ハレバレ。

画像1 すべてが一掃された朝。空も道も、家も小川も靴のつま先すら、沁みる眩しさでいっぱい。吹き千切れた小さな葉っぱが縁石の隅で巻き上がり、刈り取り前の黄や緑の稲たちはみっしりそろりと、穂を垂らしている。このまま晴れがあぐらをかけば、赤と白のコンバインが道路と田んぼを走るだろう。
画像2 厚みを増した濁流音が、川底から虫の音を抱き込んで、杉だらけの山々に沸いている。子どもの頃は毎年、この水流の力に何本も橋は流され、消えた。水中の岩は押され、転がり、普段の水量と透明度を取り戻した時、あったものは川下に、なかったものが川上から運ばれていた。このまま転がり、流され続けた先の海には、どれだけの岩がたどり着いたんだろう。とんと浜辺に岩がぎっしり寄せ集まった様子は見たことがない。どうやって砂と一つになったんだ。その一塊になって、転がり、流され、陽に温められ…、色々と味わってみたいもんだ。

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