見出し画像

今日、すごいことがあった

ホットなうちに書き記しておこう。

今日、私は歯医者に行った。
私の住む街で私は小さなエリアではあるが、ほんの少しだけ顔が知られている。なぜなら、私が出演するコンサートのチラシのようなものがある店のトイレに貼ってあるからだ。ずいぶん前から貼ってあるので、その写真を見た延べ人数はまぁまぁの数になるのではないかと思う。

私の通う歯医者さんもその一人で、お店のトイレで私の顔写真を見かけ、後日私が治療しに行った時に「見ましたよ!」と声をかけてくれた。過去に私は歯科医の業界誌にも取材されたこともあり、歯科業界に1mgほどのインパクトを与えたことがある。その時私は、医療現場における音楽の役割についてしょうもないことを話したのだ。その歯医者さんでは開院当初はオルゴールサウンドをBGMに使用していたが、そういうこともあってBGMは次第にジャズが使用されるようになった。私は治療中、巨匠たちの名演奏に耳が集中してしまうことがしばしばあった。

さて、今日も担当の歯科助手(美人)さんに導かれ、診察台に座った。診察椅子がうやうやしく倒れていく。私は顔にタオルを掛けられ、歯科助手(美人)さんに口内を委ねた。目を閉じてBGMに耳を傾ける。しばらくすると、いつものBGMがジャズからラジオに変わっていることに気がついた。そうか、最近はVOICYやスタエフなど個人でもラジオ番組を開設できるのだもの、世の中はちょっとしたラジオブームなのかもしれない。

しばし、ラジオに耳を傾ける。

ラジオからは、朗らかな女性の声が聞こえていた。少し西の方のイントネーションで、パーソナリティの男性の言葉に楽しそうに笑い声を上げていた。男性の声はくぐもっていてよく聞き取れない。そもそも、歯科とは何かと騒音で満たされるものだ。当の私も歯科助手(美人)さんに口の中をジージーやられていてラジオの音がよく聞き取れない。

んー、もしかしたら、スタッフ用にラジオを流すようになったのかな。それもひとつの働き方改革なのかもな。

私は続けてラジオに耳を傾けた。
ラジオから流れてくる女性の声には聞き覚えがあった。このよく笑う感じにも聞き覚えがあった。

なちこさんに声が似ているなぁ。

なちこさんはこのnote界で人気者のよく食べるラマだ。
筋トレについてメンバーシップ活動をされていたり、ご自身のユーチューブ番組でちょっとヘタレな大食いを披露していたりする。noteでは最近、#2000字のホラー でWEB別冊文藝春秋賞を受賞しているすごい人だ。

なちこさんの声によく似てるなー笑

そう思いながら私はラジオから流れてくる声に集中した。すると「雑誌が送られてきて」「非売品って書いてあって」「○月20日に発売されるみたいで」という言葉が聞こえてきた。

あれ? これ、どっかで聞いた話だな。

私は確認のために耳を澄ました。
男性の声。男性の声さえ聞き取れれば、この私の憶測が確信に変わるはずだ。

しかし、男性の声はあまりにもくぐもっていて全然聞き取れない。でもこのちょっと落ち着いた感じの笑い声…もしかして…いやまさか。

そう思った時だった。それまでなかなか聞き取れなかった男性の声がふいによく聞こえた。そしてその声が「なちこさん…」と言った気がした。

もしかして…いやまさか。

私の脳内は「もしかして」「いやまさか」の応酬だった。高鳴る胸に私は更に耳を澄ました。

「最初…○さんが…で…あはは…」

○さん!?
ここで私の憶測は確信に変わった。これは、私がいつも更新を楽しみにしている思うさんのスタエフの番組のなちこ回だ!! ちなみに、思うさんのスタエフの番組はこれ ↓ 
思う〈と〉〇〇 | stand.fm

そして、なちこ回がこれ ↓

この下りは、なちこさんが#2000字のホラー で賞を受賞した時のエピソードだった。そして、その後なちこさんのいろんな告知に話題が広がっていく…。きちんとは聞き取れないが「告知」という言葉も耳に届いてきた。

よし! これはもう絶対だ!
私は自分の口が笑いを堪えて歪むのを感じた。歯科助手(美人)さんが少し器具を口から離すほどだった。

こんなことってあるだろうか。
偶然。しかも、数あるスタンドエフエムの番組の中から、この番組をチョイスした歯医者さん。え? ちょっと待って。もしかして、先生か助手の人が思うさんかなちこさんのファンってことなのかな。え? そうなると私のコメントとかも見てるってこと? え? 待って待って。そうなると私がnoteをやっているってここのスタッフの人は知っているってこと? あれ?もしかしてもしかしてだけど、私がnoteをやっていることを偶然どこかで知って、その上でスタエフの番組を聞いているってこと? え? え? もしかして、今日の私の予約に合わせて番組を流し始めたとか? え? うそ。ここのスタッフの人、もしかして私のファン? っていうかもはやストーカー?

いや、絶対そんなことないよ。

違う違う。そうじゃないよ。いやでも、こんな偶然ってあるかな。すごい偶然だよ。うん。すごい偶然だ。こんなことあってあるんだな。すごいなー、すごいなー。偶然っていうか、こういうのって運命っていうんじゃない?

私は歯科助手(美人)さんに口の中をジージーされながら脳内で大騒ぎをしていた。

この模様は絶対に今日中にnoteに書き記さなくちゃいけない。情報はホットなうちに書かねばならないってnote界の超絶頭のいい人がそう言ってた。

私はまずコトの事態を歯科助手(美人)さんに確認しようと思った。彼女はまさに今、私の顔の上のタオルをめくるところだった。よし、聞こう。

「じゃ、起こしまーす」

じれったいくらいにゆっくりと起き上がる診察椅子。私は椅子が起き上がるのももどかしく、自力で起き上がって大急ぎでぶくぶくぺをした。そしてラジオのことを…

あれ? 私は頭上にあるはずのスピーカーを見上げた。
歯科助手(美人)さんが何か言いたげに私を見た。

…。

歯科助手(美人)「あの…もしかして…」

彼女は音の方向にある私のバッグを指さした。

歯科助手(美人)「スマホ…wwwwwww」

そう。私がずっとジャズのBGMに替わって流れてきたラジオと思っていたものは、私のスマホから流れる思うさんの番組の「なちこ回」だったのだ。

そりゃ、聞き覚えあるよ。私のスマホからだもん。私がフォローしている番組だもの。そりゃ、私の知っている番組が流れるよ。

私「ああ、私の…」
歯科助手(美人)「wwwwwwwwwww」

私はバッグからスマホを取り出して停止ボタンをタップした。歯科助手(美人)さんもずっとスピーカーからラジオが流れてるなーと思っていたそうだ。恐らく医療器具の音が障壁となり、あらぬ方向から聞こえるように感じていたようだ。

けっこうな大音量で流れていた思うさんの番組の「なちこ回」。歯医者さんはBGMを変えたわけではなく、ましてや私のファンでもなかった。

こんなことってあるんだな…(寂笑)

その後、歯医者を後にした私は、これまた偶然に仕事仲間とばったり遭遇。一瞬、これももしや仕掛けがあるのではと疑ったが、こちらは本当に偶然だった。

「こんな偶然ってあるんだねぇ」

私は、意気揚々と仕事仲間に言い放ったのだった。

#偶然 #偶然って一体 #スタエフ #スマホの誤作動に気をつけましょう

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集