クラムボン
クラムボンを聞けばいつでもあの頃に戻ることができる。
最初に好きになったのは「パンと蜜を召し上がれ」。
中学生の頃。
予想外のコード展開にやられて、
一日中聴いてても飽きなかった。
郁子ちゃんが福岡出身だってことを知って、
もっともっと好きになって、憧れた毎日だった。
次にハマったのは大学のころ。
軽音に入って、音楽に詳しい友達がたくさんできて、
付き合っていた人に
「クラムボンっていいの?」って聞かれて。
気付けば彼の方がクラムボンを好きになっていて、
私より詳しくなっていて、
一緒にライブも行ったなあ。
なんとそのあと別れて、切なくて、
一切クラムボンを聴けなくなってしまった。
どの曲を聴いても彼のことを思い出し、
脳と音はつながってるってこと初めて知った。
わたしにとって青春ど真ん中、
それがクラムボンだった。
彼らの音に私のたのしい・あまい・せつない
全てが揃っている。
そして今は、レーゾンデートルを聴いている。
大人になった私が、
まちわびまちさびやJPを掘り漁って
「あのころ」に浸る。
それは街で、車で、バスの中で
いつだって彼らはわたしをあの頃へ連れてってくれるんだ。
もう何も感じなくなったつもりだったのに、
懐かしさと少しの感傷をかすめる瞬間、
私を置いてきぼりにしない郁子ちゃんが、
いつだってそこにいる。