殺菌について

問い合わせ件数No.1

お問い合わせをいただく中で、殺菌についてのお問い合わせが一番多いかもしれません。殺菌とは、微生物をコントロールする加工です。殺菌工程を持っていないサプリメント工場の微生物の受入規格は「一般生菌数 3,000個/g以下、大腸菌群 陰性」となっていることが多いです。ちなみに殺菌工程を持っている会社では、この限りではないこともあります。私は独立する前は農産物の加工をやっていたことも多いので、少しだけ殺菌について知っているのかもしれません。もし、お困りの時は、一度お問い合わせしてみてください。何かお困りごとを解決できるお返事ができるのではないかと思います。

殺菌方法

日本では、
HTST殺菌・・・飽和水蒸気を用いた加熱殺菌
気流式殺菌・・・過熱水蒸気を用いた加熱殺菌
のどちらかの方法を使うことが多いです。もちろんこれ以外の殺菌方法もあります。例えば電磁波(電子レンジと同じ考え方)を使った殺菌、オゾンを使った殺菌、フィルターを使って菌を取り除く方法、エタノールを使った方法などがあります。しかし、どれも受託加工を受けている会社さんは少なく(僕が知らないだけかもしれない)HTST殺菌か気流式殺菌をすることになると思います。また、熱に弱いフルーツとかだと、次亜塩素水を使って殺菌(除菌と表現することが正しいかもしれません)する場合もあります。基本的な菌の考え方は、表面に菌が付いているので、それをどのように殺菌するのか。ということになります。

殺菌が始まったきっかけ

僕がサプリメント業界に入る前の話だと聞いていますが、大手の飲料メーカーさんが起こした菌トラブルが原因で乾燥物も「殺菌しましょう。」という考えになったようです。それまでは、菌に対しての考え方が緩かったようなのと、殺菌工程を受託して加工してくれる会社がほとんどなかったので、曖昧な感じだったようです。今では、殺菌工程が入っているのか、どの工程で菌のコントロールをしているのかを厳しくチェックされることが多くなってきました。
僕が働いていた会社にカワサキ機工さんの殺菌機が入っていましたが、これを0号機と呼んでいました。初めて受託加工会社に設置した機械だったようで、そのように呼ばれていました。今では、多くの会社さんにさまざまな殺菌機が導入されていますが、今から20年くらい前までは、新しい技術でした。

どのように殺菌するのか。

ざっくり説明すると、乾燥されている個体(形)を崩して、表面積を小さくします。そのあとに3秒から30秒程度で蒸気をあてます。蒸気を使っているので、その後乾燥します。この工程を一つの機械で連続で行っていきます。
例えば青汁のような葉物の原料は5㎜から7㎜程度くらいの大きさにします。たまに、粉末にしてしまってから菌が出てきてしまって、工場受入アウトになってしまったので、何とかして欲しいとの相談をいただきますが、殺菌できないことはありませんが、歩留りが悪い、変色する、焦げる、風味が変わるなど、良いことがありません。ですので、できる限り粉末にする前に殺菌工程を入れることをお勧めします。

費用と時間

一番気になるところだと思います。
厳密には、試作をしないと費用の算出ができません。理由は時間当たりの生産高で算出しているからです。僕知る限りの概算では、100kgの加工で、800円/kg程度でしょうか。多くが殺菌と粉砕が一つの依頼でいただくことが多いので、この価格を下回ることが多いです。
時間ですが、原料納品から製造ラインが取れれば、早くて2週間程度、量が多いと4週間程度かかる場合もあります。
殺菌は検査結果も重要なので、受入検査で2日~3日、製造後検査で2日~3日間かかりますので、検査だけで1週間かかるのです。実質の製造期間は1週間でも、検査に1週間かかるというわけです。

製造実績

・青汁の原料になるような葉物(大麦、ケール、明日葉、桑の葉、、モリンガなど)
・海藻、なまこ
・香辛料類
・チアシード
・茶類
・菊芋
など、思いつくだけしか書けませんが、こんな感じです。

次回は、粉末化について書きたいと思います。

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