Kids are still respecting old Jimmy Day
カントリーミュージックを普段聴かない方にとっては、Jimmy Dayという名前はピンとこないだろう。私もJimmy Dayという名前を知ったのはここ10年ぐらいのことで、それまではペダルスティールプレーヤーといったらバディ・エモンズぐらいしか知らなかった。
ペダルスティールギターの巨星Paul Franklinが登場するまでは、ナッシュビルで最も忙しかったペダルスティールプレーヤーはおそらくJimmy Day、Lloyd Green、Buddy Emmonsたちだったのだろう。それぐらい、色々なカントリーミュージックのレコードには彼らの名前がクレジットされている。
ペダルスティールギターという楽器が日本において、それほど競技人口が多くないのは、これが難しい楽器であることと、重量があるということに並んで、レコードで聴くペダルスティールプレーヤーの誰もが上手すぎる、ということもあるのだと思う。
彼らのような芸当はペダルスティールギターを手に入れてすぐにできるわけではない。(むしろ、何年練習してもできない)
Jimmy Dayは時代やアルバムによってプレイスタイルも様々なのだが、大雑把に言ってしまうと、速弾きで聴かせるというよりも、音色で聴かせるプレーヤーだと思う。ペダルスティールギターという楽器はその性格上、フレットをさほど移動しなくてもどんなコードでも出せてしまうのだが、Jimmy Dayはスライドを多用し、バーをフレットボードの上で滑らせいかにもスティールギターというサウンドを聴かせてくれる。
ボリュームペダルとヴィブラートの加減も絶妙である。ヴィブラートと共にヴォリュームを徐々に上げる奏法はペダルスティールの基本なのだけれど、この加減次第でその人のサウンドが決まると言っても過言ではないだろう。Jimmy Dayはヴォリュームペダルの扱い方が絶妙だ。ここが簡単には真似できない。
Sho-Budの特注モデルを縦横無尽に鳴らしまくるJimmy Dayのスティールギターサウンドは今日のカントリーミュージックのサウンドの完成に大きく寄与している。
あのWillie Nelsonが、Merle Haggardと”Okie from Muskogee"を共演した際に歌詞の一部を
”Kids are still respecting old Jimmy Day"と歌詞を変えて歌っていた。
Kidsだけでなく、極東の40代男性もJimmy Dayを尊敬している。