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勝手決算:SONY/日立製作所/丸井から見る優秀なIRコミュニケーションとは。

前回のラクスルちょっと反響ありました


noteはダッシュボードで管理画面みたいなの見れるんですが、閲読数が最高値でした。facebook連携やTwitterへの連携が効いたのか、ちょっと熱めに書いたのがいいのか。

今回はTwitterで見たような気がした今期(3月決算⇒5月発表)のベストIRとされている3社を見てみようと思います。

①SONY

②日立製作所

③丸井グループ


①SONY

株価爆上がり中のSONYです。コロナの下げでエントリして資産形成させてもらいましたので、いい想いしかない銘柄です。AZS。

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IR DAYと称してスライド満載です。

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サマリーですが、FY18と比較するとダウントレンドのように見えますが営業CFはやや伸びているので最後のクオーターコロナありましたが関係ないという感じです。コロナ影響を受ける事業がSONYにはないんですね、きっと。

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セグメント別でみるとこんな感じです。ゲーム/音楽/映画/エレクトロニクス/センサー系/金融 もっと凸凹あるかと思いましたが、結構バランスしてますね。すごいいいPF。ゲームで1800億円も稼ぎだすのは凄まじく、バンダイGでも年間利益ベースですが、700とかです。世界のSONYというわけですね。

詳細の数字は以下で

ここからは「感動をお届けする企業」らしく、夢がすごいです。

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流行りのパーパスドリブンな感じで入っていって

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感動創造企業だぞと。コンテンツビジネス、D2Cなど先を見つつも足元の稼ぎは好調。最高です。そりゃ株価も上がるわ。と。そして、みなさんお待ちかねのPS5情報。没入感とシームレス性を追求するそうです。売れそう…

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ゲームのクラウド化も14年くらいから初めておりゲームチェンジャーという感じです。トップランナーなのに。

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IPビジネスに関しても自社IPの創出からファニメ―ションでの海外展開やゲーム経由での海外展開などIPビジネスが50%海外でマネタイズしているのを見越してうごいてます。子会社のアニプレックスもヒット作連発です。

ちょっとソニーだけで終わってしまいそうですが、「現実的な数字の説明」と創業精神に基づいた「夢の語り」が両立しているIRコミュニケーションで、これ以上ない感じです。すごいの一言。


まったくの分野外ですが、

②日立製作所

一点して超絶真面目なトーンです。

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基本的にはコロナ影響もあり、決算自体は悪いです。悪いながらもきちんとステークホルダーに開示していく姿勢は立派だなと思いますし、日本モノづくりの精神も垣間見えるかなと。

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キャッシュフローも5年分遡るのは初めて見たし(大体3年)、

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セグメント別収益をここまで細かく出しているのも親切です。

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コロナ影響でコミットメントラインの話や、財務状況を開示する企業は多いですが、運転資金の日数などまできちんと明記しています。丁寧。

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株もっているわけではないですが、この資料だけでとても信頼できる企業というのがわかります。法人とはよく言ったもんで、細部に人格出ています。しいて言えば経営上の重要指標を明示してほしかったなという感じです。


③丸井

結構身近な企業ではありますが、初めて決算資料を見ます。


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デザイナおしゃれだなーと思うくらいですが、読み進めていくと驚きしかありません。最後はダサいスライドで終わりますが、それまでに十分エモくなっているので、逆にすんなり入ってきます。読み終えたころ、丸井への思いは全く別のものになります。

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サマリーページは下記です。一番上の3指標が重要指標(KPI)としているものですが、すべてマイナスです。基本事業が小売りなので、コロナで相当きついだろうなと。

因みに

EPS Earnings Per Share 当期純利益を株数で割るので、1株あたりどのくらい儲けたんだっけ?今期という感じです。株主目線ですね。

ROE Return On Equity 株主が投資した資本(株主資本)に対してどのくらい儲けたんだっけ?今期という感じです。これも株主目線です。

ROIC Return On Invested Capital 株主資本だけじゃなくて銀行借り入れとかも含めた他人資本(有利子負債)も合わせてどのくらい稼いだの?という指標。

です。まあ難しいので、なんとなくで。

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次にセグメント別です。事業自体はそこまでで、小売り(マルイとかのセールスですね)とフィンテック(エポスカード)です。

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見ればわかりますが、エポスの方が大きく、小売りのイメージが強いですが金融屋だということがわかります。融通しているんですね。


次は非常に珍しいスライドで、LTV(ライフタイムバリュー):生涯どのくらいのお金を落としてくれるか。をみています。リカーリングレベニューも同じようなものですから、継続的に総利を上げると見込まれているものが全体の65%もあるんですね。どうやってカウントしているんでしょう。気になるし。マルイでお買い物している人はずーっとマルイでエポス決済なんですかね。

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ここから急に雲行きが怪しくなってきます笑

この宗教画みたいなスライドはアレですが、読み進めると感動を覚えます。

法人って、いいもんだなと普通に思います。

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ステークホルダーであるエンドユーザーに政府給付金の案内をするなど貸し倒れがきついからという理由よりも社会的な意義を感じているように思えるくらい正義です。最早いち企業のとる領域を超えている。すごいマルイ。

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次にステークホルダーである取引先。

家賃は全額免除。敷金も必要に応じて返却。支払い猶予。

マルイが段々神々しいです。

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からの株主には連続増配を約束。資金ぶり大丈夫?と思ってしまうほどの「漢気」。マルイかっこいい。

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神々しいマルイが畳み込むように、投資家とのコミュニケーションを開始。

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「どのような会社になりたいのか?」という質問もまあエグいが、それに対する回答の明快さ。

事業構造を労働集約型の小売りから、無形資産による知識創造型へ。

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マルイがただの小売りだと思って読み始めてましたが、すでにSBのような投資会社です。しかも自社も事業しているのでハンズオンしながらバックも最大化させるCVC。BASEみつけてた辺りもすごい。総額150億超のファンドだと考えると事業会社の中ではまあまあな規模。

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マルイの目指す業態、方向性。投資によるグロースがいよいよ数字に表れてきた感じでしょうか。

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よくポップアップしているアニメ事業に関しても数字出ていまして、投資に対する貢献利益が大きいです。物販やカフェの数字積み上げでしょうか。委員会への出資もあるのかな。。

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マルイのIRがまさかまさかの素晴らしい内容でびっくりです。改めて最後の謎のスライドで今回は終わります。最後までありがとうございました。

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