だってお寿司は美味しいんだもん
「いつ頃から歌手を目指すようになったんですか?」
とよく聞かれるのですが、いつも物心ついた時からと答えています。
最近同じような会話をしているときに
「じゃあその道1本!って感じですねぇ」
と言われ、ふと思い出した話があるのでそれを……
雑記帳みたいな感じです。
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「私ね、大きくなったら歌手かお醤油になりたいの。」
小さいときの口癖。というより、保育園で読んだ絵本に出てきた魔法使いのおばあさんが、”夢は声に出してみんなに教えるものよ。そしたら叶うの” と教えてくれたので、ちゃんとそれを守っていただけなんだけど。
流れ星にお願いするより簡単だ!
私はおばあさんを信じてた。
だけど、いろんなところで自分の夢を話すたびいっぱい笑われた。
「人間が食べ物になれるわけないじゃん」
という反応がいちばん多かった。私より大きい人たちは「どうしてそんなこと言うの?」とか。
答えはいつも一緒。
「だってね、お寿司とお豆腐が好きだから、二つと仲良くするためにはお醤油になればいいの。」
「でもお醤油は食べ物だよ?」
「それにね、人間はしょっぱいものもたまには食べないと死んじゃうってじいちゃんが言ってたから、お醤油になれたら、みんなの体の中に入って元気にしてあげるんだよ」
家族やイトコたちにもたくさん笑われたけど、みんな「面白い夢だなぁ!」と言ってくれた。
「いつからそんなこと思ってたの?」
いつからかなんてわからない。じいちゃんがお塩舐めてたときかなぁ。
「歌手とお醤油、どっちもなりたいの?」
どっちも、なんてのは贅沢じゃないかな。でも歌うのも好きだし、お寿司も大好き。まだ決まってない。
「みんなのためにホントにお醤油になれたらすごいけど、そしたらもうお顔を見て話せなくなるね。せっかくこないだお母さんのお腹から出てきたばっかりなのにー。」
4歳の時の記憶。
『そうか、お醤油になったらみんなに会えなくなるのか。』
それはすごく悲しいことだったから、私は自分のなりたいモノのリストから”食べ物になる”という選択肢をなくしました。
…ということで、この道1本!というわけではなく、なりたいモノや職業は、その後もいくつかありました。ネイリストとか。
いつも熱しやすくて冷めやすい。
ただ、何に対しても3日坊主・飽き性の私が続けられてるのって「歌うのは楽しい!」て思うことだけなのでした。
あ、今もそうです。