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satoshi_st
猫をかぶり続けると壊れる
自分は八方美人だ。人によって性格を変える。
加えて、
「僕」「俺」×3「おれ」「私」「あたし」
と「自分」の八人が自分の中に存在している。※決して多重人格ではない。
ここ一ヶ月、「あたし」と「私」がフル稼働をしていた。締め切りを守り、仲間と打ち解けるにはこの二人の性格が必要だったから。ちなみに気を配れる「僕」もたまに出てきていた。
フル稼働をして締め切りを守り作品は褒められかなり順調だったが、徐々に精神が壊れ始めた。
生理前でもないのにつらい。何もしたくない。希死念慮。なにもかもから逃げたい。
やることをやり過ぎて疲れたのかなと軽く考えていた。太陽を見たくないのは鬱症状っぽいが、どこにもそんな原因は見つからないのだ。
話は変わるがさっき「俺」が久しぶりに出てきて、人と会話をした。
その瞬間、心がとてつもなく軽くなった。
背負っていた荷物を捨てたような解放感。希死念慮なんかどこかに消えた。すっかり元の、安定した心に戻ったのだった。
そして、自分が猫をかぶり続けてつらくなっていたことに初めて気づいた。
きっと他の人は元から猫をかぶる必要がなかったり、元人格と交代してうまくやっていけたりするのだろう。
しかし自分はそうではない。不器用で要領が悪く、自分の心を休憩させる時間を上手く取れない。
猫をかぶってニコニコしていた分の押し殺していた感情が溜まり、鬱憤と化していたのだった。
アイスを食べても音楽を聴いても改善しなかったのは、常に猫をかぶり常に溜まり続けていたからだった。
リフレッシュする時間も必要だが、「最近は自分のこういう性格を押し殺して生活していたから、ちゃんと解放してあげよう」と、自分と会話することも必要だと思った午前2時6分。