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心が軽くなる脳の動かし方 ~宇宙の英知にリンクする脳科学(1)

 脳神経学者ジル・ボルト・テイラー博士の著書『心が軽くなる脳の動かし方(原題:Whole Brain)』は、脳神経解剖学と心理学の融合から生まれた名著です。博士は、私たちが平和で調和のとれた人生を築くための道を示しています。

はじめに ~右脳の潜在力を知りたい

本書を読む前に、まずはテイラー博士のTED講演動画を視聴しました(リンクはページの下にあります)。博士は37歳のときに脳卒中を患い、左脳の機能を失いましたが、そこから8年かけて機能を回復させるという奇跡的な体験をしています。脳科学者としてその回復プロセスを深く洞察し、本書で詳しく述べています😊

心が軽くなる脳の動かし方


 テイラー博士は、自身の脳卒中体験と研究をもとに「4つの性格分類理論」を提唱しています。博士によると、私たちの脳には、まるで性格の異なる4人が共存しているかのような感覚があると言います。以下の図に示した4つのタイプは、それぞれ異なる脳の機能に対応しています。また、博士はそれぞれにキャラクター名を付けることで、理解を深めることを提案しています😶

★★ 4つの性格分類理論 ★★

(c) NHK出版

【キャラ1】 左脳思考 (Left Brain Thinking)

キャラクター名の例:ハーマイオニー(ハリーポッター)、スポック(スタートレック)

🤖 左脳思考は、論理的で合理的、そして分析的な思考を司る性格です。計画を立て、物事を整理し、コントロールすることを好むタイプで、問題解決や意思決定、目標設定が得意です。その反面、完璧主義的で、緊張やストレスを招くこともあります。

【キャラ2】左脳感情 (Left Brain Feeling)

キャラクター名の例:ドラコ(ハリーポッター)、のび太(ドラえもん)

🥺 左脳感情は、感情的で不安や恐れを抱きやすい性格です。怒り、悲しみ、罪悪感、不安といったネガティブな感情にとらわれやすく、過去の出来事に対して強い共感を抱く傾向があります。人間関係や価値観を大切にするものの、感情が暴走すると、妄想的に悲観的な思考に陥りがちです。

【キャラ3】右脳感情 ( Authentic Feeling)

キャラクター名の例:ティガー(くまのプーさん)、ビッグ・ペン(ピーナッツ)、ふなっしー

🥰 右脳感情は、遊び心や創造性に満ちた性格です。喜びや感謝、平和といった肯定的な感情を基盤とし、好奇心旺盛で、アドレナリン全開で突き進むタイプです。今この瞬間に感じていることや表現を大切にし、他者や自然とのつながりを重視します。自由で、楽しいことに素直な性格です。 

【キャラ4】右脳思考 (Authentic Thinking)

キャラクター名の例:ダンブルドア(ハリーポッター)、ヨーダ(スターウォーズ)

🌍 右脳思考は、直感的でスピリチュアルな側面を司る性格です。冷静で賢く、意味や目的を重視しながら学びや発見に長けています。時間や空間を超越した視点を持ち、自己の存在や宇宙とのつながりについて洞察をもたらします。魂の声に耳を傾け、広い視野で物事を捉えるタイプです。

どのキャラクターが厄介者か?

 この分類の最大の利点は、自分がどの思考にとらわれているかを認識できる点です。特に、厄介な思考にとらわれがちな性格は【キャラ2】、左脳感情です。左脳感情は非常に強力で、感情に翻弄されているときには「のび太、少し静かにして!」と心の中でなだめるのも効果的です。代わりに、右脳感情の【キャラ3】を引き出すように心がけることで、ポジティブな感情に切り替えることができるのです。

本日のまとめ

 今回は、テイラー博士が提唱する「4つの性格分類理論」について紹介しました。この理論を理解することで、自分自身をより客観的に捉え、感情や行動のコントロールが可能になります。次回は、この理論を使って右脳の能力を引き出す方法について詳しく解説していきます。この記事が気に入ったら、ぜひ「いいね」やフォローをお願いします! 記事委託も請け負っております😊

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著者について

 ジル・ボルト・テイラー(Jill Bolte Taylor)博士は、1990年代からハーバード大学での脳の研究に関わり、現在は、同大学脳組織リソースセンターに在籍。また、インディアナ大学医学部で解剖学と生理学を教える傍ら、作家、講演者としても活動中。
【参考動画】
・テイラー博士のTED講演「脳卒中の洞察(Stroke of Insight)


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