148. 眼鏡矯正のみで治療された不同視弱視:成功およびpatch開始時期を予測する可能性のある因子について

Anisometropic amblyopia treated with spectacle correction alone: possible factors predicting success and time to start patching

Chen PL, Chen JT, Tai MC, Fu JJ, Chang CC, Lu DW. Am J Ophthalmol. 2007 Jan;143(1):54-60. doi: 10.1016/j.ajo.2006.09.027. Epub 2006 Oct 23. PMID: 17113556.


目的:眼鏡のみで治療された3~7歳の不同視弱視の小児において、弱視の治癒を予測する因子と視力向上の時間経過を評価すること。

デザイン:前向き、非比較介入研究。

方法:新規に診断された小児を対象に、視力(VA)が安定するか弱視が治癒するまで、4週間間隔でVA(logMAR)を測定した。VAの向上の時間経過と弱視の治癒に関連する因子を評価した。
※治癒の定義は、眼間視力差が0.1logMAR

結果: 平均年齢5.3歳、平均不同視2.95Dの小児60人が対象となった。弱視は56人(93%)で2logMAR line以上向上し、27人(45%)で治癒、VAの平均改善量は0.38logMARであった。弱視眼のVAの向上は、4~12週間でかなり進んだが、その後プラトーに達し、その後はゆっくりとしか改善しなかった。弱視の治癒は、初期のVA(0.2~0.6 logMAR)と不同視の程度(4D未満)に関連していた。弱視治癒までの期間は4週間から40週間であったが、4回連続の診察で0.1 logMAR以上のVAの向上を示した弱視患者はいなかった。

結論:眼鏡矯正のみで、未治療の不同視弱視の3~7歳児は約4lineの向上を達成し、半数近くが治癒した。VA向上中の2か月近いプラトー期間には注意が必要である。4か月経ってもVAが向上しない場合は、遮閉療法やアトロピンペナリゼーションを考慮する必要がある。

※コメント
初期の視力(眼鏡処方後初の視力)が0.2-0.6logMAR(小数;0.25-0.63)であること、不同視が4D未満が、眼鏡装用のみでの弱視治癒と関連していたとのこと。
弱視の定義は眼間視力差が0.2logMAR以上、治癒の定義は眼間視力差が0.1logMARです。治癒の定義は眼間視力差が0.1logMARということは1.0と0.8でも治癒したことになります。ここが常々、日本との大きな違いであると思っています。
また、立体視等のsensory面の評価がないのも物足りない内容だと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?