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作品を朗読してもらう側から一言

私が書く詩を朗読したいと
申し出をされる場合がたまにあります。

私は基本的に自分では朗読しません。
それは下手だからというのは別にして、
誰かに読んでもらうことにより
想像し得なかった発見があるからです。

作品の解釈は人様々なので、朗読してくれる人が
どう読むかがとても興味があるのです。
朗読を録音する場合などは立ち会いますし、
舞台の場合は基本的な指導もします。
でも、こう読んでくれと
読み方に大きく注文をつけることはしません。

書いた作品とは別に、朗読も作品だと思っています。
そして、それを聴く人たちがどう解釈するか、
どのように感じるかも作品の一部なのです。

書いた作品を目で読む場合と朗読する場合、
また、その朗読を聴いている場合では、
作品の感じ方、捉え方が違ってきます。
また、同じ朗読でも、作者の私が朗読するのと、
別の朗読者が朗読するのは別物です。

世に出た作品は、作者の手を離れ、
もう人格のようなものを有しています。
私はそれでいいと思っています。


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