カラスのヒッチハイクと捨て雛
うっかりして投稿を失念して数ヵ月が経過して気が付けばカラスの巣立ちが落ち着いてゆっくりとコーヒーを賞味できるようになっていた。
そうとは言えまだ巣立ちが残っていてこうしている間に何か起こるのではないか?と気が気ではない。
毎年カラスの巣立ちには色々と物語がある。
それは楽しかったり、悲しかったりと。。。。
カラスの雛の「ヒッチハイク」と言って分かる人はどのくらいいるだろうか?
ヒッチハイクは知らない人の車に乗り継いで目的地まで到達するという事だが、カラスの雛の場合はちょっと違う。
巣だって間もない雛はまだ怖い事も何も分からない。
余り飛べない状態で地面をちょろちょろとして飛び上がり止まったのがたまたま信号待ちをしていた車だった。
ドライバーは走り出せば飛ぶだろうと思いそのまま進んでしまう。
しかし雛の場合は飛ばずに動いて足が悪くなり多くの場合はワイパーにしがみ付いてしまう。
そして次に止まった時に雛が下りるのだが、逃げる事も知らないのでそのまま後続車にひかれてしまう。。。
仮に脇道に入って下りたとしても、そこはもう親の縄張りから出てしまい雛は到底戻れない。
親が見ていたらまだ戻れるかもしれないが、ヒッチハイクの多くは親が見ていない時に起こってしまうのである。
来年のカラスの巣立ち時期に車から下りないカラスがいたらすぐに発車しないでまずは雛を下ろしてくれるとありがたい。
走行中に止まられてしまった場合、可能ならそのまま戻ってもらうか、縄張りはあきらめたとしても、安全な場所で下ろしてあげてほしい。
カラスは頭のいい鳥ではあるが、巣立ったばかりの雛はビックリするほど世間知らずで怖い事を知ならいのである。
捨て雛って何のことか分かる人はいるだろうか?
親が育児放棄をして放置された雛だと思う人もいるだろう。
カラスの場合は雛が死んでいても守ろうとするくらい親子愛が強い。
したがって育児放棄はまずないと思って間違いないだろう。
じゃこの捨て雛って??
カラスの巣立ちって決して恰好がいい訳ではなく、巣の周りにある枝に移動して羽ばたきをしながら飛行力を付けていくのである。
しかし街中の街路樹は剪定をされていて思うように移動ができない。
それでも飛ぼうとするのだが、上手に隣の木まで行けずに地面に不時着してしまう。
今度は飛び上がろうと頑張るが、低い枝は剪定されていて飛び移れないのである。
そうなると親は心配で心配でいても立ってもいられなくなり、雛の側にいる人間を排除しようと低空飛行や蹴りが始まるのである。
この行動は本能なので止めさせることは不可能であり、罵声を浴びせても言葉も通じない。
そうこうしているうちに役所へ通報されて状況確認もされないまま業者が来て雛を捕獲してしまうのである。
捕獲された雛がどうなるかは警察も通報者も考えもしないだろうし、かわいそうと思って通報した人は「保護されて時期を見て放鳥してもらえる」と思っているようである。
しかし実際にはそんな優しいことはしてもらえず、人のいない山や河川敷に捨てられてキツネやアライグマの生き餌になっているのである。
キツネやアライグマも行政で捕殺しているのに5月から8月にかけてほぼ毎日新鮮なカラスの雛を与えて繁殖を後押ししているのである。
環境省に問い合わせたら「生態系に影響を及ぼす可能性もある」と言っていた。
税金で行われている事に関して納税者である札幌市民は詳細をしる権利があり、これは個人の思考を押し付けるクレーマーの市民権の乱用ではない。
しかし捨て雛の依頼を出すコールセンターに聞くと「捕獲された雛がどうなるのかは分かりません」と言われるのである。
結果も分からないところにお願いなんてとんでもない話である。
そもそも税金で行われているという認識があるのかな??
専門知識は持ち合わせていないので掘り下げて聞くと「そこまでは指示されておらず分かりません」とひたすらリピートされるばかりである。
マガモ親子の引っ越しなら交通整理までして手助けをするのに、カラス相手になると地面に下りたら最後まるで死刑宣告のようである。
カラスの雛が飛び上がれないのなら樹上へ止めてあげればいいだけの話である。
もちろん親には威嚇されるがそういう場合のターゲットは雛を捕まえている人だけである。
業者ならハシゴだってある訳だからいくらでも樹上へ止められるだろう。
一度くらいチャンスを与えてもいいのではないか?
カラスの親は約2ヶ月間24時間体制に近いくらい懸命に子育てをしていた。
やっと巣立ったのにわずか数時間で愛しい我が子が捨て雛されるってあり得ないだろう。
カラスの雛が翌春まで生き残る確率は低いが捨て雛で無駄に命を絶たれるのは解せない。
それなら親の目の前で車にひかれて死んだ方がはるかに幸せではないだろうか?
だってカラスは雛がペシャンコになっていても必死に守ろうとするからね。
捨て雛の事実は余り知られていないのだが、行政が保護すると言っても捨て雛になるだけなので言わない方が無難である。