大学の9月入学
新型コロナウイルス感染拡大はどうやら第三波に突入し、終息の気配は一向に見えない。米英ではワクチンの接種が始まるという噂もあり、突破口となってくれればと願う限りである。
ところで、緊急事態宣言が出されていた4月~5月あたりに、休校になった教育の遅れをとりもどす、という話のどさくさに紛れて、大学の9月期入学への移行を、という議論が一時的に起こっていた。
個人的には、9月入学に反対はしないが、どさくさ紛れの拙速な移行には反対だったので一安心であったが、その後議論はまったく出なくなってしまった。
9月入学促進派の主張は『グローバルスタンダードに合わせる』『海外留学しやすくなるように、また海外から多くの留学生に来てもらえるように』という声がほとんどである。
だが、9月入学にしたところで、海外からの留学生にとって日本の大学は魅力のないので、留学生は増えないであろうという意見もある。たとえば、以下の書籍(140ページから)。
大前さんは9月入学賛成派だと思っていたのでちょっと意外だったが、主張はごもっともで、納得のいくものであった。
留学生受け入れについても、外国人労働者受け入れについても、最大のネックは言葉である。ほとんどの日本人が英語を話せない、外国人の方々は日本語を勉強しなければならない。前者が改善されるのは期待薄。後者については、英語が話せる外国人の方ならわざわざ日本語を勉強するメリットはない。
一昔前までは、外国人の学生にとって日本は憧れの国である、というドキュメンタリーをよく見たような気もするが、それも昔のこと、『ジャパンパッシング』はますます加速するのだろうか。