視覚障害者が嬉しいと感じた配慮―急ぎの乗り換え冒険
とてもありがたいことが一日にたくさんありましたので、少しまとめて書きます。
この日、通院日でしたが、出かける少し前に区役所からの電話があり(例の同行支援のややこしい電話でした)、少し予定より出る時間が遅れました。
私は通院に、バスを2本(1かい乗り換え)使っています。
実は、1本目のバスを降りた先に、降りてすぐのところに地下鉄の入り口があり、これに乗れば都営乗車証も使うことができながら1駅で着くのですが、この駅の入り口から降りる階段が、途中から階段の横幅だけ斜めに広がっていき、つまり手すりを使って降りても手すりと階段の角度関係が斜めになってしまうため、一段一段慎重に白杖で確認しなければ非常に危険で難しい階段であるため、実質私一人では使えないのです。
そのため、バスを乗り換え、時には20分待ちながら、電車も使えば30分で行けるところを、1時間半近くみて行っています。
その上、家を出る時間自体が遅れると、1本目のバスも1本逃してしまう可能性がある。とにもかくにも乗るしかないのでこれに乗り、しかし、今回は、もし2本目のバス停で15分や20分でもまとうものなら、どんなに急いでも間に合わない。
これはもう仕方ないと思い、一本目のバスを降りてから実はすぐ真横にある地下鉄の入り口に飛び込みました。
とはいえ、ひとりでこの階段を降りるのは、一段一段の作業(しかも階段が長くいくつもある!)なので、どの道そうとう時間のかかるリスクがありました。
が。階段を降り始め、手すりと角度がどんどん変わりながら急激に横広がりになり始め、恐る恐る白杖で一段下のへりを確認しているとき、救世主が!
男性が声をかけてくださり、肩につかまらせてくださり、私の体のバランスも支えてくれながら、一緒に降りて、そのあともちょっと長い廊下を経て有人改札まで連れて行ってくれました。
その後、駅員さんに頼む…にしても、駅員介助だと着いた先の駅に連絡をとり、連携ができてから電車に乗せてくれるのが通常なので、電車を2本も3本も見送らねばならないことがあります。ただでさえ、その係員さんが来てくれるまでにかなり待つことも。
だから、私は電車で駅員介助を使う(=迷わない)時でも、結局2~3倍の時間は余裕をみて移動します。
「ちょっと急いでいて、電車に乗れれば大丈夫です…!」と伝えると、
係員さんが来てくれ、電車まで連れて行ってくれた…上に、なんとありがたい、
「ちょっと手配できるか連絡だけしてみますね」と。
なんと、「手配できました」と言って、しかもすぐ来た電車に乗せてくれました。
しかし、1駅です。
2分くらいでしょうか?連携できるのか…?!
ただ、実際、電車を降りたら、どうも声はかけられず。
あ、駅員さん間に合わなかったか。と思いながら、しかしとりあえず目的駅には着いたので、あとは勘でエレベーターを探そう!駅員介助で載せてくれたということは、きっと障害者を乗せる車両、降りたところからエレベーターは近いはずだ!と、そろりそろりと動き始めると、
「お客さん大丈夫?どこ行きます?」と、大柄な男性駅員さんが声をかけてくれました。
もしかしてこの駅員さんかな?とも思いつつ、とにかくありがたい、改札までの案内をお願いしながら、
「先程急ぎで駅員介助手配してくれて…もしかしたら駅員さん、来てくださるかもしれないんですけど大丈夫でしょうか?」と確認すると、
「あ、大丈夫ですよ。僕も駅員ですんで」と答えられたので、恐らくこの駅員さんは偶然ホームを通りかかった駅員さんなのか…。
改札まで案内してもらい、もうここからなら出口まで行ける、と思っていましたが、「どっちの出口行くの?」と聞いてくださったので、では…と甘えて少し歩く出口までも誘導していただきました。
大変な速足で移動することができ、ずいぶん時間が短縮できたはず!
出口から出てから、病院まで。
これがまた、歩道と車道の境がない道路で、誘導ブロックもないのです。
白線が案外はっきりしているところがあるので、なるべく白線を探して辿って歩いているのですが、駅を出て少し進んだところで障害物!
案の定、白線の上にどうやらトラックが止まっていて、しかも車体の後ろにいくつか大きな荷物も点在している!
そろりそろりとトラックを回り込んでいると、ここではなかなかない、ありがたいことに女性が声をかけてくれ、なんとそのまま、少し進んだ先の病院の建物の前まで連れて行ってくださりました!
なんとありがたいバケツリレー!!
しかし、これでなんと、予約時間の5分前にぎりぎり駆け込む形となりました。
そうでなくとも私は早めに動くほう。
電話で少し遅れたとはいえ、それでも恐らく一般的には「間に合うでしょう」レベル。
白杖使用者が移動にどれほど余分な時間がかかるか、いつ何時突然難儀するか、もしかしたらほんの少しでも伝わる例かもしれません。
いつもお見守りありがとうございます。
白杖使用者、必死で急いでいてスムースに歩いているように見えるときや誘導ブロックを必死で伝っているため案外はやく移動しているように見えるときもあるかもしれませんが…実は物凄い緊張とともに命がけで時間に間に合おうと(それでも通常の2倍~3倍の時間をみて)動いていたりします。
お声がけいただけましたら、本当に本当に、いつもありがたさと安堵に涙が出るほど嬉しいです。
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