【漫画原作・シナリオ】ときめき♡えゔりでぃ ~ゴリラ娘むーちゃん、Drummingが止まらない~ 第3話
登場人物
葛谷先輩(17) 久瀬剛高校二年生
むーちゃん(16) 久瀬剛高校一年生
パンジーちゃん(16) 久瀬剛高校一年生。むーちゃんの友人
天の声・N(ナレーション)
取巻き女A
取巻き女B
飼育員
第三話「放課後」
○久瀬剛高校・敷地側裏門前(昼)
葛谷「よし、行くぞ」
葛谷、校舎の影に隠れている取巻女AとBに手で合図を出す。
取巻女AとB、校舎の影からすっと出てくる。
取巻女A「葛谷、流石だね」
取巻女B「この裏門は新入生にはまだ知られてないわ」
取巻女AとB、顔手足に包帯が巻かれている。
三人は、門扉を飛び越える。
○同・敷地外裏門前(昼)
三人は、門扉を飛び越えると、むーが笑顔で手を振って立っている。
むー「せんぱ~い」
葛谷「うわぁ、な、なんで、ここに!?」
むー「え~?私、約束場所に約束時間通りに来ただけだよ?」
天の声・N「嗅覚もゴリラ並である」
取巻女A「ちょ、いつの間にそんな約束を?」
取巻女B「私達がいるのに?」
葛谷「ちょ、誤解だ、誤解」
葛谷「おい、お前、俺を貶めるようなこ…」
むー、壁を拳で殴り、壁にヒビが入る。
むー「やっだ~、お昼休みに約束したじゃない、もう」
取巻女A「ゴリラ女、葛谷にこれ以上付きまとうなら」
取巻女B「動物園に送り込…」
むー、取巻女AとBの肩にポンと手を置くと、二人は地面に埋まる。
天の声・N「この女の子達の扱いもいつも通りで、なんか安心する」
葛谷「お、おい、またかよ~!?」
むー「さぁ、先輩、どこいきましょうか?」
むー、じりじりと葛谷に笑顔で近づく。
葛谷「もう、お前なんかと付き合ってたまるか」
葛谷、全力で走り出す。
むー「え~?私と付き合ってくれるの?いきなりの告白、なんてごうい~
ん」
むー、葛谷に一瞬で追い付き、すぐ後ろをべったり走る。
葛谷「ちげぇ-よ、捻じ曲げんな」
むー「赤くなって、照れちゃって」
葛谷「怒ってんだよぉ」
葛谷心の声「クソっ、ゴリラの群れに帰れよな…ん?あそこなら…」
葛谷「おい、デート行きたいよな?」
むー「いっきた~い」
葛谷「近くに動物に触れ合えるとこあんから、行こうぜ」
むー「楽しみ~」
○甲斐利木動物園・ゴリラエリア前(昼)
吹き抜けとなっているエリアに、ゴリラ達が暇そうに寝そべったり、
リンゴ食べたりしている。
葛谷、エリアに向かって、全速力で走る。
そして、その後ろを追いかけるむー。エリアの前で、ゴリラに餌をあ
げる飼育員。
葛谷「そこのあんた、あのゴリラ、檻から出てきてるから、捕まえやがれ」
飼育員「はっ?何を言って……えっ?」
葛谷の後ろのむーの背中にゴリラの幻影が浮かぶ。
飼育員「ひ、ひ~」
飼育員、怯えてその場に立ち尽くす。
葛谷「くそ、使えねえな、そこどきやがれ」
葛谷、力強く手で飼育員を払い除け、エリアの柵の前で立ち止まり、走ってくるむーの方へ体を向ける?
むー「せんぱ~い、触れ合い場所てどこなの~?」
葛谷「ここだよ」
葛谷、走ってくるむーに巴投げ。
むー、エリアの中に落ちる。
葛谷、息を切らしながら、エリアの下を見る。
葛谷「はぁ……はぁ……楽しく、触れ合っていな」
葛谷、エリアを去っていく。
〇同・ゴリラエリアの中(昼)
ゴリラ達、落ちてきたむーに気づき、むーを囲むように集まり、威嚇
する。
天の声・N「大ピンチ……」
むー「あ?」
むーの後ろにゴリラの幻影が浮かぶ。
天の声・N「では、なさそうです、はい」
ほとんどのゴリラ達を睨みで怯えさせたが、一匹の一際大きいボスゴ
リラがむーの前にでてくる。
ボスゴリラ、むーに迫り、吠えて威嚇する。
しかし、むーはボスゴリラの頭を力強く掴み、ボスゴリラは悶え苦し
む。
むー「大丈夫よ、怖くない、怖くないわ」
苦しむボスゴリラに対して、微笑むむー。
天の声・N「この女、もう何でもありである」
エリアの外を目を向ける。
むー「せんぱ~い、ときめきな触れ合いありがと~」
むー、口角が緩む。
〇五里夢中公園内(夕)
葛谷、息を切らし、膝に手を置いて、息を整えてる。
葛谷「あの女、もう出て来れないだろう……今頃、ゴリラと仲良く……」
むー「せんぱ~い」
葛谷、驚き、後ろを振り返る。
むー、ゴリラ達を後ろに引き連れて、
笑顔で手を振って走ってくる。
むー「はぐれちゃったから、探しましたよ」
葛谷「お、お、お、お前、な、なぜ、ここに!?」
葛谷、尻餅を付き、震えて怯える。
むー、葛谷の前で立ち止まり、葛谷を笑顔で見下ろす。
ゴリラ達、葛谷の周りを取り囲み、葛谷を睨む。
葛谷、ゴリラ達の顔を顔面蒼白で見回す。
むー「いや~、動物触れ合い、楽しかったです~連れて行ってくれてありが
とで~す」
むー、胸の前で両手を握り、うきうきで踊る。
むー「今ではこんなに仲良しですよ。私の母性がそうしたのかもね」
むー、ボスゴリラと肩を組む。
天の声・N「いや、威圧してだけどね」
むー心の声「あ?」
天の声・N「その圧が、天まで届いてくるよ…」
葛谷「人の皮を被ったゴリラめ…」
むー「え~、橋本○奈のように可愛い声で可愛い顔ですって、もう~」
天の声・N「一ミリもそんなこと言ってない」
むー、胸の前でパンと両手を叩く。
むー「この一日過ごしてもう私の心はどきどきなの。それでね、明日、大事
な大事な話があるんだ、中庭の木の下で…」
むー、顔を赤らめ、もじもじする。
葛谷「知るかよ、もう俺に近づくな。これ以上突っ込んでくるなら…」
むー、葛谷の肩を両手で掴む。掴んだ
手は肩にめり込む。
葛谷「い、いたぁぁぁぁ」
ゴリラ達、葛谷に更に迫って、威圧する。
むー「そんな、ツンツンしているとこも、好き」
天の声・N「葛谷、この女と出会ったのが最後だ…天に来たら、虎屋の羊羹
でも出すよ…」
むー「じゃ、明日、待ってるね?」
葛谷「は…い…」
むー、葛谷に手を降って、笑顔で去っていく。
葛谷、ゴリラ達の囲まれ、怯えて、座り込んだまま。
天の声・N「葛谷、ときめきな学校生活に終止符を打たれるのか!?」
<了>
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