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なかなか歪みがおさまらないRhodes Suitcase

先日Rhodes Mark 2 Suitcaseを手に入れて、メンテナンスをしている。
ピックアップ不良が15箇所ほどあったのでそれは交換するにしても、一番困っているのはパワーアンプの歪みがおさまらないこと。おまけに、いじっているうちにどこか回路がショートしてしまったのかヒューズが飛んでしまった。

ローズスーツケースは電源を入れたときに一瞬たくさん電流が流れるので通常の250V 4Aのヒューズを入れると飛んでしまう。それでスローブローヒューズを使わなければいけないのだけれど、250V 4Aのスローブローヒューズは札幌ではなかなか手に入らないので困っている。

ひょっとして、通常の仕様だとスローブローでなくても大丈夫なのかもしれないのだが、どこかショートしてしまったままになっていてヒューズが飛んでいるのかもしれない。そんなこんなでスーツケースのアンプを修理しなければならないのだ。

スーツケースのアンプの回路図は持っているのだけれど、私はトランジスタアンプにあまり詳しくないため、どこがどう調子悪いのかがよくわからないでいる。こういう時はプロに任せるのが一番なのだけれど、結構高くつきそうで躊躇している。そもそも、札幌でローズスーツケースのアンプを修理できる業者さんはいるのだろうか。

けれども、アンプを壊してしまっては元も子もないので、やはりお金を貯めて業者に直してもらおうかと思っている。

治すための原資というわけでもないけれど、手元にある私がメンテナンスをしたRhodes Stage 73が(マーク1、マーク2ともに)数台あるので、それらを売ろうかと思っている。クリーニングし、鍵盤を調整し、不良ピックアップは交換し、ダメになっていた部品は交換し、チューニングもしてあり、きちんと弾ける状態になっているものだ。

RhodesはやはりStageの方が好きである。Stageはシンプルなパッシブの楽器であるため、メンテナンスが容易であることに加え、色々なアンプに繋げて音色作りができる。運送屋に頼んで運搬する場合のコストも半分で済む。何より自分で持ち運びすることを考えると、Rhodes Stageの方が断然楽である。ヨーロッパのRhodesの名手Jozef DumoulinももっぱらRhodes Stage 73を愛用しているのもおそらく持ち運びが楽だからであろう。

Rhodes Stage用のプリアンプというのも、案外色々な選択肢がある。

先日Avion Studiosの出しているRhodes Stage用のプリアンプ Retro Flyerを
買って、Rhodes Mark1のStageに搭載してみたところ、電源ノイズは気になるもののなかなか太くていい音色がした。電源ノイズは外付けのノイズフィルターを繋げたら気にならないレベルにまではなった。

Retro Flyerはもう一つ上級機種も出ているので、そちらは電源ノイズの問題が解決されているのかもしれない。わからないけれど、音は良いしトレモロの効き具合もちょうど良い。何より、トレモロがきちんとステレオになっているのが「使える」ポイントだ。

Rhodes Suitcaseのあの太くて暖かい音色の魅力は確かに価値があるとは思うけれど、Stage用のプリアンプを使えば、良いアンプに通せばあの音色を再現できる。良いアンプと言っても高級アンプである必要はなく、Rolandのキーボードアンプで十分使える。

Rhodesを今まで10台ぐらい買った結論は、良いプリアンプさえあれば、Stageの方が取り回しが良く使いやすいということだ。

けれど、せっかく手に入れたRhodes Suitcase、なんとか修理して使えるようにしよう。

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