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Industry-Up Days: ハピネスキャピタル産業(Spring 2021)

「ハピネスキャピタル産業」はまもなく夜明け

この「ハピネス」という考え方はわかっている人にとっては、それをどう社会実装するかがテーマで、はじめて聞く人にとっては、なぜそれが産業となるのかがわからないというテーマではないでしょうか。わかっている人にはわかるけど、わからない人にはわからないという状態で、これからわかる人を増やしていく必要な段階であり、より多くの人たちに「ハピネス」ということを伝えたえていきたいと思うので、「ハピネス」に関して初心者ですが、自分なりの解釈をまじえてレポートしようと思います。

まずは「ハピネス」とは?

まずSUNDREDがハピネスキャピタル産業で考える「ハピネス」とは、Society5.0、人間中心の社会において、人間が活動する本質的な目的は「幸せ」にあるのではないかという前提から議論がスタートします。
今回のパネラーの方の議論においてもまだ定義が定まっていないように思いましたが、描いている世界観は同じで、その表現が異なるだけかなぁと思いました。アカデミックな世界の議論ではないので、定義の違いをうんぬんというつもりはありません。まずは人が行動するときの価値観が変わっていて、そこには「ハピネス」という考え方が大きく作用しているというところから、今回のカンファレンスで感じたことをまとめてみようと思います。
またここで言う「幸せ」とは、何もせずに楽をしたいという意味ではありません。そのあたりから整理して説明します。

なぜ「ハピネス」なのか?

「ハピネス」についてビジネスの世界で議論できるようになった背景には、2つの変化あるのではないでしょうか。
1つは、人の行動に関する情報をセンサーデバイスの普及により、データ化することができ、可視化することができるようになりました。その行動に関するデータについて意味を解釈することにより、行動と人の気持ちの状態を分析することで、「ハピネス度」が計測可能になったことです。
もう1つは、「幸せ」を因数分解することができ、下記のような幸せを構成する4つの要素で表現できるようになったことです。そして、その4つの要素を満たすプロダクト(モノ、こと、サービス)を提供することで、人の「幸せ」を満たすことができると考えることができるようになりました。

1やってみよう(やる気)
2ありがとう(感謝)
3なんとかなる(チェレンジ)
4ありのまま(個性)

なぜ、今「ハピネス」について考えるのか

社会構造が変化している過程で、いろんな価値観が変わっています。変化に敏感な人ほど、従来の価値観では対応できないこと、変えていかなければならないことに気づいています。新しい社会、Society5.0(人間中心の社会)について考えるためには、人間の本質に立ち返る必要があります。
その際、なぜ人は行動するのか?を考えたときに、その1つのヒントが「幸せ」にあるのだと。
「幸せ」を因数分解した4つの要素を満たしている状態を考えることで、何が必要とされているかが具体化され、それに向け行動するのだと思います。それがまさに今というのが、本日のパネルディスカッションだったというように解釈しています。
まだ私自身も「ハピネス」という概念を理解できているわけではないので、この辺りのロジックはもう少し掘り下げて考える必要があるかと思います。

「ハピネス」の社会実装に向けて

1)まずは「ハピネス」に気づく
今、元気で勢いのあるスタートアップは、イメージですが、みんな楽しそうに仕事をしている感じを受けます。スタートアップでの仕事は、大企業と比べて、社会的にも信用がなく、ビジネスモデルも流動的で、常に変化に対応しながらなので、決して楽ではありません。しかし、そこで働いている人たちは楽しそうです。この楽しそうに仕事しているということを、まだ「ハピネス」を社会実装するイメージが湧かない人は今一度考えてみる必要があると思います。
そこには、「幸せ」を構成する4つの要素があると思います。

2)組織は栄枯盛衰、新陳代謝が必要
いつの時代も変化に対応できる人とそうでない人が存在します。変化に気づいて変わることができる人もいますが、気づいても行動が変わらない人、気づこうともしない人がいます。それは組織も同じです。無理に気づかせ、変化させることは高コストであり、ある程度の社会の中で新陳代謝が進み、新たな組織の台頭と淘汰がされた方が良いのではないかと考えます。そのトリガーがこれからの時代、「ハピネス」という考え方ではないでしょうか。

3)目的がないDXより、目的をもったHX
いろんなところでデジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉を聞きますが、それは何のためにDXをするのでしょうか?その目的が効率化であるのであれば、本質的な変化を求めるDXではなく、それは従来の情報化、IT化と同じです。本質的な変化を求めるのであれば、次の社会における本質を見抜く必要があります。その1つのヒントが、人間中心の社会、つまりSociety5.0とするならば、人の行動原理にある「ハピネス」をベースに考える必要があるのではないでしょうか。つまり、次の時代へ対応するためには、本質的な目的がないDXではなく、本質的な目的を考えて行動する「ハピネストランスフォーメーション(HX)」が必要なのです。


「ハピネスキャピタル産業」として考える理由

これまでは「幸せ」をテーマに議論すると、感情的、感覚的な議論が中心だったところが、可視化でき、それを評価できる指標ができたことで、サイエンス的な視点を入れることができるようになりました。そして、データに基づき多様なパターンに層別化して、幸せを構成する4つの要素に当てはめて考えることができるようになり、多くの人たちを巻き込み議論ができようになったことで、新しい価値を創出しやすい状態になっています。それが適用される分野、シーンなどは多岐にわたることは容易に想像できる状況にあります。

今回のパネルディカッションでは、まだ「ハピネス」というコンセプトができたところという印象ではありますが、これからいろんな人を巻き込むことで、いろんなアイデアを社会実装に向けて活動することで、「ハピネスキャピタル産業」の可能性が広がっていくと感じました。

今後の「ハピネスキャピタル産業」の展開、楽しみにしています。


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