地面に下りちゃったカラスの雛を現状復帰させる_Vol.1
大嫌いな6月だったが、今年は心強い協力者が増えたお陰で、一人じゃ無理な事も解決へ導くことができた。
今でも相談はあるもののピーク時の勢いはなく、こうして記事が書ける余裕ができている。
カラスの巣を24時間体制で見守りが出来たら、それはそれは最高だが実際には非現実的である。
とは言いつつも、今年はほんの数ヶ所ではあるが、夜明けから日暮れまで交替で見守りが出来て、捨て雛にならずに済んだブト一家たちがいる。
今回はその経過をお伝えしようと思う。
私は巣が見えるホテルのディユースや、カプセルホテルを利用して見守りをしていた。
何故そんなにお金を掛けてまでとと思うだろうけど、毎日夜明けと共に出かけるよりも効率が良いのである。
まずはすすきののブト一家Aのことをお伝えしよう。
すすきのと言えば北国最大の繁華街であり、場所にもカラスは縄張りを保持して生息している。
このブト君はこのエリアの主のような存在でなんでも知っていそうである。結局はこの状態のまま繁殖を続行し、巣が目立っていたので苦情はあったが、看板対応などで特に問題は起こらなかった。
ここで札幌市のカラス対応をする部署について軽く触れることにする。
札幌市は10区に分かれていて、公園や街路樹を管理している各区土木センターがそれぞれ対応をしている。
苦情対応や注意喚起看板の設置などがカラス対応のメインだろう。
看板も全てに設置するのではなく、苦情が増えて、どう考えてもその場所はキツいね。。。。という場所に設置をしている。
看板も営巣初期と巣立ち時期だと文言を変えたり、設置場所も変えたりしてくれる。
何れにしても基本は「営巣木には付けない」ということである。
人間の心理として、読んだ後に上を見上げてしまうからである。
刺激しないでと言っていながらこれじゃダメなのである。
なので、看板は営巣木を取り囲むように周辺に着けるのが定番である。
では捨て雛はどこが担当なのかというと、法律的なこともあり本庁の環境部署になる。
各土木センターで看板設置や説明に尽力してくれても、別ルートからあっさりと捨て雛をされてしまい、がっかりしてしまう場合もある。
もう少し連携をしてくれたらいいのになぁと思うのである。
過去の繁殖では捨て雛や交通事故などで全くと言ってよいほど子孫繁栄はされていないと思われる。
とここが、今年は雛を十分に大きくなるまで巣立ちをさせずに待機させていた。
そのおかげで一番大きな雛は地面に下りることもなく立派に巣立ってくれて第一関門を突破してくれたのである。
最初に止まった場所にちなんで「西鶴」と命名した。
この時は友人と見ていたのだか、親が威嚇鳴きをしていてちょっとドキドキしたけど、すぐに飛び上がって移動してくれた。
その時は心の中で拍手喝采であった。
車の人に声を掛けたら、私のことを知っていてカラスへの理解もある方で大変助かった。
でも親にはロックオンされちゃったけど。。。。(笑)
兄弟は全部で3羽いて2羽目はその数日後に無事に巣立ったのである。
この雛は「NIKKA」と命名。
NIKKAが巣立って残るは1羽である。
しかしこの1羽の雛は飛ぶ勇気がないようで、何度も踏ん張るのだが飛び経てない。。。。
NIKKAは残りの兄弟が気になるのか、再び巣に戻り一緒にいるという行動を取りだした。
そして、兄弟に促されて一緒に飛び立った3羽目の雛。
一気にビルへ飛び立ち巣立ち成功!!
一緒に飛び立ったが、移動しないKEIWAを気にするNIKKA。
カラスは兄弟同士も仲がいい。
3羽巣立ってご安泰と思っていたのだか、何故かKEIWAが全く移動してくれない。
地面にいるよりは遥かに良いけど、やっぱり樹上へ移動して欲しいと思うのである。
そんな思いとは裏腹にKEIWAは飛んで地面へ不時着してしまったのである。
親が騒ぎ出してどうしようと私も焦ったり、雨で自転車もなく大荷物で見動くが取れない。
まずは雛を誘導して縄張り内へ戻すと、自力で自転車へ止まってくれた。あしかしこの場所がいい訳がない。。。私は友人何人かに連絡をしてきてもらうことにした。
雨が降っていて通行人はみんな傘をさしていたので威嚇に気が付く人はほとんどいないようだった。
ヘルプが到着するまで私が親代わりにKEIWAを見守る。
親も近くで見ていたが威嚇は起こらずに済んだ。
友人が到着して現状を見てどうしようかと作戦会議開始。
結論は「暗くなったら樹上へ戻る」に決定。
明るいと気に行ってもいいのだが、親が騒いでしまいかえって目を引いてしまい、通報の可能性もある。
暗くなるまで車内で待機する。
ハシゴや作業着などは全て協力してくれた知人の自前である。
ハシゴはコンパクトに折りたためて軽くてよさそうだが自転車では到底無理である。(笑)
翌朝、早朝から見守りをしてくれていた知人から連絡が入り、BGMは威嚇鳴きだった。
KEIWAが足を痛めているらしく動けない状態になっていた。
足を痛めた原因は何だろう?と昨日の記憶を回帰してみる。
飛び立って止まった場所はビルの照明があり配線などでごちゃごちゃしていた。
想像だが、配線などに足を引っかけて怪我をしたのだろう。
怪我の状態を知るためには病院で診察が必要である。
時間外にも関わらず快く診察をしてくれたのである。
レントゲンを見ると足の骨折が確認された。
これじゃすぐには戻せないね。。。。
役所へ言うと「自然なことなので静観を」と言うだろう。
確かにカラスが骨折をするのは自然なことだ。
しかしそのままにしておくと親が通行人を威嚇して「凶暴で危険」と言われて捨て雛になるだろう。
自然のままでというのなら、捨て雛は実に人工的なことに思えるのである。
KEIWAくんは数日入院をしてその後は保護経験がベテランの友人が面倒を見てくれている。
傷病鳥獣なのでリハビリしてリリースするまでは人の管理下に置かないと無理でしょう。
この辺の解釈は色々と面倒なのでここでは触れないことにする。
KEIWAくんのテーピンが取れてどうなったのかは後日追記する事にする。
西鶴とNIKKAの姿をしばらく確認できていなかったけど、みんな無事で大きくなっている。
3羽の雛の親も、4月中旬から造巣を始めて、6月下旬に巣立をを終えるまで、本当にお疲れ様だったね。
まだ雛が独り立ちをするまでは気が抜けないね。
交替で見守りを手伝ってくれた仲間たちに感謝してもしきれない。。。。