祖母の「昔からそう言うねん」シリーズ① お盆の時期の水辺
祖母から「昔からそう言うねん」と、さまざまなことを教えてもらった。
でも、子供の自分には「また言ってる」「めんどくさいな〜」「関係ないし」と思っていたこと。
すっかりいい大人になってから気がついた。
「昔から言う事というものには、実はもっと生きやすくなるヒントがつまってるんじゃないか」
伝承、謂れ、昔からの言い伝え・・・科学的ではないからと薄れてきていて、今ではすっかり過去の存在になっているように思える。
それは、科学的証明が追いついていない、もしくはされていないだけじゃないだろうか。
科学の歴史より、人間の歴史の方が長い(天文学や医学は人間の歴史と同じくらい長いらしいけれど)。
昔から言う事には、過去の人々の叡智が詰まっているようにも思える。
例えば、祖母が夏には必ず言っていた
「お盆の時期は水辺に近寄ったらあかんねんで」。
その後に必ず「昔からそう言うねん」がつくのだが。
詳しく聞くと、お盆の時期は先祖の霊たちが現世に帰ってきているから、水辺に近づくと呼ばれる、引き摺り込まれると言うのだ。
これを、もし科学的に説明するとなるとどうだろう。
科学に詳しくないけれど、ニュースなどを見ていると、おおよそ予想はつきそうだ。(気象の観点からも既存の説明があると思われる方も多いだろう)
8月といえば、台風。
海では台風による高波。
川では上流で局地的に雨が降ったあと下流側では濁流になることがあるなど。
しかもお盆で祖父母の家に集まるなど、日頃土地勘のない人々が集まると、水辺の事故は自ずと増えそうだと想像がつく。
そう考えると「お盆の時期は水辺に近寄ったらあかんねんで」
この「昔からそう言ねん」には、楽しい時期を楽しく過ごす、嫌な思いや怖い思いはしたくない、家族が無事で過ごせたら・・・
過去の人々が家族を始め身近な人を守りたい、そういった思いがつまっているように思えてくる。
そうアクティブでもない私は子供の頃から祖母の言葉を守って、お盆の時期は水辺に近寄らないようにしているけれど。
最近はゲリラ豪雨や局地的大雨、線状降水帯等々、さらに酷暑と危険を感じることが多いので、もっとも昼間に外に出ることも減っているのだが。
「昔から言う事」に耳を傾けると、実はもっと人が生きやすくなるヒントがつまってる。
そんな気がするから、今更ながら教わった言葉をいろいろ思い出しつつ「祖母の「昔からそう言うねん」シリーズ」として、ぼちぼちと勝手な思いを書いてみようかなと思う。