保光敏将
玄関を出たところに小さな南天があります。 一昨年まではなんの木か分からず切ってたのですが、南天の木とわかり切らずに伸ばしていたら昨年は実をつけました。 十月頃はあまり綺麗な色の実ではないな、日当たりのせいかなとちょっとがっかりしていましたが、この頃 綺麗な色の実になりました。寒さが増すにつれて綺麗な色になったような気がします。 南天は『難を転じて福となす』と言われ、昔から縁起のいい木だそうです。先の地震で被災された方々に一日でも早く日常が戻ってきますように。
なんでもいい、木の実について詳細に説明を出来るようになりたいと思った。たとえば、誰でも知っている胡桃やアーモンドでもいいし、椎の実、橡の実なんかでもいい。欲を言えば、生まれ故郷でよくとれる木の実があれば、その実について詳しくなりたい。 そんな事が出来ると、なんだか立派な大人のような感じがすると、五十を過ぎたおじさんが考えているのだから、その時点でもう立派でも何でも無いのだけど… 木の実について詳細に説明が出来ると言うのは、ちょっとステキな事だと思う。 2023年6月5
「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」は、内田百閒「第一阿房列車 特別阿房列車」の有名な一節です。 わたしも内田百閒さんに倣って、「なんにも用事がないけれど、バスに乗って都内の何処かへ行って来ようと思う」 そう思いついて何処へどう行くか考えてみる。まずお金の心配はいらない。大阪のように遠くはないし、都バスにはお得な一日乗車券がある。それを使えば千円でおつりが来るので、画料の前借り ーしたことは無いけれど、出来るのだろうか?ー などしなくてもい
昨年辺りから最寄りの駅にツバメが来なくなった。来なくなったと言うより、巣を作らせなくなったと言った方が正しいのかもしれない。 四月の終わりに法事で長野へ行くとき、乗り換えの駅につばめの巣があった。長野でも駅にはツバメの巣があった。最寄り駅にツバメが来ていた頃は、巣立ちの時期になると、どちらへ飛んでいっていいのかわからない若いツバメが、駅の中のお店に迷い込んでるところを何度か見かけた。お店の人もツバメも大変なんだろうけど、なんだか微笑ましい光景だった。 2023年5月24
先日ヒロイヨミ社さんの展示『fumbling』で購入した『ある日3』 その中に菅原克己の詩が引用されていた。『島』というタイトルの詩なのだけれど、自分の知っている(覚えている)詩と違っていた。気になり久しぶりに菅原克己全詩集を取り出し目次を見てみると、島というタイトルは一つしか見つからず、その頁の詩は自分が覚えていたものではなく『ある日3』で引用されているものだった。 何回見返しても一つしか見当たらない。もしかしたら自分が覚えていた詩のタイトルは島ではなく別のタイトルなの
年末はだいたい三十一日の夜遅くまで掃除をして、ヘトヘトになりながら新年を迎える事が多い。今年は夕方六時頃まで、できる範囲で夜はゆっくりすることに決めて作業を進めた。一時間ほどオーバーしたが七時過ぎにここまでと終わらせ、ゆっくり夕飯を食べる事ができた。 ビールを飲みながらお寿司を食べ、いつになくのんびりと年越しを迎える事ができた。お酒も入り掃除の疲れもあってか、うとうとしてしまい年越し蕎麦を食べるのが、年が明けてからになってしまった。寝るまでがその日一日だと思っているので、それ
尾道の古本屋「弐拾dB」の藤井さんからみかんが届いた。 11月に上梓された『頁をめくる音で息をする』の装画を担当し、そのお礼がしたいので住所を教えてほしいと以前に連絡をもらった。その時は恐縮してしまい、やんわりとお断りさせてもらったのだが、断ってしばらくは、せっかくの好意をお断りして申し訳なかったかなと、ちょっと後悔していた。 その後、刊行イベントで上京された際にお会いして、友人が作っている蜜柑を送りたい旨をお聞きし、それならと住所をお伝えした。 届いた蜜柑は、さぎしまみかん
十二月になり手入れをサボっていた庭の雑草はほぼ自然になくなり、その雑草に隠れていた万両に沢山の実がなっていた。ついでに辺りを散策すると、物置の裏のキンモクセイの根元に千両が赤い実を少しつけていた。こんなところに千両があったとは、二十数年暮らしていて知らなかった。それとも忘れていたのだろうか。 どちらも目立たないところにあるので野鳥に食べられることもなく、千両はお正月の玄関を飾るのに毎年、一役買ってくれている。 ムラサキシキブは実が枯れていい感じの色合いになっている。八手の花は
旅先で、その町の銭湯に行くのが一つの楽しみになっている。以前は安いホテルに泊まることが多く、部屋のシャワーか大浴場があればそれに入っていた。 最近はゲストハウスに泊まることが多くなり、ゲストハウスにもシャワーはあるのだが、順番や使用時間を気にしなければいけないので、スタッフの方に近所の銭湯を教えてもらうか、自分で調べておいて行くようにしている。 一昨年、伊勢市に行ったときにゲストハウスの方に薦められて行った「旭湯」をきっかけに、旅先での銭湯通いが始まったのだと思う。
ゴールデンウィークの終わりに長野は須坂、小布施に一泊の旅行に出かけた。 急に思い立ち出発の三日前にバスと宿を予約。 朝早くの高速バスで須坂に向かった。目的は「須坂版画美術館」と「平塚運一版画美術館」そして小布施の町。 バスは軽井沢経由で長野市から須坂の手前が終点。道中の軽井沢辺りではまだ辛夷の花が咲いていた。四月に辛夷がテーマの企画展に参加したばかりだった。制作時は辛夷の花がなかなか見つからず苦労したが、終わってからこんなに見ることができるとは皮肉なものだ。 東