湧き上がる抵抗に向き合うときは「降参する」
このnoteでは、子育てや家事について調べたり話を聴いたりしていく中で、僕が理解したことを少しずつ書き留めています。
前回は認識ズレを扱うときの支えとして「ニュートラルにとらえる」ことをお伝えしました。
ニュートラルにとらえるというのは、言葉はシンプルなものの、実践する際にはハードルがあるもの。
今回はこのあたりについて触れたいと思います。
抵抗の根幹は「なんで自分が・・・」
前回お伝えした例(よかれと思って洗い物を引き取ったら「泡が残っている」と指摘された)のような構図は、よく起きると思います。
そしてこの構図は「認識のズレが起きて生じている」ということもお伝えしました。
こうした構図にあるとき、デッドロックのような状況になります。
デッドロックというのは「お互いに”相手が使用しているリソースが解除されるのを待っている”」という状態です。
例の話でいうと
・自分 :洗ってやったのに感謝も労いもなかった。まずは、それからだ(そのことに対して謝ることからだ)
・パートナー:泡が残ってたのに不満そうな顔をしている。まずは、それからだ(そのことに対して反省するべきだ)
といった感じ。
お互いに「相手の行動が、自分の行動の発動条件となっている」ので、先に進まなくなります。
どうしてそうなるかというと、
「お互いに、相手が先に動くべき」=「なんで自分が先に動かないといけないんだ!」
というブレーキがかかるからだと思います。
自分が先に動くことへの抵抗は「ワンダウン」
関係性を扱うとき、「ワンダウン」という概念があります。
例におけるデッドロックは、お互いに「ワンダウンへの抵抗」が背景にあるように思います。
自分がワンダウンするということは、人が本来的に(あるいは社会における関係性の構図的に)抵抗を感じやすいものなのだと思います。
なので、抵抗を覚えること自体は自然なのだと思います。
抵抗に向き合うスタートは「自己理解」
関係性において「自分から動くことへの抵抗」が「ワンダウンに対する抵抗」からくる自然なものだったとします。
だとすると、デッドロックは不可避のようにも思えます。
では、どうするか。
僕自身は「まずは、自分自身の理解につとめる」ということを意識しています。
・いま、自分は相手に対して自分から動くことに抵抗を感じている
・自分から動くことでワンダウンになる
・ワンダウンすることで、相手に貸しができた状態になったり、あとあと都合よく利用される不安がある
こんな感じで、まずは自分の頭で浮かんでいること、そしてどんなことを感じているか(気持ち、身体感覚)を捉えます。
そうすると、少しだけ落ち着きが高まります。
反応から生じていたイライラ・焦り・不安も、少しずつおさまります。
こうした段階に入ってくると、状況に対する認識も少しやわらかくなります。
「このままデッドロックを続けることが、ベストの選択なのか…?」といった感じで。
すごく当たり前に感じられる問いです。
しかし、この問によって、選択肢が広がるという大きな効能を得ることができます。
実際に渦中にいると、こうしたことを捉えづらくなります。
自分にとって都合よい(=正当化につながる)ように状況を捉えるので。
正当化することにとどまると、デッドロックを継続する選択肢しか浮かばなくなります。
こうした選択は「やむなし」と捉えがちですが、意外とあとあとに影響を残す選択にもなりやすいと思います。
自己理解から広がった選択肢から、あらためて選ぶ
自己理解を通じて「デッドロック以外の選択肢がある」ということに、落ち着いて向き合う機会をもつ。
そこから、行動を選択する。
こう書くと
「自分が謝ることが正解(なんでしょ、ハイハイ…)」
という印象が湧く方もいるかもしれません。
ここでは、それが正解であるとは思っていません。
ポイントは「自分自身が選択する」ということになります。
なので、
「デッドロックは今後いろいろ余波が残りそうだけど、そのうえで今回はデッドロックを選択する」
ことはアリ、ということです。
他者や世間からすると「正解」と置かれそうなことを選択する必要はありません。
むしろ、それを外して、「自分が選ぶ」ことが大事だと思っています。
ただ、こうして「選択肢を広げて選ぶ」というステップを経ることが重要。
「これしかなかった」ではなく、
「自分はこれを選んだ」ことが自分自信をエンパワーメントしてくれるので。
そして、このステップを経ることで、わりと多くの場面で
「自分からワンダウンする」
という選択につながることもあるのではないかと思っています。
そのときの選択は、「これしかなかった」ときとは、また別の流れを体験できるのではないかと思います。
今回は「自己理解を通じて選択肢を広げる」ことについて書いてみました。
次回は、家事分担(家事シェア)の観点からもう少し掘り下げてみたいと思います、
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