おかしな世の中
母がポツリとつぶやいた
こないなおかしな世の中になったもんやなぁ
僕は声に出さずに
僕たち世代のせいかもしれないと
言葉をしまいこんだ
息がつまるような苦しさを感じながら
母を見た
淹れたてのお茶を飲みながら
いつからこないな世の中になったんや
またポツリとつぶやく
田舎で田畑を耕しながら
僕たち子どもを育てきた
その一生に後悔はないだろうけど
年老いた母に映る世の中はかなり違った
今願うことは元気なままで一生を終えてほしいこと
母でなくてもおかしな世の中になったと
僕自身も思いながら