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読むコトトバ#01(2020.04.29)/栞日代表 菊地徹さん

これまでのアーカイブを「読むコトトバ」としてお届けしています。当面は不定期更新のため、マガジンとしての月額設定はありません。月に1回程度の更新を予定しています。(内川奈津子、瀧内貫、間藤まりの:共同編集)

あえて音だけのラジオ番組「コトトバ」

瀧内貫(以下、瀧内): 「コトトバ」という名前のラジオのような企画をスタートしようと思い、最初に菊地さんに声をかけました。今、コロナ禍でオンラインのイベントやミーティングをたくさんしていますが、終わったあとすごく疲れるという感じがあって。企画内容を固めている中で、「声だけ」「朝のイベント」という案が出てきました。人との対話を共有することによって誰かの助けになったり、もしくは自分自身が楽になったらいいなと思っています。今回、アシスタントに草野さん。ゲストが菊地さんです。簡単に、自己紹介をしてもらえますか。

菊地徹さん(以下、菊地):長野県松本市で書店兼喫茶「栞日」という場所を営んでおります、菊地です。栞日はカフェの要素を持ちつつ、自分の意識としては本屋をやっています。日本国内の、「独立系出版物」という呼び方を僕はしているのですが、ZINEやリトルプレス、ミニコミ誌と言われるようなインディーズの本を扱っている新刊書店です。業界で「取次」と呼ばれる仲卸問屋を介した本の流通には乗らない本たちに光を当てることを仕事にしています。今日は、よろしくお願いします。

菊地徹
栞日代表 / 企画・編集・執筆
1986年、静岡県静岡市出身。大学卒業後、旅館勤務、ベーカリー勤務を経て、2013年夏、長野県松本市で栞日を開業。国内の独立系出版物を扱う書店兼喫茶としてスタート。翌年の夏からブックフェス「ALPS BOOK CAMP」を主催。2016年夏には、現在の店舗に移転リニューアルオープン。同年秋、毎回ひと組限定で中長期滞在型の宿〈栞日INN〉を旧店舗にて運営開始。2019年春には「これからの日用品を考える」がテーマのギャラリーストア〈栞日分室〉も始動。今春、企画・編集・執筆を生業にすることを宣言。まつもと市民芸術館の広報誌『幕があがる。』編集メンバー。

瀧内: 長野県長野市でデザイン事務所をやっています。いわゆるコミュニティデザインという仕事もプラスでやっていて、地域課題解決みたいなものを少しお手伝いするようになって5年くらい経ちます。そういう経緯もあって、長野県中をグルグル回っていて、いろんなキーパーソンの方とおつきあいをさせてもらっています。

瀧内貫
1978年大阪生まれ長野育ち。デザイナー。企画家。
地域に根ざし、さまざまな事業やプロジェクトの伴走者として、各種広告やウェブサイトなどのデザインディレクションを手がけるほか、地域課題を整理、解決するための活動やプロジェクトに携わるなど、グラフィックデザインや空間デザイン、プロジェクトマネジメント、コミュニティデザインとその周辺を専門領域としている。多様なコミュニケーションや、プロジェクト企画などを組み合わせた立体編集、ディレクションを得意とする。
主な活動として、株式会社コトト 代表取締役、ミリグラム株式会社 取締役、まちの教室 ディレクターなど。

草野エリ(以下、草野):長野県塩尻市在住で、塩尻市にある「シビックイノベーション拠点スナバ」という場所の運営チームに入っています。私自身はフリーランスでもあり、ディレクションを勉強していて瀧内さんから「コトトバという企画があるから、アシスタントで入らない?」とお声がけいただいて、ちゃっかり席に座らせていただいているという感じです。普段から人と喋ったりすることが大好きなので、この企画の中でいろんな話を聞けたり、あとラジオが私にとっては新しいツールなので、何が起こるのかなということを楽しみにしております。よろしくお願いします。

瀧内: ラジオって新しい?

草野: 私はラジオを聞いてこなかったので新しいです。

瀧内: 今、ラジオに新しいって言ったのがすごく印象的。「コトトバ」の告知の紹介文の中で、菊地さんも「ラジオかも」って言ったよね。

菊地:瀧内さんも言っていたけれど、パソコンの同じ画面の中に話している相手の顔がざっと並んでいると、どこに目線を配ればいいのかなって、終わったあと明らかに目が疲れている。こう、疲弊感というか「疲れたなー」みたいな感覚があって。音だけに集中できるメディアとしては、ラジオは優れている、っていう気づきですよね。

瀧内:オンラインミーティングをした直後に、最近「Dabel(ダベル)」っていうアプリがあって、それを使ってみようってなったんだよね。最近そこで起業家の人たちが壁打ち(注:自分の考えを人に話しそこから返ってくる反応を元に、さらに考えを深めていくなどの意味)をしているって話をしていた人がいて。やっぱりオンライントークって視覚情報にすごく引っ張られて、その分、想像力が欠如していくというか。

菊地:そうなんだよね。

瀧内: 聴きながら「彼の言ってることって、どんなことなんだろう?」って想像するところもあっていいなと感じた。

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