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どこからがカントリーミュージックなのかという問題

Keith Whitleyの名前を知ったのは最近のことなのだが、なんだかずーっと前から聞いたことがあるようなサウンドがする。

Keith Whitleyは1989年に34歳で亡くなってしまっているので、私はリアルタイムでは聴いたことがなかった。私が初めて買ったカントリーのCDはガース・ブルックスのベスト盤だった、ような気がする。中学3年の時だった。

Keith Whitleyを聴いていると、その初めて聴いたガース・ブルックスのカントリーミュージックのCDのサウンドを思い出した。ガース・ブルックスを聴いたときはカントリーとはこういう音楽だと思って聴いていたけれど、その後色々なカントリーミュージックのCDを聴いてみると、ずいぶん違ったサウンドであった。どちらかといえば、1960年代までのカントリーの多くは、もっとルーツミュージックの香りがする。

私が中学時代に聴き始めた1980年代のカントリーミュージックはもっとポップで、ロックやAORの要素の入った、違う音楽である。そのターニングポイントがどこなのかはわからないのだけれど、Keith Whitleyはそのターニングポイントを過ぎた後のカントリーミュージックである。

どちらが好きというわけでは無いけれど、どちらも一聴して
「これはカントリーミュージックだ」と感じる。音楽としてはかなり異なった質感のものではあるのだけれど、その共通点はなんなんだろう。

一つは歌唱法であるかと思う。
カントリーミュージックの歌唱法は、なんだかいかにも喉に悪そうな歌唱法である。
そしてもう一つは歌のバックにフィドルやスチールギターが入っていることである。

と、いうことは、歌唱法とフィドルとスチールギターを入れたらどんな音楽でもカントリーミュージックになるのか。確かにそうかもしれない。しかし、カントリーミュージックのサウンドはそれだけでは語れないような気もする。ジョニー・キャッシュのバンドはスチールもフィドルもいないけれどれっきとしたカントリーミュージックだと思っている。

まあ、そういう変なことを考えないで、素直にKeith Whitleyの音楽を楽しめば良いのだが。

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