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入れてあげます問題
ホテルで朝の準備をしながら、もこみちの番組を流し見する。
画面ではもこみちが手際よく料理をしている。さっとフライパンを煽り「そして、ここに〇〇を入れてあげます」と聞こえてくる。その後も
「分けてあげます」
「揉みこんであげます」
「混ぜてあげます」
と言う語尾が聞こえてくる。をを、これが世に言う「してあげます」語を操る民か。
昨今この「してあげます」が気持ち悪いと一部の大人たちがザワザワしている。食材を擬人化するようなこと言い方に噛み付く大人達。「日本語がなっとらん」「気持ち悪い」「違和感」と意見は概ね「なんか変」と感じている様子だ。
もこみちのこの「してあげます」に強く噛み付く大人がいることを想像する。「日本語ではそんなふうに言わない!」「なんだよ、してあげますって!」彼らはもこみちを脳内で血祭りにあげる。気持ち悪い!と。
でも待って。
それってもこみちバイアスがかかってない? もこみちが言うからっていうのない? 自分よりカッコイイ男のアラを見つけてその魅力を下げようとしてない?
ここでひとつ、想像してみて欲しい。
もしも、これが六角精児だったらと。
もやしをつまみ「髭を取ってあげます」と言う六角精児。魚を下ろし「塩を振ってあげます」と言う六角精児。湯気を上げるフライパンに「酒を入れてあげます」と言う六角精児。そして余った酒を飲み干す六角精児。
六角精児だからいっか、とはならないだろうか。いや、ならないか。どうだろう。
では、スペックを変化させてみよう。
温水洋一だったらどうだろう。
温水洋一が塩を振って「水分を出してあげます」温水洋一がゆで卵を手にし「殻を剥がしてあげます」温水洋一がとうもろこしの毛を「すべて抜いてあげます」 あれ、なんだろう? 胸が痛い。
え、ちょっと待って。じゃあさ、じゃあさ、叶恭子さまだったらどうよ。
叶恭子さまがナスを「叩いてあげます」叶恭子さまがタケノコを「剥いてあげます」叶恭子さまが油揚げに詰め物を入れながら「膨らませてあげます」なんだろう。感謝しかない。あれ、これどういう感情?
この「してあげます」問題については、いずれ問題にすらならなくなるのかもしれない。どう感じるかはその人次第だし。私個人としてはどっちでもいいし。っていうか、私は何が書きたかったんだろう。
ちなみにサムネは街で見かけた真面目な看板。