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もすこしだけ、ね
イヤフォンの左耳が死んだ。
時折 接続が切れるな、と、有線なのに思っていたけど、突然ぱったりとなにも聞こえなくなってしまった。
なんだか感傷。猫が喧嘩しそうに鳴いている。
日々いろんなことを考えるし、いろんなことを書く。
宝石のように自分を思うこともあれば、僕はこの世でたったひとりにひとりぼっちなのだと痛切に感じることもある。
夜は長い。眠ってしまうにはまだ早い。誰かの声を聞きたくなったり、誰にも会いたくなくなったりする。
大人って、もっと確かなものだと思っていた。
だからこそ いつまでも不確かな自分を持て余していたあのころ、阿部真央先生の曲を聴いてぼろぼろ泣き出してしまったとーやま校長がひどく尊く思えた。なんて綺麗な涙なんだろうと思ったら、震えた。
大人になっても、こんなふうに泣いていいんだ。誰かの前で、こんなに正直に素直に偽らず、自分のままで、感じたままで、揺さぶられた通りに反応していいんだ。
それに感動して、いやちがうな、そのことに安心して、僕もぽろぽろ泣いてしまった。あの夜。
ほんとうに大切な夜だった。出会ったこともない誰かが、たしかに僕の隣にいて、あたたかな手で僕の背中を撫でてくれた。そんな夜だった。
僕もそんな人になれるだろうか。
僕はどんな人になれるだろうか。
誰と、どこで、どんなふうに、生きていけるだろうか。
ひとりの部屋では秒針の音が目立つ。♩=60のテンポを聴いていると、無意識のうちに音符を刻んでしまう癖がついた。
四分音符、八分音符、三連符、十六分音符。いつまでもいつまでも繰り返される、ゆるゆると穏やかな流れ。
それだけ考えて生きていけたら、どれだけ幸せなことだろう。
でもそれはきっと、ものすごくふしあわせなのでしょうね。
いま僕がいいたいこと、わかりますか。
なにを考えているのか、伝わりますか。
話したいです。
話したいです。
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