・ドイルがいてその風景に感激して「失われた世界」の着想を得た。
クッケナン・テプイ(2600m)
エメラルド色をした湖がある。
アウヤン・テプイ(2400m)
面積は700㎢でギアナ高地で最大。インディオ語で「悪魔の山」と呼ばれる。
山頂は17億年前に出来た黒い岩盤がむき出しになっている所や膝まで潜る湿地帯がある所、うっそうと茂る森林地帯などがある。
備考:我々が行った少し後から、テーブルマウンテン・フライトが始まり、ヘリコプターで着地することができるようになった。
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✈ チャーター機にてインディオ達に「悪魔の山」と恐れられるアウヤン・テプイの麓の村カナイマへ。ここからはガイドさんがグレゴリーに代わった。
機内からは皆が大笑いをしているのが聞こえてきて、何がそんなにおかしいのだろうと思っていたら、誰かが、水をこぼしたらしい・・・何だかとても平和な光景だった。
そうこうしているうちに機内からはロライマなどのテーブルマウンテンが見えて来た。
操縦席まで順番に行って見ることができるので、しばらく立っているとパイロットが何かを叫んだ。「Salto Ángel!」
そう、「エンジェル・フォール!」と言っていたのだ。きた~!
世界最高の落差(979m)を誇る滝だ。待っていました!!!
天気が悪いときは見えない事もあると散々言われていたが、雲一つなく、ハッキリと見えたし、更にパイロットがサービスで飛行機を往復させて5回も見せてくれて大満足だ。
思わず、シャッターをバシバシ押してしまった。
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{エンジェル・フォール}
1930年頃、ジミー・エンジェルという米国人の飛行探検家は友人からベネズエラ南部に大量の金が採れる場所があると聞いた。すぐにその男と共に飛行機を飛ばしたが、地図がないので男の言うままに操縦稈を握った。
彼らは名もない山の上に着陸をした。そこがアウヤン・テプイだったことは後日判明。そこで彼ら一行は1週間で30kgの金を採取した。
その後も金探しに精を出し、1937年にチュルン川を遡り、深い峡谷を赤黒い流れに沿って上流に向かった。その飛行途中で右手の絶壁に雄大な滝を見た。それが彼の名前にちなんで「エンジェル・フォール」と命名されたのである。
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カナイマ着後、ロッジへ
昼食後、ユリの滝を訪ねていく。
🛏 オトゥルベンサ・ロッジ泊(カナイマ)
6日目 9月13日
ボートクルーズで、アウヤン・テプイとエンジェル・フォールの滝つぼが目の前に迫るオルキデア島に向かう。
朝、4時起きでまだ、真っ暗な中ボートが出発した。
星がとっても綺麗で「あれ?二つくっついていると思ったら片方が移動し始めたぞ・・・」と思っていたら、誰かがあれはUFOだと言う。
ガイドさんによるとこの辺はUFOが出る場所として有名なのだそうだ。
途中でボートが座礁してしまい、水の中に飛び込むことを覚悟したら、船頭さんが潜って泥をかき出してくれた。
気が付くと他のボートも20艘ほど、座礁して皆、川の中に飛び込んだ上にボートを押していた。
一部の声:「日本人は軽いから、飛び込まなくて済んだのよ」・・・😓
実際は滝つぼの近くには危険なので近づけずに、途中までジャングルの中を散歩した。
エンジェル・フォールは下から見ても水が途中から消えて霧になるのがよく分かった。
普通、滝と言えば、上から下の滝つぼまで水が続いて流れているものだが。
河原でチキンの丸焼きとサラダのランチをいただいた。これが、非常に美味しくてこのツアーの中では一番のご馳走だった。
そろそろ、帰り支度を始めると雷が轟いて雨がザーザー降りになり、乗って帰るトラクターまで皆でキャーキャー言いながら走った。
しかし、一瞬、雨が上がると虹がとっても綺麗で足が止まってしまい、雷は怖いが虹は見たいしで、その葛藤と戦うのが大変だった。
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後記: ベネズエラの「カタトゥンボ川の流域」で年間を通じて日暮れ過ぎから夜明け前までに起こる雷は、大航海時代から「マラカイボの灯台」と呼ばれ船乗りの間で知られていました。
上空に走る無音の”稲光”の数は1時間に3600本を記録し「世界で最も稲妻が多い場所」として2014年にギネスレコードにも登録されました。
(ご参考まで)
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帰りも暗くなってしまった。トラクターに乗り込んでロッジへ向かう途中にはたくさんのホタルがピカピカ飛んでいて、その光が強い事もあって感激した。
🛏 オトゥルベンサ・ロッジ連泊(カナイマ)
7日目 9月14日
最後のエンジェル・フォール・フライトを1時間ほど楽しむ。
その後、圧倒的な水流を誇るアチャの滝とラグーンクルーズへ。
✈ 12:00 発 カナイマ: サービベンザ航空
13:40 着 カラカス
着後、カラカス市内観光へ
🛏 カラカス泊
8日目 9月15日
✈ 09:15 発 カラカス: ユナイテッド航空
13:56 着 ニューヨーク
着後、市内観光へ
又しても市内へ繰り出した。
🛏 NY泊
9日目 9月16日
✈ 08:45 発 ニューヨーク: ユナイテッド航空
11:49 着 サンフランシスコ
✈ 13:35 発 サンフランシスコ: 同上
10日目 9月17日
16:20 着 成田
{結び}
今回は雄大な自然に触れることができて大満足です。
後日、たまたま関野吉晴さんの講演会があることを知り、行ってきました。
奥さんから「馬鹿だとは思っていたけど、ここまで馬鹿だとは知らなかった」と偉業を成し遂げた後に言われたそうで、嬉しそうでした。