佐々木陵史郎

東京都荒川区の楽器店Honky Tonk Guitars 勤務。 https://honkytonkguitars.com 楽器(ギター、トランペット)好きです。 ここでは、特に好きなカントリーミュージックの楽器についてを中心に書きたいと思います。

佐々木陵史郎

東京都荒川区の楽器店Honky Tonk Guitars 勤務。 https://honkytonkguitars.com 楽器(ギター、トランペット)好きです。 ここでは、特に好きなカントリーミュージックの楽器についてを中心に書きたいと思います。

最近の記事

大切だったもの。粉々になった裕介くんのプラモデル

私が小学校時代を過ごしたのは札幌の住宅街であった。 そのあたりは比較的教育に熱心な家庭も少なからずいたようで、小学校40人クラスの中で中学校受験をする同級生が3〜4人いたと記憶している。 私の家庭は両親が教員であったという事情もあり、その中でも教育だけには力を入れている方であった。それなので、小学校4年生だったか5年生だったかそのぐらいから中学受験向けの学習塾に通うようになった。そんなこともあり、私が小学校の同級生と一緒に遊んだのは小学校4年生ごろまでであった。 一緒に遊

    • 雪と楽器とお道具コンプレックス

      札幌に雪が降った。 まだ恒久的に積もるほどではないけれど2日間積もった。だんだん札幌の冬が近寄ってきた。私にとって24年ぶりの冬が。 私は札幌で生まれ育った。今札幌に住むようになったのは、実家の両親やきょうだいが健在なこともあり、いまいちど地元に帰って地道に生活をしていこうかと考えたのも理由の一つである。とは言っても両親はもう80代になっているし、親孝行とまでは言わなくても、近くに住んでいた方が何かと都合がいいだろうとも考えたからでもある。 札幌の冬は寒いらしい。雪かきが

      • Rhodes Stage Mark1 の修理・メンテナンス。その2

        ひょんな事からRhodes Mark 1 Stageの88を手に入れた。 これがまたコンディションは酷く、初めは部品取りようにしようかと思っていたのだけれど、分解しているうちに「これは案外治せるかもしれない」と思いレストアをすることにした。 案外治せるかもしれないと思ったのはピックアップが大体生きていたことと、ハープアッセンブリーは数本(4本)のタインが折れているだけで生きていたためだった。 電装系はダメ、鍵盤はいくつかダメ、フェルト類はキーブッシングクロスも含めて全部交

        • 私たちはアメリカ音楽の最も偉大な存在を失ってしまった。

          クインシー・ジョーンズが亡くなってしまった。91歳だったという。 クインシー・ジョーンズは間違えなく現存したプロデューサーの中で最も偉大な存在であったと言えるだろう。数々の名盤をプロデュース・アレンジしてきて、それらは枚挙にいとまがない。ポップス、ロック、ソウル、ファンク、ジャズ、R&Bに留まらず、音楽のジャンルを超えて最もクオリティーの高い音楽を作り続けてきた。 そんな偉大な存在が亡くなってしまった。 クインシー・ジョーンズの遺したアルバムで私が最も好きなのはフランク・

          憧れのカフェ・カーライルとBobby Short

          CAFE Carlyle、憧れの響である。 ウディ・アレンの映画"A Rainy Day in New York"をご覧になった方は、映画の中でこのカフェ・カーライルが印象的に登場したのを覚えていらっしゃるかもしれない。私はニューヨークに行ったことがないので何にも知らないのだけれど、アールデコ建築の高級ホテル「The Carlyle」に何とも言えない憧れを感じている。 高級すぎて、泊まってみたいとか、行ってみたいとか、そういう憧れではなくて、もっとミーハーな気持ちの憧れであ

          憧れのカフェ・カーライルとBobby Short

          アコースティックピアノと同居するRhodesの音色。Bill Evansの偉業

          Bill Evansと言えばピアノトリオの名作が多数あるジャズピアニストである。若い頃にはマイルス・デイヴィスのバンドでピアノを弾いたりもしていたのでジャズの愛好家で彼の録音を聴いたことがないという方のほうが珍しいかもしれない。 私自身もビル・エヴァンスという名前を聞くと、何か特別な思いすらする。彼のピアノの録音を初めて聴いたのは高校時代だっただろうか。おそらくワルツフォーデビーで、一曲目の「My Foolish Heart」のテーマを聴いただけで何か大切な宝石のようなもの

          アコースティックピアノと同居するRhodesの音色。Bill Evansの偉業

          E-MUのVintage Keysを今更愛でる。

          E-MUのVintage KeysというMIDI音源モジュールを持っている。メモリー電池がダメになっていて使えなくなっていたのを比較的安価に手に入れて、メモリー電池を入れ替えて使っている。 そもそも、MIDI音源モジュールという機械を触ったことがない方も多いだろう。かくいう私もこのVintage Keysを買うまではまともな音源モジュールを触ったことはなかった。Amazonで五千円ぐらいで買ったやつは持っていたのだけれど。 E-MUのVintage KeysはMIDIのコ

          E-MUのVintage Keysを今更愛でる。

          Rhodesピアノまでもがほぼオールマイティな楽器になった今だからこそ

          Rhodesピアノとの出会いはいつだったろうか。実のところよく覚えていない。 鍵盤楽器は殆ど弾くことが出来ない私がRhodesピアノという鍵盤楽器に興味を持ったのはおそらくNord Electro 2というキーボードを手に入れた時からだろう。今はもうそのNord Electro 2も手放してしまったのだが、そのキーボードに入っていたRhodesの音源(Mark 1とMark 2の音源が入っていた気がする)がとても魅力的だった。ペダルを踏むとボワーンと音が共鳴する当たりとか、

