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茶葉古道(中国)

(108番)  2016年 8月
茶葉古道をゆくー大理・麗江からシャングリラへ」の旅に参加してきました。
四川省、雲南省、チベットを繋ぐ交易路・茶葉古道は別名「西南シルクロード」と呼ばれています。
雲南省のお茶とチベットの馬による、「茶葉古道」の交易が始められたのは唐の時代(7世紀から10世紀初頭)からと伝わります。
参加者は13名でした。

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中華人民共和国}
面積
: 約960万㎢(日本の約26倍)
人口: 約14億人
首都: 北京
民族: 漢民族(総人口の約92%)及び55の少数民族
公用語:中国語
宗教: 仏教・イスラム教・キリスト教など
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今回のルート

     1日目 8月20日
✈ 13:30 発 羽田: 中国東方航空(A330-300)
  16:10 着 上海

✈ 21:35 発 上海: 中国東方航空(737-800)

     2日目 8月21日
  24:55 着 昆明: 長水国際空港
空港到着後、シャトルバスでTerminal 2へ20分かけて移動。
新しい空港のようで、高級ブランドのショップもいっぱい入っていて、ちょっとビックリ。

深夜2時ごろ、ホテル到着

🏩 昆明泊

✈ 08:15 発 昆明: 中国東方航空(737-800)
  09:05 着 大理

雲南省の西部に位置する大理は少数民族『白族(ぺー族)』の自治州で、標高は2,000mの山岳地帯にありながら、夏は涼しく冬は温くて過ごしやすい気候が特徴的。
また、洱海(じかい)という湖を取り囲むようにして広がる街並みが美しく、別名『東洋のスイス』とも呼ばれる。
もちろん、大理石の産地でもある。

ホテルを6時半に出たので、睡眠時間は2時間ほどしか取れずに観光スタート🥱

車窓からは大理市を南北に縦断する洱海(じかい)が見えてきた。形が人の耳のようで白波が湖面にたつ様がまるで海のように見えることからこの名がついたとか。

洱海(じかい)

喜州(白族の村)
白壁や青瓦を基調とした伝統的な街並みが今でも100軒近くも残っている。

喜州

ペー族の民族舞踊を鑑賞しながら、「三道茶」のもてなしを受けた。
三道茶とは客人をもてなす際、種類の違うお茶を3回に分けて出す作法。
烤茶(かおちゃ)→甜茶(てんちゃ)→回味茶(ふいうぇいちゃ)の順番

三道茶の準備をするぺー族の人

昼食:砂鍋魚(洱海で取れる魚をメインに土鍋で野菜やシイタケなどの具材を一緒に煮込む)

砂鍋魚

周城(藍染めの村)
ここは中国で最大数のペー族が居住する村で自宅に藍染の工房を持つ家が多い。
ある一軒の工房にお邪魔すると作業場には藍に染まった生地が干され、2階はお土産屋さんになっていた。日本だけではなく、アメリカ、香港、台湾などで見かける藍染め商品の多くは、ここで制作された物だそうだ。

周城

🏩 大理泊
ホテルは大理古城の散策に便利な立地にある。

大理古城

     3日目 8月22日
大理市内観光

沙坪(さへい)の月曜市
※     今朝収穫したと一目で分かるほど、新鮮な野菜を中心に活気のある市場だった。

その後、雲龍県へとひたすら走り、昼食を摂った後、ミャンマーへと続く茶葉古道の要衝である諾鄧(だくとう)村
ここは南紹国(7世紀後半~10世紀初頭)時代の書物に記載があるほど、歴史のある村。
千年以上に渡って製塩を行っていて、「塩馬古道」の中心地でもある。
※ 現在でも製塩は行われており、大きな鍋で煮詰めるためにラバが薪を背負って製塩所まで歩いていた。
もう一つ有名なのは「ハム」で、散策をしていると家々の庭にはハムが干されているのが見えた。

諾鄧(だくとう)村

庄平の展望台
ペー族の村を取り囲む景勝地で湾曲した 沘江(びこう)を眺める。
急な川の流れがS字形になっている。

沘江(びこう)

