旧型人体
万年便秘症です。
ヨーグルトもプルーンも牛乳もぜんぜん効かん。大学生の時、便秘薬を飲んだら上からも下からも出て、ゲロゲロ状態のままトイレが恋人になるっていう大変な事態になって以来、市販薬は怖くて飲めない。病院でもらっても、飲み続け過ぎて効かなくなった。てくらい便秘。
「あーもう、またお腹が硬くなってるー!あたしってホントすぐ便秘になる。」
「当たり前だよ。」
「何で当たり前なんよ。水分不足だから?」
「違うよ。シホの肉体は旧型だから。」
「……まだ30代だけど。」
「ちがう。新型の肉体じゃないってこと。」
「え、なに。旧型だと便秘になりやすいってこと?」
「旧型だから便秘になるってわけじゃなくて、現代の食生活と旧型の肉体は相性が良くないっていうと適切かな。」
「え!内臓の造りとかが違うの?」
「そうそう。」
「うへぇーーー!!!オモロ!!!でも確かにさ、時代も変わって食べるものも昔とぜんぜん違うだろうし、肉体も進化しててもおかしくないか。」
「当然だよ。新型の肉体だったら、シホの食生活なら便秘じゃなかったかもね。」
「えー。新型が良かったのに。」
「シホは自分で意図して旧型にしてるよ。」
「なにー!何で新型にしなかった私ー!」
「新型はエネルギーの容量が少ないから嫌だったみたい。」
「スリムになったけど、その分入る量も少ないってこと?」
「そんな感じ。」
「普通さ、新型にする時って容量はそのままで見軽量化しました!とか大容量なのに小型に!とかじゃね?それって進化じゃなくて、むしろ後退してないか?」
「ははははは。」