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八王子のヒト カピタン織

浅草の着物フリマで買った紫色のキモノ。軽くてすべすべしていて着心地がいい。
お店の人は「銘仙」と言ったけれど、私の知ってる銘仙とかなり違う。地紋みたいなのあるし。手触りは大島みたいだし。何しろ昭和のキモノはカオス。なんだろうこれ。…と、思いつつ、放置していたのが突然判明しました。
このヒトの名は「八王子銘仙」!

八王子銘仙

調べる術もなかったんですが、手元の銘仙のことを書こうとして調べ物をしていたら「甲比丹(カピタン)織」という言葉が引っかかり、検索したら、この着物とよく似た生地がぞろぞろ…これは!

カピタン織
カピタンはキャプテンで船長のこと。徳川時代に長崎に来た外国船が持参した、経糸に絹、緯糸に綿を用いた交織。経糸(縦糸)に染糸、緯糸(横糸)に白糸を織り込む。朧(おぼろ)織。ドビー織。

銘仙だったのね!
…店員さんにもうちょっとよく聞けばよかった…
八王子ではもう銘仙は織っていないけれど、カピタン織ードビー織は生き残っていて、ネクタイなど織っているそうです。そういえばこんな地紋のネクタイあるなあ。手元にはこれしかないから、ハギレでも見かけることがあったら買ってみたいと思います。

DSC01933のコピー

銘仙はほとんどが平織り。ドビー織りで地紋を出した「カピタン銘仙」八王子銘仙は、銘仙特有の雑さ荒さの味が全くありません。上品です。試しに金ピカなのに礼装帯じゃなくて扱いに困るタイプの名古屋帯を乗っけてみましたが、これで初詣やギャラリーなんかに行くならありかと思います。

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月兎耳庵 つきとじあん
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