アニサキスアレルギーで海の物全て食べれません
去年の夏、人生初のアナフィラキシー。
夜中に尋常じゃない腹痛で起き、体全体様子がおかしい。
ただただソファで痛みで呻いていたけど、手の平が真っ赤で痒い気もする。
手なのに見れない。分からない。
ただ痛がり、痛がった顔が戻らないのを感じ、これは経験が無いやつだと鏡を見ると、顔全体腫れ上がっている。
夜中だけど、これは自力で解決出来ないなとこの後血圧下がるかもしれないからと家族に声を掛け、24時間受付の救急病院へ。車中、吐き続ける。吐きそうと言う事も出来ずにただただ30分くらい吐き続け、病院到着。車から降りたら、受付に行くまで何度か膝をつく。原因は何かは思い当ってはいる。
夕飯は釣りたてのイカとサバ。
その後にこれだと、まぁあれだよねと。
でもこの時は食中毒のアニサキス症だと思ってて。激痛でよくニュースにもなるアニサキスにあたったと言われるやつ。
内視鏡かよく効く薬飲めば明日には楽になってるよねと分かってる分かってると思ってた。
痛くて話せないのに頭の中でウケると思ってた。
1年の間にこれで3回目かぁと。
今なら分かるそれはつまりまずいのだよと。
深夜に病院に行ってしまったので、朝方に1時間寝て普通に出勤。
しんどいけど、昨日仕込んでおいたイカと大根の煮物があるから、夕飯作りは楽出来るなぁと。で、夕飯まだ胃腸弱ってるだろうし、とんでもなく美味しいけど、それぞれ3切れくらいだけ食べて。
…。
およそ8時間後に昨日と同じ激痛。
バカ食いしていたお刺身の時と違って少量だったからか、激痛でトイレに3時間くらい籠るだけで全身腫れ上がったりはしなかった。
もうこれはあっちか。
火通してもなるならあっちか…。
そういうのがあるというのはアニサキス症情報を調べている時に見たことある。
とんでもなく厄介な事が書いてあったような…。
という訳で、
血液検査する事なく間違いないでしょ、アニサキスアレルギーでしょと。
イカと大根の煮物で私としてはの確定診断。
ネットで情報見れば見るほど、気持ちは参ってしまい、病院には行かず気を付けて過ごす日々。子供が小さい時にがっつりアレルギーで病院通いしてたので、アレルギーはしっかりとした対策が必要な事も分かってる。まぁまぁ近所にアレルギークリニックがある事も分かってる。でも、勘違いであって欲しいな、思い込みであって欲しいなと。食べ物だけはしっかり除去しながら、1ヶ月経ってようやく血液だけは調べようと病院へ。
アニサキスアレルギーレベル3。
後から思えば、すぐに行ってどんな数値だったかを記録として知っとくんだったな。
エピペンを処方してもらい常にカバンに入れておいて家族には注射の打ち方を教え、海産物を避ける日々が改めてスタート。
アニサキスアレルギーは数種類の物を避ければOKなアレルギーではなく、海産物・海関係全てダメなアレルギー。出汁もエキスもダメ。明確に名乗ってない海由来の物もダメ。海の可能性あったらダメ。お寿司食べれないなーくらいかと思ってたのに、もう本当にありとあらゆる物。
我が家は私以外釣りが大好きでマグロまで釣ってくるレベル。ちょうど1年くらい前には大マグロパーティーをしたり。毎回釣って持ち帰ってきたお魚は山盛りのお刺身に。私はお刺身好き過ぎてずーっと食べ続けていたり。これが良くなかったと今なら分かる。この15年くらいの食べてきたお刺身の量ハンパなかった自信あり。
釣った物以外にも、直前に少し遠出をして、増毛に甘エビ丼を食べに行ったり、四万十川でウナギを食べたり、そこで関西風ウナギを好きになり、名古屋でも刈谷でもウナギ。高知の藁焼きのカツオを食べたり。月島のもんじゃ焼きも初めて食べたり。充実の1年だった…。
