1965年製Gretschのネックリセット
昨日は月末だというのに一日暇で、仕方がないので私物の1965年製Gretsch 6117を店に持ってきてネックのリセット作業を行っていた。
そもそも、このGretschのネックは過去三回ぐらい外したりつけたりしているのだが、リセットしたところで半年もするとすぐに起きてきてしまいギターとして使えなくなってしまう。
今まではタイトボンドを使ってリセットをしていたのだけれど、タイトボンドよりも強力と謳っているゴリラボンドというのを手に入れたので、真偽の程は知らないが、ボンドの実力を見てみようということで使ってみた。
まだ、昨日くっつけたばかりなのでボンドが完全に硬化していなく、弦も張っていない状態なのだけれど、とりあえずくっついてはいる。果たして、きちんとギターとして蘇るのかは不明である。
そもそも、60年代のGretschはネックジョイントが酷い。私は6120のネックを外したことがないのでわからないけれど、少なくとも私がこれまでネックを外したことがある6117、6118、6124はどれも酷いネックジョイントであった。
まず、ダブテイルジョイントになっているのだが、そのダブテイルの加工が雑で、そもそもうまく噛み合っていない。そこを膠で隙間を埋めてボルトで無理やりジョイントしているもんだから、すぐにヒールがボディーから浮いてきてしまい、ネックが起きてくる。ネックジョイントの強度がそもそも弱いのだ。
そういうこともあり、Gretschのギターはある意味「消耗品」であると言える。昨今Vintageギターの価格が高騰しているにも関わらずGretschの60年代のギターはまだまだ数十万円で手に入るのはそのことも強く影響していると思われる。
しかし、私個人的にはその出来の悪いGretschというギターが好きなのである。近年の日本製のグレッチはある意味よくできているけれど、作りが頑丈すぎて50年代60年代のGretschのような危うさがなく、それは音色にも直結している。私も、近年の日本製のグレッチを所有しているがあれはあれで見た目は悪くはないけれど、なんだかちょっと違うのだ。
そういうことで、私はこの1965年製のGretschのネックを何度もリセットしながら使っている。今度こそきちんとジョイントして10年ぐらいはこのまま使えるようにしたいところである。
今回は、前回ジョイントした際に止めたネジがバカになっていたのでそれをまず抜いてからネックを外そうとしたのだが、ネジ頭が完全に潰れてしまい、ネジが抜けなかった。仕方がないので、力技でジョイントを外したらヒールが割れてバラバラになってしまった。
そこでまずは、そのバラバラになったヒールを接着。その後ネックジョイント周りをきれいにして、ゴリラボンドで接着という流れになった。
ネックは2ピースのメイプルにローズウッドのような板が挟まっている構造なのだけれど、これもすぐにバラバラになってきてしまう。そもそも木材が脆いのだ。そのためヒールにも強度がない。
この頼りないネックに今までは常に11−49のゲージを張っていたのだが、今度はネックの負担を軽減するために細い10−46のゲージを張ろうと考えている。
果たして、どうなることやら。