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この世は地獄、かもしれないけど
この世は地獄だ。
君がそう言って、それに納得できる出来事もあって、それでも僕はやっぱり、この世が地獄だとは思えないのです。
だって、君がいるから。
君みたいな人がいて、僕を愛してくれるから。
こんなクズみたいな僕を、ですよ。
愛したり心配したり必要としてくれたり、する人が、いるんですよ。
それって、地獄ではあり得ない。
どんなに一人でがんばろうと思っても、どこかで必ず誰かに助けられている。
それは地獄では出来ないことです。
綺麗事で済ませるなと、君は言いましたね。
その気持ちは、分かります。綺麗事が叶わないことだったら、たぶん僕のほうが よーく知っています。
それでも、綺麗事が叶うことだって、僕は知っているのです。
僕にとって綺麗事とは、つまり究極の理想です。
それを叶えようとすることが悪いことだと、僕には思えない。
もちろん究極の理想だから簡単には叶わないし、それ以外のすべてを犠牲にすることだって、覚悟しなけりゃなりません。そんなこと、僕だって知っています。
だって、僕は これまでに そうやって、いくつかの綺麗事を叶えてきたのだから。
君も知っている通り、僕は長いこと音楽をやって来ました。
そして君は知らないと思うけど、音楽をやっている僕は、真面目で前向きで真正直な真人間なのです。きちんと計画を立て、実行し反省し、次に繋げることができるのです。
その中で僕は何度も綺麗事を望み、そこに向かって命を削るような生き方をし、そのうちの いくつかを、現実にしました。
だから綺麗事を目指すのが間違っているとは、僕は思わない。
もちろん叶わなかったものもあります。変更も挫折も失敗もありました。望めば手に入るなんて簡単に考えるような輩に、綺麗事を言う資格はありません。ちゃんと知っています。綺麗事を追いかけるほうが、そうでない理想を追うより辛くしんどいものです。
僕は僕の経験から、綺麗事に対しての責任と覚悟を持っています。それは、君の知らない僕によるものです。
だから僕は、綺麗事を望みます。
それは他人に対してもそうです。
いちばん好きな人達が、究極の理想の中にいる。それを望むのは、そんなに悪いことでしょうか。
それは より険しい道を望むようなものですが、言われるほど、悪くはないと思うのです。
もちろん、夢想や軽々しい願望では駄目ですが。
ねぇ。僕は今日も生きています。
それって、けっこうな奇跡でしょう。
風邪を引けば心配してくれる人もいます。
それって、素晴らしい奇跡でしょう。
誕生日を祝ってくれる人もいます。
それって、信じられない奇跡でしょう。
そんな世界を『地獄』だなんて、言ったら罰が当たります。
僕は君が好きです。
だから それだけで、この世は極楽です。
拙い感情ですが、いつか もっと上手に、君に渡したいです。
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