半夏雨
朝から雨が降っている。
昼近くになると勢いが強くなった。
まさに「半夏雨」だなぁと灰色の空を見る。
「半夏雨(はんげあめ)」とは、
半夏生の頃に降る雨をいい、
梅雨の後半に降る雨のこと。
この雨は大雨になることが多いと言われる。
2年前(2018年)に起きた西日本豪雨は
まだ記憶に新しい。
この時の豪雨は、7月5日〜8日にかけて、
西日本を中心に甚大な被害をもたらした。
昔の人は半夏生の間、田植え疲れを癒すために
農作業を休むとされていたが、
その裏には半夏雨による大雨に警戒する期間として
認識していたようである。
「半夏雨」が豪雨になり洪水を引き起こすこと
を恐れたようで、この洪水を「半夏水」という。
それだけではない。
半夏雨の頃には、食中毒や熱中症にもなりやすいので、
食材や水に対する警戒も、
栄養不足にならないように食事に気をつけると
いう意味合いも含まれていたそうである。
梅雨が明ければ、本格的な夏になるため、
それまで体力を落とさないようにする大事な
期間だったのですね。
現代は文明が自然から離れる形で発展したため、
先人の知恵や言い伝えを忘れがちである。
それらは「半夏生」「半夏雨」「半夏水」という
言葉からも知ることができる。
これらは、一見してただの風流語のようであるが、
古からの暮らしが学んだことが凝縮されている
ようにも思う。
今年の半夏雨も長く広範囲に及びそうだ。
ところによっては豪雨になりそうな予報。
2年前のような被害が起きないことを願いたい。