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「傘を持って行きなさい」と言う理由
「傘を持っていきなさい」
小さい頃、よく母にこのセリフを言われた経験があります。家を出る時点で雨が降っているならまだしも、午前中が晴天の時にも「午後は天気崩れるらしいから、傘持って行きなさい」と何度も言われました。
「なんでお母さんは何度も傘を持って行きなさいって言うのだろう・・・。登校するときに濡れなければ、別にいいのに。下校の時に降っても、どうせ帰るだけだから濡れて帰ればいいし」と小さい時の私は思っていました。
でも自分が母親になって、あの時の母の気持ちが痛いほどわかるんです。
私も今まで何千回このセリフを子供達に言ったことか。
その時の子供達の反応は、昔の私と全く一緒。
「えーっ、今降ってないし、別にいらんでしょ!」
脳内連想ゲームスタート
朝、天気予報で降水確率を見た瞬間、私の脳内では一気にこの連想が始まります。
「この後天気が悪くなる → 雨が降る → 子供達が雨に濡れる → 風邪をひく → 悪化する → そんなの嫌だ!! → 傘を持たせねば!!」
我が子が雨に濡れながら歩いている姿を想像しただけで胸が締め付けられる思いになるのに、さらに体調を崩してしまうなんて、「そんなことさせない!!」。天気予報を見た一瞬でこの連想が加速し、子供が体調を崩さないために私がなんとかしなければと思うのです。
「傘を持って行きなさい」というセリフには、そんな母の強い願いが込められているんですよね。
「母親というのは永遠に心配する生き物だ」というのを聞いたことがありますが、本当にそうだなと実感しています。
そのセリフには連想ゲームが潜んでいる!?
さて、みなさんは時々他者に対して
「なんでこの人、このことにこんなにこだわっているのだろう」
と思うことありませんか?
表面的な言動だけで見ると、その理由がよくわからない。
でも相手がどんな連想ゲームをしているのか相手の立場に立って想像してみると、その理由が見えてくるかもしれません。
ある一つの事象によってその人の連想ゲームが始まり、極端な結果をイメージしてしまう。それを防ぐために「こうしなければ!」「こうしてはいけない!」と強い信念を導き出して、その結果同じようなセリフを何度も発する。そこにこだわってしまう。まさに「傘を持って行きなさい」にこだわる私のように。
自分には見えないけど、相手にとっては避けなければいけないものだったり、辛いことだったり、極端なことをイメージしていて、それをなんとかせねばと思うが故に、考えて出てきたセリフなのかもしれません。
もし、相手のセリフが理解できない時は、相手のなかでどんな連想ゲームが繰り広げられているのかに着目して考えてみると、そのセリフの真意が見えてくるかもしれませんね。
そんな中、我が子供たちは、今朝の曇り空でも傘を置いて行きました(笑)
それでも私はこれからも「傘を持って行きなさい」と言い続けるんだろうなと思います。
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