🏩 大理連泊

     4日目 8月23日
🚌 麗江へ

途中、雲南省剣川県にある沙渓古鎮(さけいこちん)を訪問
位置的には大理と麗江のちょうど中間地点となる。
ここは、かつての茶葉古道の交易の宿場町として古い建築群が現存しており、昔ながらの面影を色濃く残す。
雲南からはお茶と塩を、チベットからは薬材、馬、毛皮、塩等を運んだ。

沙渓古鎮

麗江到着後、ホテルへ
ガイドさんは今朝、玉龍雪山(5,596m)のトレッキング・ツアーから戻ったばかりで、タフだなあ・・・😮
「ペー族」のガイドさんは自分たちが少数民族と言われるのが心外のようで、「2百万人もいるのだから、少数ではないです」と呟いた。

→旧市街にある四方街の散策
麗江古城の中心となる大きな広場で茶葉古道の重要な拠点のひとつ。
ここからラサやネパールを通って、西アジア、紅海沿岸にまで到達する道は約4,000kmにもおよんだ。

旧市街

三眼井
街の真ん中を走る中河から、2本の主な水路が伸び、さらに多くの水路が街中を巡っている。井戸が3つ並んでいる公共の場所があり、「飲み水用」「野菜洗い用」「洗濯用」の水場に分けられている。
※ 一番下の段で洗濯をする人がいた。

三眼井
Tripadvisorより

トンパ文字
家の壁や看板などに使われている世界で唯一の象形文字。
文字の数は1,400以上あると言われている。チベット東部や雲南省北部に住む少数民族の一つナシ族に伝わる。トンパ教の経典にも使われている。
※ 大変可愛らしい文字で覚えてみたくなるほど。
トンパ文字のはんこ屋さんもあって見ているだけでも楽しかった。

トンパ文字
笑う(分かりやすい)

麗江の街は1997年に世界遺産に登録をされて以来、ほぼ商業施設となり、麗江古城内は深夜まで観光客で賑わっていた。まさに大都会でビックリしたし、兎に角、若者が多かった。
私より少し前に行った事のある人達からは「大理と麗江は早く行かないと観光地化していてガッカリするよ」と言われていたが、まさにその通りであった。
20年以上前に行った事のある旅友達は、本当に素晴らしかったと賞賛していたので、急激に発展したのだろう。

麗江

🏩 麗江泊

     5日目 8月24日
本日は石頭城にて1泊するために必要な荷物を持ち、2台の車に分乗してホテルを出発。

束河村(そくがそん)
かつては、ナシ族の革毛類の市場として有名だった。民家はほとんどが明の時代の物でそれらを利用したお洒落なカフェやお土産物屋さんがズラリと並んでいる。石畳の道はとても雰囲気がある。

束河村

茶葉古道博物館
古い立派な建物を利用していて、かなり大きな四合院建築となっている。
茶葉を運んでいた装備やルートなどの展示がされているが、館内の写真は禁止だった。

茶葉古道博物館
Tripadvisorより

その後、ひたすら石頭城に向けて車を走らせた。
添乗員さんによると出発前にいつも通る道は急遽、道路工事で通行禁止になったと連絡が入ったとか。それで、甘海子は通れずに、玉龍雪山を拝むことはできなかった。

玉龍雪山(5,596m)
見られなかった

途中の鳴音村にて昼食

ガタガタ道をどんどん進み、綺麗に整備された棚田の景色に癒され、様々な動物達にも会いながらも、工事中のクレーン車にしばし進行を止められたりして、やっと金沙江(長江の上流)沿いにある岩上の石頭城に到着した。

駐車場からは20分ほど、歩いて下り村内の散歩へ出かけた。

宝山石頭城
緑深い谷を進んでいくと断崖絶壁の岩山に築かれたナシ族の要塞村がある。
金沙江峡谷中にある巨大な石塊上に築かれた村で1277年から1294年の間に築城された。茸状の岩石上に設けられ、周囲は猿も登れないほど切り立った断崖絶壁。敵の侵入を防ぐために、 周囲に高さ1.5mの城壁が築かれている。
※ 石畳の路地を歩いていると馬を引いている人や腰掛けてお喋りをする女性たちなどに出会った。

