My role　５３話

ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ....

美空:ねぇ～、和ちゃ～んお願い！

和:えぇ～、私だって○○さんの隣がいいもんっ！

美空:じゃあ、瑛紗ちゃん！！

瑛紗:私も隣でお話聞きながら観たいもん

美空:ふぇ～ん...

ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ...

姫奈:○○さ～ん！

○○:...

姫奈:あれ？姫奈の声聞こえてないのかな？
○○さぁ～ん！！

桜:姫奈ちゃん、声おっきい...

姫奈:だって○○さん、気がついてくれないんだよ？

桜:肩叩いてあげれば気がつくんじゃない？

姫奈:あっ！そっか！

ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

○○:痛いって...笑
ん？どうした？

姫奈:何回も呼んだのに気がつかなったんですもん！

○○:ごめんごめん、作業に集中してて...
で、どうしたの？

姫奈:いやぁ～、何してるのかなぁ～って

○○:あぁこれ？

姫奈:うん

○○:これはね～...
秘密～

姫奈:なんでですかっ！
姫奈で遊ばないでくださいっ！

○○:ふふっ、ごめんごめん

美空:○○さんっ！
なんで隣空いてないんですかっ！！

○○:だって、美空着替えるの遅かったもん

美空:だってぇ～...
○○さんには可愛いって思って欲しかったからぁ～...

○○:えっ、十分可愛いじゃん

５期:っ！！？

美空:ほんとにぃ？///

○○:うん、そのセーター似合ってるじゃん

美空:///

姫奈:ねぇ！○○さん！姫奈は！？

○○:姫奈もメイクちょっと変えたでしょ？

姫奈:うっそ～！そこも見てくれてるんだ///

○○:うん、そのチーク姫奈に合ってるじゃん

姫奈:///

奈央:○○さん、奈央はっ！？

茉央:茉央もっ！

○○:もう...みんな始まるよ？

奈央:えぇ～！！

茉央:聞きたかったなぁ～

○○:見た後にほめてあげるから

茉央:ほんまにっ！？

奈央:言いましたからねっ！

○○:お、おう...笑

蓮加と蓮加のお姉ちゃんたちによく怒られてたからなぁ...
女の子の変化はちゃんと見ててあげないといけないよって

『本日は、乃木坂４６真夏の全国ツアー...』

和:あっ、生田さんの声だ...

○○:よくわかったね笑

和:えへへ

○○:（生田さん、また影ナレで遊んでる…笑）

円陣が終わり、私たちはスタンバイの場所で待つ

蓮加:...

美波:蓮加、大丈夫？

蓮加:...うん、大丈夫

美波:無理しないでよ？

蓮加:うん...

そして、Overtureが流れ始める

大丈夫、大丈夫...
脚は動くし、振りも飛んではいない

ずっとふわふわしてるけど、それはきっと緊張のせい…

頭の重さは、いつもより重いけど…
これはきっと気圧のせい…

スタッフ:スタンバイ行きましょう！

『はいっ！！』

今はライブに集中しないと…

♪～今だってもちろん好きだけど～

和:ごめフィンだっ！！

○○:ふふっ、さくらファンだもんね

和:はいっ！

瑛紗:すごい...
表現者ってこういうことを言うんだろうなぁ...

みんな、映った画面に一瞬で釘付けになる

もちろん、俺も

しばらくみんなに会えていないけど...
こうして観ると、ほんとにかっこいいなって思う

和:この時の花火とか火って熱くないんですか？

○○:熱いって言ってたよ
特に１列目にいるときに火が上がると、焼けるんじゃないかって

和:えぇ...

○○:ふふっ、冗談冗談笑
ちゃんと消防の人もいてくれてるし、基準もクリアしてるから大丈夫

和:...でも花火の音は？

○○:曲の最中は、イヤモニから音出てるから衝撃は感じても音はそんなに感じないって

和:そうなんですね...

公演はどんどん進んでいく

だけど...

○○:ん？

瑛紗:どうかしました？

○○:…蓮加、あいつ絶対体調悪いだろ...

瑛紗:えっ？

○○:ちょっと、ごめん

瑛紗:はい...

和:...○○さん、なんでわかったんだろう

瑛紗:わかんない...
でも、なんか...

『かっこよかったよねっ！』

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ　ｶﾞﾁｬ

○○:あっ、お疲れ様です

小林:あっ、お疲れ
どうかした？

○○:ちょっと、蓮加の状態確認してもらってもいいですか？

小林:ん？なんかあったの？

○○:たぶんあいつ体調不良です

小林:マジ？

○○:はい
確認お願いします

小林:わかった

○○:あ、あと...
これは自分からって言わないでもらってもいいですか？

小林:どうして？
蓮加なら喜びそうなのに...

○○:配信で見てても体調が悪いのが分かってしまうと...