体調落ち着いてからも頭の中食べ物の事だらけ。スーパー行って原材料の表示を見ると食べられない物ばかりで呆然と立ちすくんだりを繰り返して。落ち着いて考えれば普段料理してるのだから、いつも通り色んな味付け出来るのに、なぜか全てが怖くなり肉と野菜に岩塩のみを何日も。
病院の先生は出汁まで気にしなくて大丈夫ですよと言ってくれたけど、魚介出汁のラーメンを食べたらまた8時間後激痛。その後も先生がここまで気にしなくていいですよと言って食べた物全て激痛。もうその病院は行く気がしない…。
身近に頼れる専門医が見つけられなかったので、とにかくネットで情報収集。
しっかり治療している病院は東京じゃないとないのか…。大阪にいる人も困っていたり、190万人いる都市とはいえ札幌じゃ無理なのか…と。
でも、ネットで仲間達が情報を上げてくれているおかげでだいぶ分かってきまして。
目に見える海産物だけでなく添加物の調味料(アミノ酸)やたん白加水分解物も海由来の可能性高かったり、今迄気にしていなかったそのうま味に関わる添加物は調味料やお惣菜にはほぼ全て登場していたり。
油断していたのは、焼きそばの麺や大福などには保存料(しら子)が使われていたり、しばらく気付かずにいた豆腐のにがり、こんにゃくにも海藻。魚由来か豚や牛由来の記載が本当に少ないのはグミのゼラチン。ハイチュウのゼラチンは豚由来で安心とは知ってるけど。可愛くないから書いてないのかなとすら思うレベル。大麦100%と書いてた麦茶に海藻エキスというのは気付かずに結構飲んでしまったり。麦茶の原材料は見てなかった。油断するよ、麦茶だもの。本当にどこにでも現れる海由来の物。
お寿司やアクアパッツァが食べられない事は整理がついても、仕事帰りに小腹が空いててコンビニレジ横のアメリカンドッグが食べたいなとか疲れてるから手抜きで麵つゆ使った料理で済ませたいなとか体が重い気がするからお蕎麦でみたいな時がすごくもどかしく。
もう考えるのもイヤになり、絶対に安全な物だけを食べるようになり、総量として痩せてはいないのに顔がげっそり。栄養足りてないみたいな顔に。本当に痛みが強すぎて怖くなり、食べる量が減っていたんだな。繰り返すと次のアナフィラキシーはもっと重くなると言われたし。命に関わりますよ!はやはり強い言葉で。
毎回皮膚がかゆくなるとかブツブツが出るみたいな症状はなく一択。
激痛。
アニサキス症くらいというか陣痛くらいの痛みな気がする。トイレの壁に爪立て堪えるしかないやつ。意識は遠くなってないからまだ注射ではないよねと思いながら。外から声掛けられても返事も出来ないくらいで。
激痛と2時間くらい何度もの下痢でトイレに籠る症状。その後は自律神経が狂うのか寒くて仕方なくなり夏でも長袖何枚も着て毛布被って何とか寝るの繰り返し。
釣り人の旦那は出来る事を考えてくれたみたいで、湖の釣りに行く回数を増やしてくれたのかな。たぶん。
うちの行きつけの支笏湖と洞爺湖の流入河川を確認し、私調査によると、産卵場所は岸近くの湖底と確認。水産試験場が出してる研究資料もネットで確認。便利でありがたい。
解禁期間のみだけど、6/1~8/31の間久々のお魚は美味しかった。
あと驚きだったのが、おにぎり。
おにぎりって、結構どっぷり海の物なのね。
具材は鮭やいくら・たらこ・ツナ。周りは海苔で包みますし。
枝豆とチーズにしてもやっぱり塩昆布入れた方が美味しいよねとか、変わり種もシラス入れたくなる組み合わせだったり。海苔に代わる物もなかなかなかったり。薄焼き卵だと甘いし。シソもまるでいつものおにぎりとは変わってしまうし。そもそも刻んでないシソ少し苦手。
