子供にゲームをさせるべきか考える
昨日、作曲家のすぎやまこういち氏が亡くなったとのニュースがありました。主な作品としてドラゴンクエストシリーズがあまりに有名で、「序曲」が先般の東京オリンピックの開会式で使われたことでも話題になりました。
ドラクエ以外にも膨大な数の作品を世に送り出していますが、特に有名な曲の一つが「亜麻色の髪の乙女」でしょう。島谷ひとみがカバーしてリバイバルヒットしたことでも知られています。
※余談※
私は一時期、島谷ひとみのファンだったことがあります。「亜麻色の〜」をふとした機会に聴いて、結構歌が上手いと思い、テレビで「赤い砂漠の伝説」という曲を聴いた時に、ものすごく歌が上手いと衝撃を受けて、速攻でCDを買って、会社の人とかにも布教したのですが、「カバーばっかりの歌手でしょ?」「美人だもんね〜」などと、歌の上手さが伝わらず、むしろ硬派・堅実という私のイメージが、「面食いだったのかよ」と崩壊したというフィードバックを受けるだけとなり、歯痒い思いをしました。その後、某俳優との熱愛報道とかがあったり、目指している音楽の方向性が今ひとつわからなくなったりして、段々と関心は薄れていきましたが、今でも正当に評価されていない歌手の1人ではと思っています。
※余談終わり※
私が最初にプレイしたドラクエは4でした。小学生の4年か5年の頃だったと思います。別に特段欲しいとも思っていなかったのですが、デパートのおもちゃ売り場でぼんやりとデモ画面を見ていると、母親が「いつも家でちゃんと留守番しているから」と言って買ってくれたことを覚えています。
それまでロールプレイングゲームということをやったことがなかったので、内容が面白かったのはもちろんですが、何よりもBGMの美しくてかつ今まで聞いたことのない様な個性的なメロディとリズムに魅了され、サントラCDも買ってもらい、N響が奏でるオーケストラアレンジのサウンドにさらに衝撃を受けて、付録の楽譜を眺めながら聴き込んだものでした。
私が衝撃を受けたヴィデオ・ゲームは何かと問われたら、間違いなく「ドラクエ4」は5本の指に入ると答えると思います。(他は、「スーパーマリオブラザーズ3」「イース2」「ファイアーエムブレム 紋章の謎」「信長の野望 天翔記」)
と、ここまで熱く語っておいてなんなのですが、子供に対してゲームを与えるべきかどうか、というのは結構悩んでいます。私が今持っているゲーム機は3DSくらいで、しかも今はほぼ使ってなくて引き出しの奥に潜んでいます。よって、今のところ子供がゲーム機に触れる機会はない家庭環境となっています。
妻は子供の頃からもいっさいゲームはやっていないので、当然の如く子供にゲームは不要という立場です。少なくとも、スマホのゲームは絶対にやらせないと断言しています。私も、あまり「ガチャ」とか詳しくありませんが、基本的には射幸心を煽ってゲームに張り付かせるだけのアプリが多いという理解なので、そうであれば時間(場合によっては金)の浪費でしかないため賛同しています。
しかしゲームの中には、音楽や美術、テキストやシステム等が非常によく練られ、子供の創造性にプラスになるものも間違いなくあるとも思っています。私が上述で挙げたゲーム5本は、間違いなく私という人間形成に好影響を与えたと確信しています。
だから、もし子供が友達と遊んだ時とかにゲームに触れて、どうしてもやりたくて仕方がないと熱情的に訴えてきた時は、どんなゲームなのかを吟味した上で、買い与えても良いかなというのが私の今のところの考えです。
私は子供に、「好き」という気持ちを、何よりも優先して生きて欲しいと願っています。「好き」と「向いている」は違うとか、人生そんなに甘くないとかいう声も聞こえてきそうですが、まずは「好き」を追求して、生きることに肯定感を持って欲しいと思います。
すぎやまこういち氏も、作曲という好きなことをひたすら追求して数々の伝説を作り、90歳での大往生を遂げました。もっとも、音大に行きたかったがピアノを持っていなくて”仕方なく”東大に入ったとか、テレビ局に入って「ザ・ヒットパレード」や「新春かくし芸大会」等の番組を企画するばかりか自分でテーマ曲を作曲してしまうとか、ドラクエ1のBGM全曲をたった1週間で書き上げてしかもオリンピックで流れた「序曲」は5分で作ってしまったとか、異常な能力を持った人であるので、子供に見習えとはとても言えないと感じています。