小林:配信で伝わってしまっているから…
蓮加がファンの方に対して申し訳なく思っちゃう？

○○:はい

小林:確かにね、それもあるか
了解、こっちで対応しておく

○○:すみませんが、お願いします

○○:ごめんごめん

和:○○さんって、すごい人なんですね！

○○:えっ？急にどうしたの？笑

和:いや、蓮加さんが体調不良ってわかったじゃないですか
だからちゃんと見てる人なんだなって...

○○:...俺はただ目の前の事象に全力なだけだよ
みんなの努力がちゃんと伝わってほしいからね

ﾋﾟﾛﾘﾝ
小林Ｌ:やっぱり蓮加体調不良だった
この後の「きっかけ」終わったら、下げさせるね

○○:やっぱ、そうだったか...

○○Ｌ:承知です！
ありがとうございます！

瑛紗:でも、蓮加さんもすごいなぁ...
体調不良だなんて思わなかった

和:うん、○○さんに言われても気づかないもん

○○:それがプロって言いたくはないけど...
それだけみんな懸けるものがあるんだよ

和:...私たちも頑張らなきゃね

瑛紗:うんっ！

５期生たちからすれば、ほんと頼もしい先輩だろうな
目指すべき背中が高ければ高いほど、基準が上がるから

蓮加:...ごめん、詩ちゃん
はぁ...はぁ...

小林:無理してたでしょ？

蓮加:いや...そんなことはないけど...

小林:そう？
いつもの蓮加じゃないぐらい、息上がってるけど...

蓮加:...

小林:きつい時はきついって言わないと...
誰も助けてくれないよ？

蓮加:...ごめん、きつい...

小林:いつから？

蓮加:ここ最近ずっと

小林:休めてはいる？

蓮加:ﾌﾘﾌﾘ

小林:そっか...

小林Ｌ:○○くん、ライブ終わったらもう一回電話していい？

○○Ｌ:もちろん、大丈夫です！

小林:よしっ...
この事○○君に言った？

蓮加:ううん、あいつには言えない

小林:なんで？相談してみようよ

蓮加:...あいつだって頑張ってるんだもん
私も自分で何とかしなきゃ...

小林:...

このライブにはサプライズがあった…
それは…

和:えっ...日産スタジアム？

いろは:ほんとに？夢じゃないよね？

日本最大級の箱
日産スタジアムでのライブだ

まずそこでのライブが許されたこと
それは、過去の先輩たちの積み重ねと後輩の頑張り

乃木坂史上最大のライブ
挑戦であり、感謝を伝えられるライブ会場

ファンの皆にこのグループが好きなことを誇ってもらえるかな...
そういうライブを共に作り上げたいな...

制限はある
でもその中で、何ができるか

メンバーとスタッフとファン
全員で考えていかなきゃね

○○:うん、夢じゃないよ

いろは:○○さん、手握ってください！

○○:ん？こう？

ｷﾞｭｳｩ…

○○:痛い痛い笑
なにすんのさ笑

いろは:夢かどうかを確かめたかったので！

○○:普通は自分のほっぺ抓るとかでしょ笑

いろは:すみません...笑

○○:まぁいいや
このまま順当に行けば、みんなが先輩たちと作り上げるライブは『日産スタジアム』でのライブからになります

『......』

○○:もうお客さんとして、ではなく演者として楽しませる側になるから
プレッシャーをかけるわけじゃないけど...
この研修でちゃんと基礎を固めて、堂々とあそこにみんなで立とう！

『...はいっ』

○○:うん、いい返事
じゃあ、今日はこれで終わりだからこの後は自由時間ね

『ありがとうございました！』

○○:うん、おつかれ

咲月:○○さんっ！

○○:ん？どした？

咲月:このライブ映像って...

○○:ん？あぁ...
この後、みんなに入れてもらったアプリから全部見れるようになるから

姫奈:えっ！！すごっ！

○○:でしょ～？笑
これ作るの、めっちゃ大変だったんだから笑

咲月:えっ、このアプリ○○さんが作ってくれたんですかっ！？

○○:うん、そうだよ
どう？使いやすい？

咲月:めっちゃくちゃ助かってますっ！！

○○:そう？ならよかった

咲月:これ見ながら、少しダンスの練習したいですっ！

桜:あっ、私もやりたい

○○:じゃあ、１時間限定でレッスン室開けてあげるから
その１時間だけならいいよ？

咲月:ありがとうございますっ！

○○:ケガしないようにね？

咲月:はいっ！

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

小林:もしもし

○○:あっ、お疲れ様です

小林:あぁ、お疲れ

○○:今お電話しても大丈夫でした？

小林:うん、大丈夫

○○:あっ、良かったっす
で、話したいことって....

小林:ねぇ...

"蓮加の活動をさ、一旦全部ストップしようと思うんだけど..."

○○:えっ....

To Be continued...