Dear, Dragon, 僕の地球。

朝晩はめっきり寒くなりましたね。
長崎では「くんちが終わるまでは暑い」って認識なのですが、今年はそれがものすごく顕著で、くんち終わった翌日から秋めいてきて笑っちゃいました。でもまた少し暑くなるみたいです。どっちも好きだけど、どっちかにしてほしい。
君の調子はどうですか。風邪ひいてないですか。疲れてないですか。

僕はすっかり参っているようです。
搾取されているなぁと感じる瞬間が、ここのところ多いです。キャパシティがオーバーするのが早くなりました。
音楽についても。自分がどんな音を出しているのか分からなくなってしまった。何をしても「あぁ僕ほんとにへたくそだなぁ」と思うし、アンサンブルを練習しているメンバーを見ては「あぁ置いて行かれそう」って思うし、「私はここにいたいけど、ここに私はいていいのかな」って思います。
きっと誰かに言えば「そんなことないよ」って言ってくれるし、慰めてくれるし、励ましてくれる。形は違ってもそうしてくれる。
だから誰にも言いたくないのです。僕はわがままですね。

きみにでんわしたいです。

ZOOのあの子と「君の名は。」を見に行きました。感覚や感性の話をたくさんしました。僕にはない視点、あの子には見つけられなかったもの、たくさん話しました。そういうところが素敵で好きだと思いました。
親友に「何か相談したいなと思っても、誰にどのタイミングでどんなふうに相談したらいいのか分からない」と言ったら、「じゃあ私に言ってよ、いつでも、どんなふうでもいいから」って答えてくれました。
ご飯に行こうって誘ったら、喜んでくれた人が２人もいました。
僕が作ったカードを見たいって思ってくれてた人がいて、実物を見せたらすごく感動してくれて、その上ふたつも買ってくれて、値段を言ったら「安すぎません？」ってまで言ってくれました。更にFacebookに、すごく素敵な写真と文章で紹介してくれてました。
好きな人と、車の中でふたりきりになったのに、上手く話せませんでした。でもちょっと渋滞している道の中、ハンドルを握る長い指やバックミラー越しの表情を眺めていて、あぁこの人のことやっぱり好きだなぁって思いました。うまく話せないのは、むしろそのせいかしらって思いました。
こうして幸せなこともたくさんあります。大丈夫じゃない瞬間、大丈夫な瞬間、どちらもあります。人間になってから、その両方が増えました。それが生きていくってことなんですね。

買った時はぴんとこなくてあまり聴いていなかったBase Ball Bearの「二十九歳」を、無性に聴きたくなって、久しぶりに聴きました。何度かすこし泣きました。
最後の「カナリア」で感情がいっぱいになって、久しぶりに、ちゃんと泣けました。
やっと泣けたなぁって思ったら、またすこし泣けました。

正直言って、僕は今、辛いんだと思います。

でも辛いことは、ただの「辛いこと」です。それで僕がどうにかなるわけじゃない。だから辛いからってだけで今この時を辞めたくない。思い描いたほうへ、ちゃんと歩いて行きたい。そう思います。
いつか見た、翅の破れた蝶みたいに。
「飛ばない」という選択肢はないのです。僕らには。

どうか、「がんばれ」って言ってください。それだけで私、強がりじゃなくがんばれるから。
頭を撫でるみたいなあの声で、何も聞かずに、ただそれだけ。言ってください。
ほら、わがままな妹の、久しぶりのおねだりです。聞いてくれてもいいでしょう？

それじゃあ、風邪に気を付けて。
月末の結婚記念日には、カードを送るね。楽しみにしててね。