タキシードでママチャリを乗るおっさんから学ぶ恋愛心理学。
先日車を運転中、信号待ちの最中にそのおじさんを見かけた。
荷台にボックスを積んだママチャリで歩道を逆走していたそのおっさんは、蝶ネクタイをしっかりと付けたタキシード姿だった。
二度見した。
そのようなチャリに乗るおっさんは、よくわからないブランドの帽子とよくわからないブランドのヤッケなんかを着ているべきではないのか?真夏ならヨレた白いシャツとしわしわのステテコでもいい。と、偏見の塊思考が頭をよぎった。
一体どこへ向かうのだろう、若しくはどこで何をして来たのだろうか。
信号はたちまち青になり、タキシードのおっさんに後ろ髪を引かれながら車を走らせた。
指揮者だろうか。いや、マジシャンかもしれない。
それにしても着替えもせずにその余興の後そのまま帰ったりするものなのだろうか。
ていうか、標準装備だったとしたら一体どんな人生を歩んできたんだろう。
運転中おっさんの事ばかりが頭の中を占め、買い物に向かう途中だったのも忘れて気付いたら家に帰っていた。
人は見た目が9割という本があったな、と思い至り、第一印象の大事さをつくづく感じ、おっさんは私にその事を学ばせてくれた。
しかも知りたいという欲求を解消できない不満は、もう一度会いたいという欲求にすり替わる。
まさに追われる恋愛とはこういう事なんじゃないのか?
第一段階、恋に落としたい相手の懐にまず入るためには、タキシードでママチャリを乗り平然と歩道を逆走するような、そんな戦略を用いて然るべきかもしれない。
但し、相手の懐に入った後、その人の中の「ヤベー奴枠」に入ってしまうかもしれない危険と常に隣り合わせだと言う事だけは、肝に銘じておかなければならない。