宝山石頭城

🏩 民宿 石頭城泊(2か所に分宿)

     6日目 8月25日
🚌 迪慶(でちぇん)チベット自治州の州都、シャングリラ(香格里拉)へ向かう。標高は3,276m

シャングリラ」とは、もともとイギリスの作家ジェームス・ヒルトンの小説「失われた地平線」に出てくる理想郷(ユートピア)のこと。
争いがなく、人々が長寿を保つ理想郷のモデルとなった街として2002年に【中甸(ちゅうでん)】という地名からこの名前に改称された。
もとは茶葉古道の交易路の要衝として栄えたが、現在は豊かな自然とチベット文化を満喫できる観光の街へと姿を変えてきている。

シャングリラ
Wikipediaより

元来た道を戻り、麗江の街で昼食を摂り、預けていたスーツケースを乗せた大型バスに乗り換えた。

長江第一湾
北から南下してきた金沙江は麗江古城から西に約50kmのところで、大きく北東に進路を変え、太平洋を目指す。このU字型になったところが長江第一湾でこの辺りは川幅も広く、また流れも緩やかである。
昔から渡し場が設けられ、各民族の南北の交通の要所となってきた。古くは三国時代の諸葛孔明による雲南征伐の時も、ここを通って蜀(四川)から雲南へと向かったと言われている。1253年に元のフビライが雲南征伐を行った際も、ここを通って大理へと南下して向かっていった。

長江第一湾

※     2年前にアメリカで見た「ホースシュー・ベンド」にそっくり。

虎跳狭(こちょうきょう)
大渓谷の川の中に巨石があり、激流を二つの部分に分けて、天地を揺るがすほど流れの勢いが強い。伝説によると、昔、ある虎がこの巨石を経由して、峡谷を飛び越え、玉龍雪山(5,596m)から【哈巴雪山(はっぱせつざん)=5,396m】に飛び移ったことから、この巨石は虎跳石と言われるようになったとか。

虎跳狭(こちょうきょう)
虎跳狭(こちょうきょう)

※     確かに茶色の水が勢いよく流れていて、迫力満点だった。

本日も長い移動日だった。

🏩 シャングリラ泊

     7日目 8月26日
午前中は旧市街の散策
標高が高い(約3,300m)ので、体調の悪い人も出たが、私はどういう訳か平気だった。あれ?🤔

松賛林寺(しょうさんりんじ)
1680年の創建で雲南省最大のチベット仏教寺院と言われ、雲南のポタラ宮とも呼ばれるチベット仏教ゲルク派の寺院。周囲は僧房となっていて現在700名余りの僧が修行している。

松賛林寺(しょうさんりんじ)

民家訪問(チベット族)
民家ではなく藩士の家だそうで中でも大黒柱がとても太くて、ガイドさんは「この柱なら、お嫁さんが貰える」としきりに言っていたのが印象的だった。

独克宋古城(どくぞんちょんこじょう)
ここは1,300年以上の歴史がある。
駐車場前の広場の亀山公園を上がっていくと世界一大きな黄金色に輝く「マニ車」がある。
30人ほどで力を合わせないと回らないとか。
そこの高台から眺める旧市街は昨年1月にあった火災で、その多くが焼失しており、残ったのは瓦屋根の区画のみで、非常に残念だ。

マニ車

昼食後、帰国の為に空港へ

✈ 16:15 発 シャングリラ: 中国東方航空(737-800)
悪天候により、出発が2時間も遅れた。
  17:20 着 昆明

夕食: キノコ鍋

🏩 昆明泊

     8日目 8月27日
✈ 10:00 発 昆明: 同上(A320)
  15:05 着 上海

✈ 16:55 発 上海: 同上(A330-200)
  21:20 着 羽田

結び
大理と麗江はその商業化された姿に驚きました。
しかし、茶葉古道という古来よりの交易のルートの一部でも見られたし、自然の景色の素晴らしさにも感動しました。

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