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地面に下りちゃったカラスの雛を現状復帰させる_Vol.2

すすきのの繁華街でたくましく生きているブト君の巣立ちのエピソード。
このブト君は数年前まで料亭の裏の大きなイチョウだったので、交通事故はあったけど、特にトラブルもなく暮らせていた。
しかしその大きなイチョウが伐採されてしまい、街路樹という非常に条件の悪い場所へ移動せざるを得ない状況に追い込まれてしまった。
去年は地面に下りてしまった雛を、知り合いのラーメン屋さんが保護してくれたのである。
その子は無事に放鳥できている。

ハンガーがいっぱいの巣

さて、今年はどうするのかと見ていたが、リサイクルはするけど中々抱卵に至らずだった。
しかし5月に入って♀がとうとう抱卵を開始した。

ハウチワカエデが芽吹き更に派手に見える巣
抱卵開始

当たり前のことだけど、抱卵中は威嚇なんてないのが普通である。
この時期に既に威嚇があるのなら、それは先に人間が手出しをしていて、ヒートアップした状態で抱卵している証拠である。

見張る親

葉が茂ると確認が困難になるほど、あんなに大きく目立っていた巣も全く見えなくなる。
それでも行動や鳴き声で繁殖が継続されているのかは分かるので大丈夫である。
このブト君の見守りも知人が手伝ってくれたので本当に心強かった。

巣立って車に止まった雛
巣立って車に止まった雛

見守りは巣立ちが近くなってから始まるのだか、すぐに巣立ちが始まっていて、これはホテルの窓から見えた光景である。
雛が巣立って地面を歩いていて親が時々通行人を低空飛行していた。
非常にドキドキして見ていたのだが、雛は地面から車へ飛び移ることが可能だったので何とかなった。

眠らないネオン街で見張る親

翌朝も車の上を移動していた雛を発見。
親の威嚇は鳴くだけでさほどではなかったのでその辺の心配はなかった。

貼り付く雛
貼り付く雛

雛という鳥は実に面白い行動を見せてくれる。
特に巣立ち直後だとまだコントロールが下手なので、飛んだら突き進んでしまう場合がある。
そして、このようにドアでホバリングしてしまう。
この雛を「福来軒」と命名する。

地面を歩く雛
ミリン

更に巣立ちは続く。
今度の雛も飛べないという悲惨な状態ではなく樹上から地面、その後お店のネオンサインに止まった。
子の雛を「ミリオン」命名。

暑くて口を開けっぱなしに福来軒

この日は朝から蒸し暑くて止まった木に葉が茂っていなくて暑そうにしていた。

窓に貼り付く福来軒

その後、福来軒が移動を始めた。親の威嚇鳴き程度で、通行人への威嚇はなかった。案の定コントロール不足で窓の縁にへばりつくが落ちてしまう。

リングを装着する福来軒

その後何度も貼り付いては落ちてを繰り返し、体力の消費が激しくなり動かなくなってしまった。
放っては置けないので一旦捕まえてリングを付けた。

リングを付けて放鳥した福来軒
リングを付けて放鳥した福来軒

少し休ませて再び放鳥をした福来軒。
今度はこのまま大丈夫でいておくれという願いを込めていた。

建築中のビルへ飛ぶ福来軒
建築中のビルへ飛ぶ福来軒を見守る親

その後飛んで見えなくなったのでホテルの窓から見渡すと、建築中のビルのネットに貼り付いたり、広告塔に止まったりしていて、親も見守っていた。
外に出て見に行ったのだか、既に福来軒の姿は見えず。
場所は建築中のビルなので道路にいるよりは遥かに安全だろう。
そう思いホッとしていたのだが。。。。

ローソンの看板の中にいた福来軒
ローソンの看板の中にいた福来軒

なんと、ローソンに看板の中にひっそりと休んでいるではないか!!
これを見つけてくれたのは私ではなくて、手伝ってくれた協力者である。
このままここにおいては置けないので店員に言って許可をもらい再び捕まえた。

軽い脱水なので水を飲ませる

画像だけを見ると、水攻めでもしているように見えるがそうではなく、水を飲ませて、体を冷やしているのである。
カラスの平熱は40℃から42℃らしいあ、捕まえた時はもっとありそうなくらいにホットだった。

体温が下がるまで保護

水をかなりがぶ飲みしてくれてホットじゃなくなった福来軒。
このまま再び放鳥した。

ミリオンと福来軒

するとなんと今度はミリオンまで下りてきてこの通り。
微笑ましい光景だけど、この時はまさに悪夢のような光景に思えた。(笑)
余り飛べなくて、軽い熱中症の雛が2羽地面になんて。。。。

飛んでホバリングをする福来軒
貼り付く福来軒
ブレームに止まるミリオン

ミリオンはすぐに高い所へ移動してくれて問題がなさそう。
どうやらミリオンの方が計算をして飛んでいそうな気がした。

お店に入ってしまった福来軒

ミリオンが大丈夫と思っていたら、今度はまた福来軒がやらかしてくれた。(笑)
お店の階段を上がって2Fへ入店。
ちょうど店員がいたので入れてもらい御用になった。
さすがにこの時点で一旦保護せざるを得ずになった。
夜に樹上へ戻すことにした。

福来軒を樹上へ戻す

この時は4人で行い、偶然にもカラス好きの人に声を掛けられたよ。

樹上に戻った福来軒

夜に樹上へ戻すメリットは親が騒がないとことと、雛もほぼ寝ぼけていて止めても動かずにいてくれる事である。

そのまま朝までいた福来軒

それ以降は問題もなく徐々に雛たちも街中へデビューして行った。
親は私をロックオンして、許してくれないブト君がまた増えてしまったが、実に嬉しい限りである。
私が登場して親が嫌がるということは、雛がいるということになる。

兄弟でくつろぐ雛

すすきのという眠らない繁華街でたくましく生きているカラスは他にもいる。
その中でも、今回はわずか2家族ではあるが、見守りが出来て良かったと思うのと同時に、力強い協力者。。。いや、頼もしい仲間に感謝である。
本来ならこんなに張り付かなくても「カラスの雛が巣立って親が怒るからそうっとしておこう」なんて言って、自然に遠回りをしたり、両腕を上げたりして回避してくれたらいのと思う。




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