          Rhodesピアノまでもがほぼオールマイティな楽器になった今だからこそ

          1977 Rhodes Stage Mark 1レストア記その①

          札幌に引っ越してきて、東京のように近所に楽器屋街があるわけでもなくなってわけで、もう楽器を買う習慣も落ち着いてくれるものだと思っていた。落ち着いてくれるものだと思っていた、と他人のことのように書いたが、私自身のことである。楽器を買うのは、なんだか見えない力に扇動されて行っているような妙な感覚すらあったからである。 あの、楽器を購入するときの妙な興奮はなんなんだろう。 そもそも世の中に楽器を習慣的に購入するような人間は少ない。楽器屋を営んだり、楽器屋で勤めているのでわかるの

          1977 Rhodes Stage Mark 1レストア記その①

          中年オヤジになったからこそ、じっくりと楽しめる二枚の名盤

          今日、帰り道にレコード屋に寄ってJohn Coltrane and Johnny Hartmanのレコードを買った。言わずと知れた、ジャズの名盤である。 しかし、このアルバムを素直にジャズの名盤と呼んでいいのだろうか。当代きっての前衛ジャズの旗手たちが集まり、しっとりとしたバラードを奏でる。それも、ジョニーハートマンの歌伴として。 リリースされた当時のジャズファンはどう思ったのだろう。きっとおったまげたに違いない。そして、このメンバーでこのようなアルバムは許せない!!と憤

          中年オヤジになったからこそ、じっくりと楽しめる二枚の名盤

          レッド・ガーランドトリオという魔法について

          Red Garlandというピアニストの名前を知ったのは今から二十数年前、まだ私が大学1年生の頃だったと思う。ジャズ研の部員だった私は同級生の部員にCDを一枚かした。それは、高校生の頃に購入したジャズのアルバムだったのだけれど、自分自身もよく聴いていたわりに、そのピアニストが何者なのかはよく知らなかった。 Alfa Jazzというおそらく日本のレーベルが企画しリリースしていたRed Garlandのライブ盤だった。スタンダード曲ばかりをピアノトリオで演奏したアルバムだった。

          レッド・ガーランドトリオという魔法について

          秋も深まる札幌で聴く日野皓正のAlone, Alone and Alone

          札幌は、ここ数日ですっかり涼しくなった。 いや、涼しいというよりも寒くなった。今日でこそ最高気温は21度、明日は23度になるらしいけれど、それでも最近まで東京に暮らしていた身からしては寒いぐらいだ。 季節はすっかり秋になってしまい、夏の面影はない。あまつさえ街ではトレンチコートを羽織った女性も見かける。これはもうすっかり秋だ。 先日、飲み屋で飲んでいた時、店の人に「札幌ではいつから冬物を着たらいいか」という旨の質問をした。マスター曰く、10月下旬まで男性はあまりコートを着

          秋も深まる札幌で聴く日野皓正のAlone, Alone and Alone

          日本スチールギター愛好家コミュニティの灯火をなんとか灯し続けたい。

          今日帰宅したら、Japan Steel Guitar Associationの会報が届いていた。夕飯を済ませて、すぐに開封し目を通した。 そこには、悲しい知らせが主宰の藤井三雄さん自身の手によって書かれていた。なんと、Japan Steel Guitar Associationが今年の末をもって閉会してしまうというのだ。 藤井さんももうお齢なので、いつまでも独りで会を主宰していくのは大変なのだと思う。年齢のことは置いておいても、これまで46年間も会を続けてきたのだし、日本

          日本スチールギター愛好家コミュニティの灯火をなんとか灯し続けたい。

          ペダルスティールもエレキギターも重い方が演奏しやすくないかな。

          先日もこのnoteに書いたのだけれど、先日東京から地元の札幌に引越しをしてきた。ピアノも運び入れて、とりあえず荷物は全て新しい自宅に入った。(入ったには入った) あとは片付けるだけである。 Rhodesピアノとペダルスチールギターの置き場所に難儀し、とりあえず一台はリビング・ダイニングルームに置きたいと考えていたのだけれど、ピアノとのレイアウトの関係でどうしたものか考えていたのだけれど、何度かの試行錯誤を経てなんとかいまの形に収まった。 ペダルスチールギターは、ケースに入

          ペダルスティールもエレキギターも重い方が演奏しやすくないかな。

          書斎兼寝室のライティングデスクを処分した

          この度札幌に引っ越したことに伴い、書斎兼寝室をあてがってもらった。 今までは書斎にライティングデスクを置き、作業をしていたのだけれど、引越しの際に色々とものを持ってきすぎたせいで、寝室にものを置ききれなくなり、寝るスペースがなくなったので、思い切って書斎に置いていたライティングデスクを小学生の娘に譲った。 元々使っていた机もそれほど立派なものではなかったのだけれど、かれこれ10年も使っていたのである程度愛着もわいていた。 それを、手放すことにあたりそこそこの決心も必要ではあ

          書斎兼寝室のライティングデスクを処分した

          引越し作業をしながらDinu Lipattiを聴く

          東京都の荒川区から札幌へ引越してきた。 東京にもうかれこれ24年間住んでいた。荒川区にも18年。心の故郷というほどではないにしろ、控えめに言っても住み慣れた土地だった。東京都の荒川区(南千住)はいわゆる下町のようなところで交通の便がいい割には人情味が溢れていて住みやすい場所である。 駅でいえば日比谷線の三ノ輪駅の近所に住んでいたのだけれど駅前にはパチンコ屋ぐらいしかないけれど、2〜3町西に行くと南千住一丁目で古くからの長屋があったり、区画割の小さな一軒家が立ち並ぶ住宅街である

          引越し作業をしながらDinu Lipattiを聴く