梅は調味料(アミノ酸)が入ってたりね。コンビニの塩むすびにも調味料(アミノ酸)入ってたりもしますし。驚きですね。考えてみるまでは知らなかったおにぎりは海の物。
あと最初にかかった病院の医師から海藻はぜーんぜん気にしなくていいと言われてましたが、2回程うっかり海苔を口にした際にはまたもや激痛&2時間トイレ。
チキンの照り焼きのおにぎりだから大丈夫!と一瞬浮かれたんでしょうね。うっかり外側が海苔なのを忘れてたのとスープが100%豚骨だからと食べにいったラーメン屋さんで隠れもしてない上に3枚もトッピングされてる海苔を外して下さいというのを忘れ、席に持ってきてもらった瞬間に海苔を娘のラーメンに移したんだけど、少し溶け出てたみたいでやはり激痛&2時間トイレ。ね?病院の医師のアドバイス怖いよね。
私がアレルギーになる1ヶ月前には旦那がⅠ型糖尿病(自己免疫の方ね)と判明し、お肉を減らしてお魚増やしていこうか…なんて食事をスタートしていたから、増やそうとしていた魚を減らす辺りで余計に頭が混乱したんだな。食べられる物あるのに分からなくなっちゃっていた時期も。
海水浴ダメは受け入れられてて。海に顔付けたのは人生で30代になってから沖縄での2回のみ。家族みんなでのシュノーケリングでやむを得ず。エイと泳げて充分楽しめたから、あれで終わりで大丈夫。苦手な私は陸にいるので、私以外の家族は次ダイビングにチャレンジすればいいし。
家を離れ静岡に行った際も海鮮丼とかを横目にパンとコーヒーで過ごし、お正月もいらないと言っていたのに実家が手配してくれていたお節料理を食べたいと思わないようにし餅ばかり食べ。会社の飲み会は焼肉か焼き鳥塩味オンリー(岩塩持参)でとか変な修行みたい。幹事の方がアレルギーで岩塩持ち込みますと伝えてくれていたりに優しさを感じたり。徐々に、自棄になったり、悲しくなったりイラついたりもなくなり、まぁそういうもんだよねな感じで過ごすようになり。
ここまでで10か月。
この10か月の間自制する事に疲れたり、涙したり、周りの言動にガクッときたりはありましたが乗り越えたようで。ざっくりと平穏な状態に。大体答えが出てきたんですよ、快適に過ごす方法。
アナフィラキシーを起こす3か月くらい前に父が脳出血で倒れ、その流れで心配になった母の検査では母に脳梗塞を起こしていた痕も見つかり、父の入院が1年になろうかというあたりでは腹部に動脈瘤も見つかり。その話を父の兄にしたら、その92歳伯父も太ももに動脈瘤があると。動脈瘤って、私が1番怖いと思ってるやつ。
全て血管関係ですよね。
その前の年まで身内にその辺りの病気になった人がいなかったので、完全に油断してましたが、急に血縁関係どうやら血管に気を付けた方が良さそうな感じがプンプンと。
そう思うと、私の食生活の変化もちょうど良かったとも思えるわけで。
岩塩をかけてばかりじゃなく、色んな新しい味の登場もあり、なかなか豊かな食卓に。
数年前のブーム時に手を付けなくて良かった塩麴。豚肩ロースやバラ肉を漬け込んでオーブンで焼いて、それ単体でもベーコンのような感じでも楽しめたり。もう鍋料理は無理かなと諦めていたのも塩麴ベースで結構美味しくなったり。醤油麹も試したり、まだ試してない麹もあったり。
これって体にいいんでしょ。
発酵生活とか言うんでしょとか。
オーブンで長時間焼くブームはまだ続いているんですけど、他には蒸すブームもありまして。蒸籠で食卓に出したらオシャレっぽいんじゃない?みたいな事を娘に言ったらうちに蒸し器あるでしょと一蹴されましたけど、それはまた今度チャレンジするとしまして。蒸すのも美味しい。素材にちょっと塩くらいが美味しいねと分かった感も出しちゃったり。
