自慢の弟は一番最後 31話
和:お風呂あがったよ~
○○:あっ、うんっ!
和:...
○○:どうした?
和:お風呂入っている時、何か声聞こえたけど...
○○:ん?あぁ...
咲月と電話してた
和:あっ、さっちゃんか...
ならいいよ
○○:なに~?嫉妬したの?
和:ち、違うから!!
○○:ふふっ、わかってるよ
じゃ、風呂入ってくるわ
和:...うん
そのまま携帯をベットに置いて風呂場に向かう○○
電話してたの、さっちゃんって言ってたけど...
なんだろう...
すごく、嫌な気持ち
○○は...
私の....
......私の...?
和:...私って、○○のなんなんだろう...
姉...だった人
血は繋がっていないし...
家族...
一緒に過ごしてきた人...
ただ、それだけ...
一回自分の中で消化したはずの感情が、反芻して戻ってくる
和:...はぁ...
弱い自分が嫌になる
和:...しっかり向き合ったはずなのにな...
一度壊れた心は、ほかの人より不安定になる
でも...
目の前にあるのは、○○のベット
和:…これは、精神安定剤だから
悪いなと思いつつ、入ってみると...
和:...○○の匂い...
○○が使っている掛布団に包まってみると...
なんか○○に包まれているみたいで、壊れた心が治まっていく
○○:...な~にしてんの?
和:わぁっ!
慌ててドアの方を見てみると...
風呂から上がった○○が...
○○:ふふっ
和:えぇっと...その...
○○:丸まっている姿、可愛かったのに笑
和:///
○○:ドライヤー、借りるよ?
和:う、うん///
そういって、もう一回洗面所に戻る○○
和:...恥ずかし...
火照った頬は、まだ熱を持っている...
○○:ふぅ...
鏡に映る自分の顔を見つめる
緊張のせいか、少し怖い
明後日から始まるファーストステージ
相手は2位のロッテ
会場もロッテの本拠地、ZOZOマリン
だから、明日には移動になる
ってことは...
○○:...次にこの家で寝るときは、もう決着がついているのか
レギュレーション的に...
ファーストステージはリーグ2位のチームの本拠地で行われ、
ファイナルステージは、優勝チームの本拠地で開催される
つまり、この年3位の自分たちは、
勝ち進んでも本拠地で試合をすることができない
まぁ正確に言えば、日本シリーズまで出れば、別だけど...
だから、福岡にあるこの家に帰ってくるのは...
負けてシーズン終了、
もしくは勝ち続け、1位のオリックスを捲った後
○○:...なるべく早く帰ってこないように頑張ろ...
和:...遅い
○○:ごめんって笑
1人になると考えちゃうと、考えすぎちゃうけど...
2人でいるときは、気持ちが楽になる
○○:ってか、自分の部屋に戻らないの?
和:......今日は...一緒に寝たい
○○:えっ?
和:...明日から、行っちゃうから...
寂しいから...
○○:...和
...可愛すぎる
今、告っちゃおうか...
正直、のどの寸前まで出かかった
でも、自分の理性がストップをかけた
明日からの真剣勝負があるのに、浮ついた気持ちで挑むつもりかと...
○○:ふっ...真面目か、俺は...ボソッ
和:...ねぇ、なんか言った?
○○:ううん、こっちの話
和:で、一緒に寝ていい?
○○:いいよ
和:やったぁ♪
2人でゴロンと、ベットに横になる
○○:狭くない?
和:大丈夫、こうするから
ギューー
○○:ちょ、暑いって笑
和:...
○○:和?
和:...○○はさ、去年の今頃プロ志望届出したじゃん?
○○:...そっか、そんな時期か
和:その時にこの状況は予想できた?
○○:いや、全く
和は?
和:...私も想像できなかったな
○○が育成から支配下に上がるのがこんなに早いと思わなかったし
○○:それは俺も思ってる
しかも試合もこんなに出してもらってな
和:うん、○○の応援歌毎日口ずさんでるし
○○:ほんとに?笑
それは嬉しいわ
和:だから嬉しかったし、楽しかったよこの1年
○○:そう?
和:うん、つらいこともあったし...
信じられないこともあったけど...
○○:あぁ...和と血が繋がっていないって言われたときはショックだったけどね
和:うん、私もショックだった
でも、あれを乗り越えられたから
○○:あれ以上はないだろうね笑
和:そうね...
○○:あと、和とこうしてまた暮らせるようになると思ってなかった
和:うんっ!
寮に入ってたから、なおさらね
○○:そう!
色々あった1年だったなぁ...
和:...明日からはその集大成、だもんね
○○:うん...
和:...緊張してる?
○○:...うん、してる
和:そっか...
○○:でも...
楽しみにもしてる
和:ふふっ...
かっこいいじゃん
○○:そう?
和にはいいとこ見せたいし笑
和:もう///
○○:...そろそろ寝よっか
和:...うん
○○:寝るときも抱きついてるの?
和:うん、ダメ?
○○:い、いや、いいけど///
和:ふふっ、ありがと
危なかった...
あのままだったら、流れで告っちゃう所だった...
○○に届いたかな...
私の気持ち
そして...
○○:じゃあ...行ってくるね
和:うんっ!頑張ってね!
見に行くから!
○○:ふふっ、ありがと!
○○は試合に向け、千葉へと旅立った
和:...よしっ、今日頑張れば...
9:00
和:やばっ!あと30分で1限始まるっ!
カキーン カキーン
○○:ふぅ...
千葉に着いて、ホテルに荷物を置いてすぐに練習場へ向かう
身体を動かしていないと、緊張でおかしくなっちゃいそうだった
甲斐:○○っ!
○○:あっ!お疲れ様です!
甲斐:お前、早すぎない?笑
○○:それは、甲斐さんもじゃないですか笑
甲斐:緊張してる?
○○:もう、バックバクです
甲斐:お前...
今日試合じゃないのに、緊張してたら身体持たんよ?笑
○○:でも、大丈夫っす
いい緊張の仕方なんで
甲斐:そっか...
ならいっか
○○:甲斐さんも打ちます?
甲斐:あっ、いや...
これからミーティングだから
○○:あっ、なるほど...
甲斐:千賀来たらあっちの部屋でやるからって言っておいてくんない?
○○:了解です!
甲斐:じゃあ頼むわ
○○:はいっ!
3位のチームが捲るのは、可能性が低いのかもしれない
でも、準備しないで負けに行くわけじゃないから
勝つための準備をして、当日を迎える
明日からのロッテ戦
勝とう...
自分のためにも、応援してくれる人の為にも...
チームのためにも...
To Be continued...
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