農地付き古民家で「ポツンと一軒家暮らし」を目指して―就農準備部(農業研修)へ
コトモファーム会員
上級者コース10期生・12期生 山口さん 藤沢市在住
私は2022年春季コースと2023年春季コースの2回、上級者コースを受講して、現在、就農準備部(農業研修)に参加中。2年連続で上級者コースを受講したのは私ぐらいではないでしょうか?なぜ2回の受講に至ったのか、2回の受講を通して得られたものについてご紹介したいと思います。上級者コースの受講を検討されている方の参考になれば幸いです。
1 受講動機
上級者コースの受講動機の前に、まずは、そもそもなぜコトモファームの体験農園を始めたのかからお話したいと思います。
私がコトモファームの体験農園を始めたのは、2021年10月のことです。会社員生活も20年以上になり、資本主義経済の歯車であることに疲れを感じていて、数年前から漠然と「ポツンと一軒家暮らし」に憧れを持っていました。
そんな中、丁度、オーガニックや有機野菜に造詣が深い友人がコトモファームを見つけ、体験農園で有機野菜を自分で作ってみようと思っているのだけど一緒に見学に行かないかと誘ってくれたのがきっかけでした。
見学に伺い環境の素晴らしさに感銘を受けたものの、市内とはいえ自宅からは少し距離があり躊躇したのですが、実家が近く土地勘があったのと、もっと遠方からいらしている会員の方もいらっしゃると聞き、お試し感覚で体験農園を始めました。
秋からのスタートだったので、雑草管理に煩わされることもなく、単に野菜の成長を見守り楽しむことに集中でき(そんな甘いものではないことに気づかず・・・)、これだったらポツンと一軒家での自給自足生活も夢ではないかもと思った矢先に、コトモ通信で上級者コースなるものの存在を知ったのでした。確か、2022年の1月か2月のことだったと思います。
せっかくなら、もっと専門的に学んで夢のポツンと一軒家生活を現実のものにしようと、勢いのままに上級者コースの説明を受け、受講を即決したのでした。
2上級者コースを通して得たもの
1回目の上級者コース受講当初は、受講後すぐにでも脱サラして就農する気満々でした。有機農業の理論や相原農園の相原さんの情熱のこもったお話、野菜栽培や農業機械を使った実習はとても楽しかったです。
ところが、同期メンバーの栽培知識・技術や農への情熱を目の当たりにしたり、夏の雑草管理の大変さ、新規就農の参入障壁や得られる収入の少なさや事業計画が必須であることを知り、結局は資本主義経済からは逃れられないという現実の厳しさにも直面しました。
自分の考えの甘さに打ちのめされ、考えを改めざるを得ませんでした。ただ、自分にはいきなり脱サラは難しいと納得することができたことと、今でも頻繁に連絡を取り合い定期的に飲みにいき刺激し合える同期メンバーに出会えたことは収穫でした。
また、野菜栽培、土づくりの楽しさを知り、体験農園をもう1区画追加契約したのは1回目の上級者コース終了直後のことでした。(Hさんに上手く誘導された感は否めませんが 笑)
意気揚々と2区画の管理を始めたころ、小島さんから認定農家になったので、2023年から就農希望者の研修を受け入れることができるようになったというお話を聞きました。一方、2023年スタートな為2023年の上級者コースを再度受講する必要があるとのことで、これが2回目の上級者コース受講を検討するきっかけでした。
非常に悩みましたが、1回目の上級者コースで農地賃貸・売買は農家しかできず、ポツンと一軒家生活の実践に必須の農地付き古民家に住むには、農家資格が必須であることから、やらずに後悔するよりやって後悔しようと2回目の上級者コース受講を決めたのでした。
2回目の上級者コースの同期メンバーは、就農希望者が多かったことから、畑の測量や間取り・策付け計画を自分たちで行い、収穫・調整・出荷も頻度高く行ったり、新規就農の厳しさや就農に向けた心構えを何度も何度も説かれたりと、1回目の上級者コースとは異なる内容も多かったです。
もちろん同じ内容もありましたが、新しい学びと大事な内容の復習のバランスが取れており、また新たな同期メンバーとの出会いだけでなく、2回も受講したという物珍しさからか、上級者コースの先輩方にもお声掛け頂くこともあり、とても有意義な経験になりました。
3 現在の状況と今後の目標
現在、就農準備部(就農に向けた研修)も4か月目に入り、研修期間の2/3を終了したところです。仕事をしながらの研修の為、農地探しや、農業委員会による審査会準備はまだまだ手が付けられていませんが、上級者コースで学んだ理論や実習、目標や事業計画の立て方が確実に自分の基礎となっています。また、2区画の体験農園では、上級者コースで学んだ知識を基にあれこれ試したりもしています。
憧れのポツンと一軒家に向けて、まだ半歩踏み出したところではありますが、結果的に自分の農ある暮らしのありたい姿が明確になり、夢実現に向けた道筋を描くきっかけとなったので、2回の上級者コースの受講は私の人生のターニングポイントの1つとなりました。
わたしの体験は少し特殊かもしれませんが、上級者コースは色々な志を持った同期から刺激をもらえ畑友達ネットワークが広がるとても貴重な機会です。大人になるとこのような機会はなかなかないと思います。少しでも興味を持たれたら、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?
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