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散りゆく花よ、生きていく者たちよ

さくらが散りはじめた。
もう半分くらい葉桜に置き換わっている。
今年は入学式の頃には葉桜ですね。

どうも最近の季節は四季が偏ってきている。
長い夏と冬、それに挟まれた春と秋。
四季はあっても折々に楽しむことができない。
春が加速している。

最高気温を見ているともう五月上旬の陽気。
1ヶ月は早く感じられる。
花粉だの黄砂だのと言っているうちに
さくらは満開になって、早々に散りはじめる。
ちょうど年度替りの時分は気持ちも落ち着かず、
あれよあれよと暦をめくる。

もっとゆったりしたいのに、
時間が気持ちとずれてしまっているような、
ちぐはぐさがもどかしいものだ。

それでも、春はいい。さくらはいい。
一気に空気感を変えてくれる。
重い空気を吹き飛ばし、空の明るさは増していく。
常に季節と同期している人なら、
この変化は五感で知ることができよう。

不自由な生活を強いられて約1年。
人々は懸命に生き続けようとしてきた。
責任ある者の無責任さが目に余ろうとも、
世知辛い世の中が続こうが、
生き続けたいぼくらは希望をあの空に見たい。
葉桜の若々しい力のように。


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