岩塩とスイートチリソースあれば何でも美味しい。岩塩も持ち歩くタイプを使ってますが、商品によってミルの粗さが違ってて、それを語れる私は通ぶれそう。
お店にアニサキスアレルギーコーナーやカフェはないから、何が近いかな?と考えたところ、カツオ出汁を避けたければヴィーガン向けのメニューで食べれる物があるかもしれないとか、調味料(アミノ酸)とたん白加水分解物を避けるなら今迄接してこなかった無添加表示の物とか。もう若くないから肉より魚が美味しいよね~なんて流れとは違いますが、ヘルシーメニューな物の中には食べれそうな物があったりしそうで。
でもヴィーガンだと昆布出汁や貝は使うのかな?とか魚避けてる分肉は食べたいなとかまだまだ難しい。
市販のタレを使う事もほぼなくなり、どんどんシンプルに。マジックソルトやクレイジーソルトで生野菜を食べ、肉の部位を前より楽しむようになり。たまの刺激強い物はスパイスカレー。素通りしてた無添加コーナーを覗いたり、普通のスーパーで買える無添加のブイヨンを見つけたり、ゆるい発酵生活だけじゃなく、ゆるい無添加生活の部分もあり。
外食は極端に減り、次第に味濃いとか揚げ物とか刺激強めを避けた方が体が楽だなと気付き。
アニサキスアレルギーになった衝撃から6キロ痩せたりもしたけど、そういえば食後強烈な眠気もなくなったし、整っているのかも?
これって、アレルギー検査でアニサキスアレルギーの数値は出てるけど症状はなく、でも気になる&どうしたらいい?くらいの人でもこういう食事にしといたら、少し不安感減るんじゃないかなと思ったり。
意識高くてこうなった食事ではないけれど、これなら夜寝るのが怖くなく、味気なさ過ぎで切なくもならない。そして前より調子良いような気すらする。
蒸した時のスナップえんどうの甘さ、蒸しても焼いてもジャガイモ自体の美味しさが凄すぎるインカの目覚め。キタアカリも美味しくて数年ぶりに畑を耕し家庭菜園も復活させちゃったり。調子に乗って、11種類の野菜と果物。体動かしたし、更に調子良くなる気しかしない。オーブン料理もいつもより15分延ばしたらサツマイモの味の向こう側に行けた感じに。
レシピを書こうとしたらキリはないけど、アニサキスアレルギーなりたてはとにかく情報が欲しくて検索しまくって。地元の病院情報や安心情報を知りたいのに全然見つからず、このご時世にネットの情報が少ないってある?と驚き。本を忘れてたと探しても無く。何十年の前の本しかどうやらないようで。
病院に至っては、鼻炎とかでなく消化器系に反応出る大人のアレルギーはどこに行ったらいいか今もなお見つからず。専門医は大人は花粉症っぽい感じばかりで食物アレルギーは小児科ばかりで。注射器のエピペンの交換時期にはどこかに行かないといけないのに。リウマチのかかりつけ医は私がアニサキスアレルギーだと伝えたら、何それー!教えて教えて!って言ってたくらいでエピペンを処方出来る手続きはしてないんだ、ごめんねって。食事や心づもりについては落ち着いてきたけど、そういえば病院が決まってなかったり、痛い時に何とかする薬もなかったり、まだまだ環境は落ち着いてないのかも。
それでも、絶望的な気分になったアニサキスアレルギーのアナフィラキシーから、海産物徹底的に除去し、魚触ったり、海に潜ったりもせず、ゆるく無添加や発酵生活を取り入れつつ、気付いたら少し健康になってるじゃんみたいな現状でこれってラッキーな展開。絶望からでも美味しい物あれば立ち上がれるって事かな。10ヶ月で図太いね。まだまだこれから。でももう大丈夫。
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