cosa mentale

読んだ本や論文のメモ

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最近の記事

メンタライゼーション

メンタライゼーションmentalizationとは ・自己・他者の行為を,心理状態(欲求・感情・信念)に基づいた意味のあるものとして理解すること。 例えば,「彼はどういう気持ちからああいう行動をとったんだろう?」と慮ったり,「どうして私は今彼に対してそんなにイライラしてしまうのだろう?」と自らを省みたりという,誰もが日常的に行っている心の作業のこと。 ・メンタライジングは,心の中に「心理状態の表象=心のジオラマ」を持つことで可能になる。 ・養育者が心に子どもの心の表象を持ち

      • 共感面接

        能動的な「読み」に裏付けられる「聴く」技能 雰囲気づくり:Clの語りを尊重することを態度で示す(適度な相槌,適切な間を取り,語りを待つこと) 反射:Clの語った発言をClの気持ちの流れに沿うように語り返す 明確化:Clの語った内容を要約し,語りの要点を明確化する。明確に語られてはいないが,語ろうと意図されていると理解できる内容を明確化する(お話しされようとしたことは……ということですね) 純粋性:Clの語りを聴いていてTh側に生じてきた気持ちを聴き手の純粋な感想として伝える

        • 病気とは,症状の経験というより,むしろ症状への反応なのである。ーーHardey,1998

          人々がお互いに語り合うとき,世界は構築されるのである。ーーヴィヴィアン・バー

          人々がお互いに語り合うとき,世界は構築されるのである。ーーヴィヴィアン・バー

          主流派心理学v.s.ソーシャル・コンストラクショニズム

          ソーシャル・コンストラクショニズムの特徴として,以下がある。 反=本質主義 主流派心理学に固有の人間モデルは,個人主義的であり,ユニークで自己完結型の人間を称賛して,それに特権を与えるモデルである。人間には所定の「中身(ex.パーソナリティ特性,心理的衝動や葛藤)」があるという考えに基づいている。思考,記憶,信念,態度が心理構造として存在すると想定されており,その心理構造は現在の私たちの一部を成していて,私たちの行為に現れてくると想定されている。 ソーシャル・コンストラク

          主流派心理学v.s.ソーシャル・コンストラクショニズム

          ディスコース研究のやり方

          背景を知る 方法の背景となる資料,調べたいトピックに関する資料を読む。 さらにいくつか読む。 調べたいデータのタイプを決める。 データを集める データを集める。データが印刷された資料なら,分析に進む。 会話データを集めるのなら,録音して集める。 録音を聞く。 トランスクリプトを作る。 録音を聞いているときに引っ掛かりを感じることがあるので,文字起こしは自力でやるのが望ましい。 トランスクリプトをチェックする。 分析する トランスクリプトないしはデータを

          ディスコース研究のやり方

          言説分析(Discourse Analysis)

          言説分析では、現象の構成における言語の役割を強調する。文脈、変動性、言説構成に関心を持ち、談話とテキストの行為志向性(action orientation)を追究する。 言説分析の背景ーー言語論的展開(the turn to language) 他の学問領域からの刺激を受け、心理学の持つ「認知主義」への疑問が生まれた。認知主義への問いとして、以下のようなものがあった。 「態度」「信念」は本当に「心の中にある」のだろうか? 現実世界の表象はただ1つだろうか? 「現実」

          言説分析(Discourse Analysis)